子ども・子育て新制度は民営化と戦争の攻撃だ! 絶対反対の労組建設を

週刊『前進』06頁(2662号02面03)(2014/12/22)


子ども・子育て新制度は民営化と戦争の攻撃だ!
 絶対反対の労組建設を


 「待機児童解消」と称した来年4月実施の子ども・子育て支援新制度は、破綻した新自由主義による徹底した保育労働の民営化・非正規職化で、保育を資本のもうけの道具にし、自治体を丸ごと民営化する攻撃です。そのために強固な団結で職場を守っている保育労働者の団結破壊、労働組合破壊が狙いです。
 もう一つの狙いが、7・1集団的自衛権行使容認の閣議決定と一体となった戦争に向かった統制、「お国のために死ぬ」教育を幼児期からやろうとするものです。それは、保育労働者、教育労働者に戦争教育を強制し動員していく攻撃です。民営化と戦争の攻撃は一体なのです。
 子ども・子育て新制度では、保育と教育を一体で行う「幼保連携型認定こども園」を推進しようとしています。来年4月からの実施は破綻的状況で、「幼保連携型認定こども園」化は進んではいませんが、攻撃の本質をしっかりつかみ、新制度絶対反対の組合運動をつくる必要があります。
 この「認定こども園」の保育・教育内容を決定する「幼保連携型認定こども園教育・保育要領」が今年4月にできています。この中で、これまで保育労働者が保育指針としてきた内容が大幅に削除され、新たな内容が加わっています。「子どもの発達」(第2章)がすべてカットされています。「外国人など自分とは異なる文化を持った人に親しみをもつ」という内容が削除され、追加されたものとして「規範意識」「国旗に親しむ」があります。民族主義攻撃そのものです。
 この「教育・保育要領」は突然出てきたのではなく、2006年の教育基本法改悪以降の新自由主義教育改革の流れの中に位置づけられています。
 それは教育と教育行政を区別してきた考えを否定し、国家が教育内容に介入していくことへの転換です。また、学校の設置は「公」だったものを株式会社まで可能とし、学校教育法(教育基本法6条1項)の適用のない「学校」を、認定こども園法により創設し公立学校の民営化、公設民営化の道を開く大攻撃です。同時に学校教育法で、幼児期から「公共の精神」「我が国と郷土を愛する態度」を教育目標にしてきたのです。認定こども園法では、それだけでありません。「規範意識の芽生えを養う」ことが目標ではなく、義務だというのです。
 そして、「教育・保育要領」で、教育課程・保育内容の制定権者を文科・厚労大臣に追加して、内閣総理大臣を主務大臣にしています。その時々の内閣総理大臣によって乳幼児期の教育がいかようにも変えられる? これは独裁への道ではないでしょうか。
 そもそも、この新制度の原型は、民主党時代の子ども・子育て新システムです。連合は新制度に賛成し、財源確保の口実としても消費増税に賛成しています。帝国主義労働運動の道に突き進む連合労働運動の本質がここにあるのです。
 民営化絶対反対を貫く労働組合建設を実践することと、戦争阻止を職場から闘うことは一体の闘いです。連合路線と激突し、戦争と民営化に絶対反対で闘う労働組合を、全国の自治体職場につくりだす闘いです。
 今、田中良杉並区長が進める区立施設再編整備計画の目玉=児童館全廃も、この子ども・子育て新制度のもとで行われている杉並丸ごと民営化の突破口であり戦争政策そのものです。杉並区で働く児童館労働者とともに闘うことが、衆議院選挙闘争の発展です。
(投稿/東京西部 前田恵子)
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