安全崩壊のJR体制打倒へ 4・19尼崎闘争に結集を JRの闘う青年登場させよう

週刊『前進』06頁(2626号03面01)(2014/03/31)

安全崩壊のJR体制打倒へ
 4・19尼崎闘争に結集を
 JRの闘う青年登場させよう

(写真 事故を居直るJR西を弾劾した昨年の4・20尼崎闘争。JR尼崎駅前での集会後、デモに出発)


 昨年9月19日のJR北海道での函館線・大沼駅貨物列車脱線事故、今年2月23日のJR東日本の京浜東北線・川崎駅脱線事故は、国鉄分割・民営化から27年を経て、JR7社全体で民営化・外注化体制が全面的に崩壊し始めたことを示している。尼崎事故から9年目の4・19尼崎闘争は、安全を崩壊させたJR資本と対決し、JR体制を打倒する決定的な闘いだ。

分割・民営化破産の象徴=川崎駅事故

 JR内部に原因がある事故の発生件数は、2005年の尼崎事故時の1440件をピークに下がり始めたが、2010年から再び増加に転じている。国(国土交通省)の規制緩和により、JRの外注化は2001年から本格的に始まったが、以来13年の間に起きた脱線事故は、総件数ではJR東日本がトップ、営業キロ当たりの発生件数ではJR北海道がトップだ。(グラフ・表参照)
 JR資本は、尼崎事故の責任を現場労働者に転嫁し、JR西日本の歴代3社長の「無罪」判決で居直りを決め込んで、事故を激増させてきた。まさに「タガが外れた」状態だ。「JR無責任体制」は、もはや後戻りできないところに来た。
 全面外注化と業務丸投げにより、JRは安全に列車を運行する要員も技術も失った。要員はJR各社平均で約40%も削られた。国鉄分割・民営化で大量の熟練労働者を解雇した上、分割・民営化以来の27年間、青年労働者への技術継承もなされてこなかった。
 今回の京浜東北線・川崎駅事故は首都圏で「尼崎事故」が起きていたかもしれない恐るべき事態だ。たまたま回送列車で乗客が乗っていず、脱線してふさがれた線路に別の列車が突っ込んで来なかった偶然によって、死者が出なかっただけだ。
 「線路を閉鎖する」とは、「列車を進来させない措置をとる」ことだ。それは、線路に重機を載せて工事をするにあたり、衝突事故を防ぐために不可欠な措置だ。ところが今回の事故では、閉鎖されていない線路に重機が載せられ、回送列車と衝突した。工事が5社に分割され、指揮系統がばらばらにされたことがその原因だ。
 ひとつながりの指揮系統によって工事がなされていれば誰かが気づくであろう危険に対し、誰一人として気づかず、危険を防げない状態だった。
 1999年2月、山手貨物線で保線作業員5人が一挙にひき殺された事故の直後に、JR東日本は「安全管理に関する指示はしてはならない」と社内に指示を出していた。JRは「元方責任者」「発注責任者」としての責任を完全に放棄した。こうした無責任体制は、2001年からの保線・電気など施設部門の全面外注化でさらに蔓延(まんえん)し、組織を深部まで腐らせ朽ち果てさせた。
 107人の命を一瞬にして奪った05年の尼崎事故から9年を経て、JR資本は安全をさらに解体し、JR体制=分割・民営化体制そのものを崩壊させるに至ったのだ。

社会全体を崩壊させた新自由主義

 新自由主義は社会全体を崩壊させている。民営化・外注化、総非正規職化が強行される中で、未来を担う青年は低賃金・長時間労働を強いられ、過労死に追い込まれている。原発の再稼働と海外輸出をたくらむ安倍政権の攻撃は、新自由主義の極みだ。福島原発事故は収束するどころか汚染水の漏出は制御不可能だ。なのに人類が滅亡しても構わないとばかりに、貪欲(どんよく)な利潤追求に走ろうというのだ。新自由主義は、こうした攻撃のために労働組合を暴力的に破壊することを基本とする。
 新自由主義はJR体制の全面崩壊をもたらしただけではない。国鉄分割・民営化以来の新自由主義のもとで、人が生まれてから死ぬまでのあらゆる生活基盤は根こそぎ資本の餌食にされ、利潤追求の対象にされてきた。「命よりカネ」の原理が社会の隅々にまで貫かれた。
 今や安倍政権は360万人公務員労働者を全員解雇・非正規職化し、保育所、学校、病院、介護、さらには清掃、水道、都市交通など生活基盤のすべてを民営化・外注化しようとしている。
 尼崎事故9周年弾劾の闘いは、福島原発事故に至った新自由主義攻撃と真っ向から対決する闘いであり、東電資本と国家による階級犯罪を絶対に許さない闘いだ。福島の怒りとどこまでも一体化し、新自由主義攻撃で全社会を崩壊させようとしているJR資本、電力資本を始めとしたすべての資本家どもや安倍・自民党、橋下・維新の会らに、その責任をとらせる闘いだ。

