代表弁護士・葉山岳夫さんのあいさつ 不当弾圧と闘う決定的武器こそ完全黙秘・非転向の闘い

週刊『前進』06頁(2677号06面02)(2015/04/13)


代表弁護士・葉山岳夫さんのあいさつ
 不当弾圧と闘う決定的武器こそ完全黙秘・非転向の闘い


 救援連絡センター第11回定期総会にあたり、救援連絡センター代表弁護士として、連帯のごあいさつを申し上げます。
 本日は、お忙しい中を参加いただき、まことにありがとうございます。
 さて、「戦後レジームからの脱却」「日本を取り戻す」と叫ぶ安倍は、その取り巻き連中ともどもファシストの正体をあらわにしてきました。
 アベノミクスの破綻は、誰の目にも明らかになっています。莫大(ばくだい)な国債の垂れ流し的な発行と日銀・黒田による買い取り政策と年金までつぎ込んだ株価つり上げ政策は、遠からず破綻して、収拾のつかない重大な危機に陥ることは必至です。安倍は、この迫り来る危機を戦争のできる国への体制をつくり、戦争国家への道に人民を引きずり込むことによって新自由主義体制を維持しようとしています。
 安倍は、集団的自衛権容認の閣議決定に基づく一連の戦争法案、安保体制法案を5月以降、一括上程して、強行成立を狙っています。改憲への動きも具体化してきました。安倍政権打倒、戦争、改憲阻止闘争の正念場がやってきました。救援連絡センターとしても全力を尽くしたいと思います。

現代の治安維持法許すな

 次に、現代の治安維持法というべき「新捜査手法」という盗聴法、司法取引、刑事免責等の刑事訴訟法、盗聴法大改悪が3月13日、国会に提出されました。絶対に阻止、粉砕しなければなりません。レーガン、サッチャー、中曽根を先頭にした新自由主義攻撃が司法改革と称して人民にかけられています。政治改革と称する小選挙区制、行政改革と称する国鉄分割・民営化の大攻撃、そして司法改革も一連の新自由主義攻撃の一環です。
 すなわち、裁判員制度、弁護士・弁護士会つぶしの大増員政策、そして今回の「新捜査手法」と称する人民の団結破壊を狙った現代の治安維持法というべき盗聴法改悪、司法取引、刑事免責、証人隠しであり、可視化と言われる録音、録画も人民の人権に対する攻撃であります。
 詳しくは後の遠藤憲一さんの講演で明らかにされると思いますが、従前4種類の犯罪に対する制限された方式による通信傍受すなわち盗聴に対して、今回は、ほとんど全犯罪に対象を広げた上、捜査機関の施設でも盗聴ができる方式への改悪、拡張であります。
 さらには、司法取引と称して自分が調べられている事件とは、別の他人の「犯罪」を密告すれば自分の追及されている犯罪について免責されるか罪を減じられるという団結破壊、組織破壊の制度を導入しようとしています。
 また、証人は自分に不利益な供述を強制されないということが憲法38条で保障されているにもかかわらず、免責することを条件に証言させるという憲法違反の制度を導入しようとしています。さらには、組織にもぐりこんだスパイ証人、裏切り証人などについては、氏名、住所も明らかにすることなく、しかも裁判所とは別の場所でビデオを使って証言させる制度も導入しようとしています。
 そして、全事件の2、3%の事件にすぎませんが、録音・録画、いわゆる可視化を導入しようとしています。この録音・録画の導入は、自白調書が任意に作成されたことを裏付けるための検察側の武器であります。長時間の自白強要の取り調べに負けて自白を始めてからの録音・録画によって自白の任意性を立証するために使われるのでは、まさしく検察、警察の有利な武器にほかなりません。また、完全黙秘の被疑者については、例外として録音・録画をしなくてもよいこととされています。長期間の勾留による自白強要こそが問題であり、これに対する弾劾を抜きにして可視化を評価すること自体が間違いです。
 日弁連執行部は、可視化を不当にも評価して、この法案について早期成立を要望していることは、とんでもない被疑者、被告人の権利を無視する裏切り行為であります。録音・録画が冤罪防止のためになるとの立場は、供述を前提にしており、完全黙秘・非転向の原則と相反するものであります。安倍政権は、この法案について、あくまで一体として成立を強行しようとしています。部分的に評価できる点を強調する見解はまったく間違っています。
 この刑事訴訟法、盗聴法改悪は、反戦闘争、反核運動、労働運動、反体制運動を破壊する、まさしく現代の治安維持法であります。労働者、学生、市民の団結した力で断固粉砕しましょう。
 また、何度も民衆の反対運動で粉砕してきた共謀罪について、法務大臣は成立させる意向を表明しています。絶対に粉砕しましょう。

三里塚、沖縄、福島と連帯へ

 第三に川内を始めとする原発再稼働は、絶対に阻止しなければなりません。そして福島の内部被曝は重大な事態です。これを隠蔽(いんぺい)して、復興の名目で帰還を促進させる安倍政権の策動は、福島の人民に対する緩やかな殺人行為にほかなりません。また、原発労働者、動労水戸を始めとするJR労働者、交通運輸労働者に対する被曝労働の強制は、絶対に許すことができません。
 また、中国、北朝鮮への侵略戦争準備のための安倍政権の辺野古新基地建設攻撃に対しては、沖縄人民との連帯した絶対反対の闘いが要請されています。
 第四に、救援連絡センターは、発足当初から三里塚芝山連合空港反対同盟と連帯して成田空港反対闘争を闘い、野戦病院を開設するなど闘ってきました。2006年以来、空港会社、千葉県、国家権力は、完全無農薬有機農業を営み、産直運動で都市の労働者、市民に最上の野菜を提供してきた三里塚農民・市東孝雄さんに対して、全耕作地の73%に及ぶ農地を収奪する攻撃をかけています。
 農地は農民にとって命です。空港会社は、裁判所を収用委員会の代用機関として農地法を違憲、違法に利用して農民殺しを強行しています。
 空港会社、千葉県は、東京高裁で追いつめられ、また、国策裁判官=高裁・小林裁判長も追いつめられて理不尽にも証人調べを拒否して審理打ち切りの暴挙を行いました。しかし、裁判はまだまだこれからです。三里塚から霞が関に攻め上る裁判闘争に全国の労働者、農民、市民、学生の一層の支援が要請されています。弁護団の立場からも救援連絡センターとしての一層の支援を心から訴えます。

電話は3591―1301へ

 第五に安倍反動政権のもとで戦争法案、新捜査手法のための刑事訴訟法、盗聴法改悪の一括上程による強行採決と改憲攻撃に伴い反戦、反核、労働運動、市民運動に対する不当弾圧が激化することが想定されます。
 不当弾圧に対しては完全黙秘、非転向の闘いが決定的な武器です。救援連絡センターは完黙・非転向で不当弾圧に対して勝利してきました。完全黙秘・非転向は救援連絡センターの発足当初からの大原則です。不当逮捕に対しては、獄中から電話番号3591―1301(さーごくいりいみおーい)代表弁護士・葉山岳夫に連絡させて、不当弾圧をともに粉砕しようではありませんか。
 救援連絡センターは、完黙・非転向の原則のもと、断固として闘い抜く決意を表明して連帯のごあいさつに代えます。ありがとうございました。
(見出しは編集局)
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