闘いは進む 青年の職場から 合同労組IJBS労組に出会い職場で労働組合を衝撃的に結成 沖縄 伊豆見健太

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週刊『前進』08頁(2646号03面04)(2014/09/01)


闘いは進む 青年の職場から
 合同労組IJBS労組に出会い職場で労働組合を衝撃的に結成
 沖縄 伊豆見健太


 4月上旬、春の温かい風を頬に僕は今の会社へ就職しました。
 そして5月沖縄集会に出会い、IJBS労組・仲宗根光洋書記長の解雇撤回の訴えに感動し、8月には職場で労働組合を衝撃的に結成しました。
●観光は「平和産業」じゃない
 会社はホテルや病院のシーツ等のクリーニング、仕上げ作業を行う工場で、基地沖縄の現実と表裏一体の「観光立県沖縄」になくてはならない業種です。
 職場の仲間は青年から年配の方、障がい者、アジア諸国からの滞沖労働者、留学生などさまざまな人びとで、秒単位で汗だくになって働いています。みんな非正規職ですが労働者の誇りをもつ尊敬する仲間たちです。そんな会社に労働組合を結成したのは一つ大きな出来事があったからです。
●パワハラ・退職強要
 この会社では信頼の厚い労働者はパワハラの標的となります。5月初め、7年勤続のベテラン女性労働者に対しみんなが最も嫌がる部署(しかも別会社への出向!)への「3日後」配転命令が会社から下ったのです。
 この不当配転・パワハラは労働者の誇りを根本から踏みにじるものです。「こんな会社辞めてやる!」。そうタンカを切って彼女は会社を去りました。こんな退職強要を絶対に繰り返したくない! 強い思いで労働組合結成を決断しました。
●組合結成に至るまで
 結成までの3カ月はできる限り会社の一人ひとりに話をうかがい、地をはうように呼びかけました。対面して話をすると、不平不満が会社の力で圧殺されていることに驚愕(きょうがく)しました。「本当は苦しいんだ! 助けてくれ!」――労働者の首に鋭いやいばを押し当て機械のように働かせ、動かなくなったら切り捨てる。まるで機械の部品のように扱う。そんな残虐非道な新自由主義のやり方にNOを突きつけて闘う決心が、仲間たちの話を通して湧き上がりました。
●合理化が奪うもの
 工場というのは「究極の合理化」だと思います。すべての工程で機械化が進み、人の手が触れている部分は多いようで実は少なかったりします。人の手が触れる部分は最も重要で機械では絶対にできない大切な工程です。その人の手が携わっている部分に労働者は働きがいや、生きがい、喜びを感じて働いています。ところが最近この合理化に歯止めがかからなくなっています。
 「生命よりもカネもうけ!」「品質を落としてもいいから商品をつくれ!」と、本来「安全第一」の現場で、実際には1分1秒を無駄にすることも許されず、安全確認よりも目先のもうけが最優先です。合理化は労働者の働く喜び、人としての尊厳を根こそぎ奪い去る資本の本質です。
 ですが誇りを奪われた労働者も、その誇りを忘れてはいません。必ず最初の頃の熱い気持ちを思い出し、踏みにじられた誇りを取り戻すために立ち上がります。「油まみれの労働者」と侮辱されてきた僕たちは、実際には誇り高き労働者です。そして新自由主義は、その「油まみれの労働者」によって崩壊・打倒されるのです。
 2010年代中期階級決戦で、全世界の誇りある労働者が一丸となって手を取り合おう! すべての元凶である新自由主義と闘い胸躍る新しい世界を切り開きましょう。

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