青年の怒りを束ねJRに拠点建設を

 JR体制に対する青年労働者の怒りは沸き上がっている。JR資本と国家権力中枢は青年労働者の決起を心底恐れ、それをたたきつぶすために総力で襲いかかってきた。
 この青年労働者の決起は、反合・運転保安闘争を核心に、動労千葉を先頭とする階級的労働運動の前進がつくりだしたものだ。JR体制はさらに絶望的な外注化・非正規職化に突き進む以外にない。一切の矛盾を青年労働者に押しつけようとするJR体制と体制内労組に、「おれたちの未来を奪われてたまるか!」という青年労働者の根底的決起はますます拡大していく。動労千葉を先頭とする階級的労働運動の決定的飛躍が求められている。青年労働者の獲得を軸に、JR労働運動のすべてを握る闘いに打って出る時が来た。
 動労千葉は2012年10月1日に強行された検修部門の外注化以降の苦闘の中で、外注先の千葉鉄道サービス(CTS)の労働者と団結し、JRとCTSの双方から外注化を撃つ闘いに踏み出している。ライフサイクル攻撃にも運転職場復帰の大勝利を実現した。
 動労水戸は外注化阻止・被曝労働拒否の闘いを貫き、2・23いわき闘争を闘い、常磐線の竜田延伸を強行できない事態にJRを追い込んだ。
 国労郡山工場支部は、動労水戸の闘いを受け継いで工場を揺るがす被曝労働拒否の闘いに立ち、青年労働者に感銘を与え、その組織化に向かっている。そして、3・11反原発福島行動の中心を担った。国労新潟県支部は、新潟地本を巻き込んで新津車両製作所の子会社化反対闘争に決起し、国労大改革の端緒を開くとともに、青年労働者との合流を実現した。
 動労西日本は、JR西日本との激しい攻防に勝ち抜き、青年労働者を組織する展望を握りしめている。全国の国鉄労働者の闘いは、こうした路線的苦闘を通して、階級的労働運動路線の大前進をつくり出している。
 国鉄解雇撤回・JR復帰の闘いは、9・25判決をもぎりとった。東京高裁に、国鉄分割・民営化に際しての不採用基準を不当労働行為と認定させたことは決定的だ。4・9和解を粉砕し、国鉄分割・民営化以来の新自由主義を転覆する地平を切り開いたのだ。
 4・19尼崎闘争は青年労働者の怒りと結びつき、JR労働運動のすべてを獲得する出発点だ。問われているのは労働運動の具体的実践だ。JR7社の全職場に階級的労働運動の旗を立てる闘いに挑戦するのだ。全国の地区党が、JR職場に細胞をつくり、階級的労働運動の拠点を建設することを基軸にして闘おう。
 4・9和解に対し「国鉄闘争の火を消すな」を合言葉に始まった国鉄闘争全国運動は、解雇撤回・JR復帰の最高裁10万筆署名運動を前進させるとともに、JRに拠点職場をつくり出す闘いを進めてきた。この闘いを全面的に発展させる時は今だ。それは、新自由主義の崩壊をプロレタリア革命に転化する階級的労働運動の歴史的な登場に道を開くものになる。闘うJR青年労働者を4・19尼崎闘争に大登場させよう!

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尼崎事故9周年弾劾!
4・19全国総決起集会
 4月19日(土)午後1時
 JR尼崎駅北口広場
 呼びかけ 国鉄千葉動力車労働組合/国鉄闘争全国運動・関西準備会

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