「大阪都構想」に反撃を 最大の狙いは労組つぶし 労働者の回答はゼネストだ

週刊『前進』06頁(2681号04面01)(2015/05/18)


「大阪都構想」に反撃を
 最大の狙いは労組つぶし
 労働者の回答はゼネストだ

(写真 5月1日、大阪城公園で開催された連合大阪メーデーに参加する労働者に「労組破壊の都構想絶対反対!」を全力で訴えた)

市職員3万5千人全員を分限免職=解雇に

 5月17日、「大阪都構想」に向けた大阪市民の住民投票が行われる。この間の大阪市の自治体職場における民営化攻撃との闘いの中で、この「大阪都構想」の正体が日々明らかになってきた。大阪市長・橋下徹は「大阪都構想」によって大阪市そのものを解体し、大阪市の公務員労働者3万5千人を全員分限免職=解雇にたたき込もうとしているのだ。しかも保育労働者や現業労働者など約1万6千人は行き先すら保証せず、丸ごと路頭に放り出すというとんでもない攻撃である。まさに国鉄分割・民営化と同じ全職員への「いったん解雇・選別再雇用」であり、労働組合を解体することに本当の狙いがある。自治体労働者に自主退職を迫り、生き残り競争をさせて団結をバラバラにする攻撃だ。
 「大阪都構想」に向けた民営化攻撃の中で、すでに大阪市の職場はめちゃくちゃにされている。
 交通局では、民営化の受託業者として設立された大阪シティバス株式会社が労働者の賃金を時給にし、ハンドルを握っている時間しか賃金が発生しないようにした。これによって運転手が集まらなくなり、本務の運転手がそのカバーを強いられるという事態になっている。
 下水道の現場では「経営形態変更」という名で業務を「都市技術センター」に委託するという民営化・外注化の先取りの攻撃が始まっている。同じ職場で制服だけが変えられ、「委託先」「委託元」に労働者が分断され矛盾が爆発する中で、一人の労働者が自殺に追い込まれた。
 区役所では、住民情報担当の窓口の委託化により市民が長蛇の列をなす状況になっている。委託先の派遣労働者が低賃金のため次々と辞め、仕事が回らない状況になっているからだ。
 なぜこんなことがまかりとおるのか。民営化とは、資本の投資先がなくなった資本家に新たなもうけ口を提供するためのものだからだ。そのために現場は徹底的に非正規職化・低賃金化されるのだ。「大阪都構想」によってこうした職場の状況がトコトン破産していくのはあまりにも明らかだ。「都構想」には何の成算も整合性もなく、職場の安全が崩壊していくのは間違いない。
 こんなものに殺されてたまるか! これらの混乱の責任は、労働者には一切ない! 一切の責任を当局と橋下に取らせる闘いを巻き起こそう!

闘い放棄する大阪市職本部

 しかし大阪市職本部は職場の破綻的状況を知りながら、職場での一切の闘いを放棄している。保育労働者を組織する民生支部の会議では、本部が「都構想になればあなたたちは分限免職になる」「だから住民投票で頑張って」などと淡々と説明を行った。政治活動規制条例に最初から屈服して、「住民投票で決まったことには従うしかない」と当局と一緒になって現場労働者を脅して回っているのだ。
 「都構想への移管業務をやる余裕など一体どこにあるというのか?」「どれだけの仲間を自殺や病気に追い込み、解雇するつもりか!」――こういう現場の怒りを体現し、闘いの方針を提起するのが労働組合ではないのか!
 そもそもこの住民投票そのものがとんでもない労働組合破壊であり、団結破壊なのだ。橋下は「住民投票にかかる職員の政治的行為の制限について」という文書を出して「都構想反対運動は法・条例に違反する」「職員は都構想にかかわる運動をするな」と通知してきた。ここにこそ「都構想」と住民投票の本質がある。
 市職本部は自民党が中心となった「都構想反対派」を応援してきた。その「都構想」反対派の集会では自民党市議が「自分たちは民営化に反対ではない」と連呼した。つまり、この住民投票自体が各政党による「民営化競争」として強行されたのであり、投票結果がどうなろうが、「住民が決めたのだから自治体労働者は黙って従え」という攻撃なのだ。こんな住民投票への投票を呼びかけること自体が民営化推進のお先棒を担いでいるということだ。

怒りが渦巻く現場から闘いは始まっている!

