派遣法改悪案を葬り去ろう 今国会成立を自民党が断念 生涯派遣・総非正規化と安倍「成長戦略」うち破れ

週刊『前進』06頁(2657号03面01)(2014/11/17)


派遣法改悪案を葬り去ろう
 今国会成立を自民党が断念
 生涯派遣・総非正規化と安倍「成長戦略」うち破れ


 安倍政権は衆議院解散・総選挙に追い込まれている。これにより労働者派遣法改悪案の今臨時国会での成立は、ほぼ不可能になった。安倍が今国会の目玉に掲げた「地方創生法案」や「女性活躍推進法案」も廃案にできる情勢だ。今こそ労働者の力で派遣法改悪案を最終的に葬り去ろう。階級的労働運動をよみがえらせ、戦争と民営化の安倍を打倒する時が来た。

労働者の根底からの怒り

 労働者派遣法改悪案は今年1月から行われた通常国会にも提出されたが、法案に不備があることが明るみに出て廃案になった。今臨時国会でも、労働者の怒りを抑えるために公明党がペテン的な修正案を自民党とのすり合わせもなしに突然提出しようとして、委員会審議が遅れる一幕もあった。安倍は労働者の怒りを恐れている。
 安倍が今国会に提出した派遣法改悪案の中身は、以下のとおりだ。
 ①これまでは「通訳」や「事務用機器操作」などのいわゆる「専門26業務」以外については、派遣先企業は3年以上は派遣労働を受け入れることができなかったが、その規制を廃止する、②同じ派遣労働者が3年を超えて同一派遣先での同一部署に就労することはできない、③派遣先企業が3年を超えて派遣労働を受け入れる場合、労働組合や労働者代表からの意見聴取を条件とする。
 派遣先企業は労働者を入れ替えれば何年でも派遣労働を使い続けることができる。他方、労働者は雇用期間を最長3年に寸断された上、一生涯、派遣で働くことを強いられる。3年の期間制限を逃れるために、実際には派遣なのに請負を装う「偽装請負」の問題もなくなり、資本は労働災害などが起きても責任を取らなくなる。総非正規職化はどこまでも進む。まさに資本の強欲を絵に描いたような法案だ。

11・2集会の勝利の地平

 この改悪案を最終的に葬り去れば、安倍の戦略は根本から破産する。
 派遣法の改悪がほぼ不可能となった情勢は、国会内での与野党の駆け引きの結果などでは断じてない。新自由主義の攻撃に対して「もう我慢がならない」と声を上げて立ち上がった労働者の闘いが、安倍をここまで追い込んだのだ。
 5700人を結集して闘いとられた11・2全国労働者総決起集会は、国鉄決戦を基軸に民営化・非正規職化と全面対決する階級的労働運動を歴史の表舞台に登場させた。東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会の解雇撤回・原職復帰の大勝利は、「非正規職でも労働組合に団結して闘えば勝てる」ことを見事に実証した。
 動労千葉など3組合を軸とする階級的労働運動派の粘り強い闘いは、安倍を追い詰めている。労働者派遣法は国鉄分割・民営化直前の1985年に制定された。以来、労働者に非正規職化の攻撃が襲い掛かった。だが、国鉄分割・民営化に決着をつけるとともに非正規職を撤廃させる闘いは今、国際連帯を打ち固めながら力強く発展しつつある。
 11・2労働者集会の勝利は直ちに学生運動の大高揚に引き継がれた。京都大学で学内に潜入していた公安刑事を摘発し、たたき出した闘いと11・12京大全学緊急抗議行動は、学生運動を先頭に全労働者人民が安倍と非和解的に対決する決定的な情勢を切り開いた。
 その対極で、集団的自衛権行使の7・1閣議決定に対する既成勢力の総屈服・総転向が進んでいる。その典型が日本共産党スターリン主義だ。11月6日、「国際テロリスト財産凍結法案」が衆院本会議で可決されたが、共産党はこれに賛成票を投じた。米・欧・日の帝国主義が強行するイラク・シリア空爆を翼賛しているのが共産党だ。

追い詰められ衆院解散へ

 衆院解散・総選挙への踏み切り自体が、安倍の破産そのものだ。
 安倍が4月に強行した消費税の増税は、消費を一気に冷え込ませ、4―6月期のGDP(国内総生産)成長率は年率マイナス7・1%に落ち込んだ。大恐慌下で消費増税を行えば、こうなることは明白だった。この現実を突きつけられ、安倍は来年10月に予定されていた消費税率の10%への引き上げに突き進むわけにはいかなくなった。
 他方で日本帝国主義は世界最悪の財政破綻国家だ。増税を先送りしたら、日本国債は大暴落する。このジレンマから、安倍は解散・総選挙に追い込まれたのだ。
 そもそも日本帝国主義にとって、財政政策や金融政策だけで大恐慌をのりきることなど不可能だ。だから安倍は、超金融緩和や公共投資の大幅拡大などのいわゆる「アベノミクス」の根幹に、「成長戦略」を置いてきた。それは、労働者を総非正規職化し、劣悪な労働条件を強い、低賃金にたたき込んで、資本をとことんもうけさせるというものだ。まさに新自由主義のきわみと言うべき政策だ。
 だが、その突破口に位置する派遣法の改悪は崩れようとしている。「アベノミクス」はついに総破産したのだ。
 とは言え、日本帝国主義には破綻した新自由主義にすがりつく以外に生き延びる道はない。今後の政局がどう動こうと、日帝は必ず派遣法改悪を押し通そうと狙ってくる。だからこそ、労働者階級が団結し、自らの力で安倍政権を打倒して、労働者派遣法改悪案を最終的に葬り去らなければならないのだ。決戦の時はまさに今だ。

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