外登法・入管法と民族差別を撃つ関西交流集会 〝共同の実践を労組で〟 4・20大阪 関合労を先頭に240人参加

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週刊『前進』10頁(2630号06面01)(2014/04/28)


外登法・入管法と民族差別を撃つ関西交流集会
 〝共同の実践を労組で〟
 4・20大阪 関合労を先頭に240人参加

(写真 「国境を越えて青年労働者を獲得しよう」と団結ガンバロー【4月20日 大阪市】)

 4月20日午後1時より大阪市・東成区民センターで「打ち破ろう分断! 取り戻そう団結! 民族差別・排外主義と入管体制を打ち破り、全世界の労働者は団結しよう/第23回外登法・入管法と民族差別を撃つ関西交流集会」が、240人の結集でかちとられた。演壇は真新しい「闘争勝利・関西合同労働組合」の旗で飾られた。

安倍政権打倒へ

 本集会の最大の柱は基調報告だ。実行委員会の同志が報告に立った。「革命までやむことのない労働者の闘いが全世界で始まっている。民営化・外注化・非正規職化という、労働者を生きることもできないところに追いこんできた新自由主義が今、音を立てて崩壊している。それは世界の労働者が民族・国籍や国境を越えて団結しかちとった歴史的地平だ。世界革命の鼓動が聞こえる情勢のもと、労働者国際連帯の具体的闘いで新自由主義を打ち倒す闘いを本日の集会から意気高く始めよう」と宣言した。
 基調報告の核心は、安倍政権が4月4日、経済財政諮問会議・産業競争力会議の合同会議で決定した外国人労働者の受け入れ拡大方針の意味である。「2009年の入管法改悪は在留カード制の導入、それと一体で技能実習制度を本格化させ、建前は禁止である単純労働力の導入を目指した。今回の拡大方針はこの管理体制を自ら崩すものだ。背景にあるのは世界大恐慌と3・11情勢下での日本帝国主義のすさまじい危機、外国人労働者の怒りの決起だ。外国人技能実習生の動員は日本国内に大量の資本主義の『墓掘り人』を生み出す。滞日・在日外国人労働者は非正規職撤廃の最前線で闘う存在だ。『救済』的あり方を突破し同じ労働組合に結集してともに闘おう」と訴えた。
 最後に「16日に仁川から済州島へ向かう大型客船セウォル号が転覆した。日本で20年近く使い、払い下げた船を定員増のため改造し、重心が高くなって転覆した。資本の収益を上げるために安全は一切無視だ。今、国鉄分割・民営化、外注化・非正規職化と闘いぬく動労千葉、動労水戸を先頭とする国鉄闘争が国境を越えて大きな共感を生んでいる。入管法・入管体制による分断をうち破り、闘う労働組合を軸とする団結をつくろう。私たちの未来はここにある」と締めくくった。確信にあふれた報告に満場の拍手が応えた。
 集会は最初に、実行委員会が主催者あいさつを行った。「入管闘争は安倍政権と対決する重要な位置をもっている。外国人労働者の大量動員が、原発や除染、オリンピック、家事や介護・医療までもに。これは階級の国際的団結のチャンスでもある。国境を越えて熱い勇気を持って帰る集会にしよう」と訴えた。
 集会冒頭、民主労総の昨年12月の闘いのDVDが上映された。民主労総ソウル本部イヒョンチョル副本部長の全国集会での発言(前号に既報)のビデオメッセージと、ソウル本部国際事業担当のパクチャンシク副本部長の関西集会へのメッセージが読み上げられた。
 獄中39年、無実の星野文昭さんからのアピールを大阪星野さんを取り戻す会が代読し、連帯の拍手で確認された。

田中委員長が檄

 基調報告を受けて、動労千葉の田中康宏委員長が特別報告に立った。戦争への道にのめり込む安倍政権の背後にある深い危機を明らかにし、「国鉄闘争が切り開いてきた地平に確信を持とう。国家主義と分断をあおり戦争に突き進む攻撃に対して、労働者のインターナショナルをつくる時代が来た。すべてをひっくり返すところに手がかかるところまできている。勝利のために本気になって闘おう」と、6・8国鉄集会への大結集、職場拠点の建設、戦争と改憲への怒りを労働者の団結に組織する闘いなど四つの方針を訴えた。

解雇撤回の勝利

 集会の第2部は現場の闘いの報告だ。職場での実践と教訓がつまった珠玉の報告が続いた。
 関西合同労組日経サービス分会の中国人女性労働者は「日経サービスは一昨年10月に私を懲戒解雇した。2度目の解雇。悔しい思いと怒りで関西合同労組で闘った。『解雇有効確認の労働審判は不当労働行為だ』と労働審判はとりやめさせたが、裁判になった。会社は勝てる見込みがなくても脅しと嫌がらせで組合員を裁判に訴える。会社は追い詰められ和解になった。謝罪と解雇撤回、職場復帰を認めさせた。民族や国籍が違っても労働者は労働組合に入って会社と闘うことで団結できる。団結して闘えば勝てる」と確信を持って報告した。
 関西合同労組阪神支部の許用皓(ホヨンホ)支部長は「かねひろ資本との解雇撤回の闘いは15年になる。体制内組合と決別したこと、さらに朝鮮総連と決別したことが決定的だった。総連では『在外公民』の位置づけゆえに資本とは闘わない。私は不当解雇と闘って『労働者に国境はない。労働者は一つだ』と学び実践している。この間はかねひろがある西宮浜で夕方の退勤時間に宣伝戦をしている。青年労働者が座り込んで聞いてくれ、近隣職場の団結の拠点になっている。昨年11月は動労千葉とともに訪韓した」と報告した。
 ユニオン自立とともに日系ブラジル人労働者の解雇撤回を闘う労働者が闘争を報告した。
 大阪市職・大阪市教組の仲間、八尾北医療センター労組、全国水平同盟西郡支部、高槻医療福祉労組、広島連帯ユニオン、全学連の京都大学の学生が報告した。
 最後に実行委員会の青年労働者が「この集会を国境を越えて青年労働者を獲得する出発点にしよう」とまとめ、団結ガンバローで閉会した。
 私たちは9・25判決と都知事選の決断をとおして「現代革命への挑戦」を開始した。いよいよ民族・国籍・国境による分断をうち破り、労働組合に団結して勝利する時代がきた! このことを鮮明にした集会だった。
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