 現場では体を張った闘いがいたるところで始まっている。市バス民営化や下水道の経営形態変更に対して、現場での抵抗闘争が続いている。
 さらにこの3月末、保育士への大幅賃下げ、学校の臨時主事五十数人の解雇攻撃に対しても、現場から絶対反対の闘いが巻き起こり、怒りは今も渦巻いている。こんな闘いの火種、団結の芽を残したまま都構想など実現できるはずがない。
 現場には怒りも団結もある。「民営化絶対反対」「人事評価制度撤廃」を掲げて役員選挙に立候補した組合員が多くの支持を集めている。入れ墨調査や「日の丸・君が代」斉唱などの職務命令を拒否し、処分攻撃に対しては「例え一人の闘いでも労働組合の闘いだ」として、橋下による不当労働行為を弾劾して闘ってきた。さらに多くの労働者が早期自主退職や外郭団体への出向を拒否してきた。こうした闘いが橋下に「不当労働行為」の烙印(らくいん)を押し、ボロボロにする力になってきた。労働者が労働組合のもとに団結して闘えば勝てるということだ。
 「都構想」に対する闘いも同じだ。こんなデタラメな「構想」に、たった1回の住民投票で決着がつくわけがない。民営化によって現場に巻き起こる矛盾を武器にして、団体交渉、ストライキなどあらゆる手段を使って闘いをやり抜く時だ。

民営化・非正規職化と闘う民主労総に続こう

 全世界が今、ゼネスト情勢に入っている。橋下が「公務員の労働組合をのさばらせたらギリシャのようになってしまう」と言ったとおり、労働者の決起が全世界で始まっている。
 韓国・民主労総の労働者は、4月に開始したゼネストを押し広げ、さらに6月から秋へとパククネ打倒まで突き進もうとしている。その中心課題は労働法制改悪と年金改悪であり、闘いの課題は日本の労働者とまったく同じだ。
 沖縄では安倍政権による辺野古基地建設強行への怒りが県民総決起の事態を生み出し、5月17日の県民集会が大爆発しようとしている。ここで労働組合がゼネスト方針を出せば、瞬時にして基地機能そのものを停止させられるような事態に入っている。
 まさに世界の労働者階級が一つになって、民営化・外注化と非正規職化攻撃に対して退路を断った闘いを始めている。
 これらの闘いの根底にあるのは新自由主義による社会の崩壊であり、日本経済の全面的崩壊という現実だ。橋下の「大阪都構想」は、全世界の労働者のゼネストによってすでに最初から全面破綻の烙印が押されているのだ。敵が「都構想」を強行するなら、労働者階級はゼネストを組織して闘おう!
 そもそもこの「大阪都構想」とは、ブルジョアジーと自民党が主張してきた道州制攻撃に端を発している。道州制攻撃とは関西経済同友会が主張してきた「公務員全体の血の入れ替え、すなわちいったん全員解雇」を行い、全労働者を非正規職化するとともに、労働組合をたたきつぶし、戦争に突き進むための攻撃である。安倍政権が「896自治体が消滅する」と発表して、「地方創生」の名のもとに全地方自治体に全面的な民営化攻撃を仕掛けているのが道州制攻撃だ。
 しかしこの道州制攻撃を、「道州制絶対反対」を掲げた橋下打倒の闘いの前進、何よりも労組拠点建設の闘いの前進が実質的な破産に追い込んできた。橋下による「大阪都構想」とはその取り戻しをかけた絶望的な攻撃にほかならない。橋下打倒の闘いを労働組合をめぐる攻防として、労働者の団結権をめぐる闘いとしてやり抜いてきた地平の中に、「都構想」を粉砕する展望があるのだ。
 動労総連合を全国に建設する闘いは、日本においてゼネストを組織する闘いそのものだ。国鉄闘争全国運動が呼びかける6・7全国集会に、民営化・外注化と非正規職化への労働者の怒りのすべてを組織しよう。
 新自由主義の破綻がもたらす絶望的攻撃に対して、根源的な怒りをもって決起する労働者は本物の闘う組織を求め、真の労働者党を求めている。職場に絶対反対の旗が立った時、労働者階級は退路を断って決起する。戦争と民営化攻撃との全面的対決の中で、機関紙を軸に党と労働組合を一体的に建設し、ゼネストをうち抜くソビエト建設に突き進もう。革共同大阪市委員会はその闘いの先頭で闘う。
(革共同大阪市委員会)
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