合理化で事故多発のJR西 動労西日本を拡大し反撃へ

週刊『前進』08頁(2682号02面02)(2015/05/25)


合理化で事故多発のJR西
 動労西日本を拡大し反撃へ

(写真   2月13日の山陽本線・西阿知―新倉敷駅間の踏切事故)

 JR各社で重大事故が多発している。05年の尼崎事故を引き起こしたJR西日本でも事態は同じだ。その根本にあるのは合理化、人員削減、業務の外注化だ。動労総連合・動労西日本の反合理化・運転保安闘争が求められている。今こそ職場に〝闘いなくして安全なし〟の原則的闘いをよみがえらせよう。国鉄闘争全国運動6・7集会に総結集し、日本のゼネストをこじ開けよう。

安全装置つけないと居直り

 昨年10月14日、広島の山陽本線・廿日市(はつかいち)―五日市(いつかいち)駅間で過電流により車輪が空転する事故が起き、400人が車両に3時間閉じ込められ、38本が運休した。今年1月13日には山陽本線・西広島―新井口(しんいのくち)駅間で、1月31日には山陽本線・玖波(くば)―大竹駅間で、2月3日には五日市駅構内(貨物列車)で、死亡を含む人身事故が起きた。2月13日の山陽本線・西阿知(にしあち)―新倉敷駅間の踏切事故は、普通列車と踏切で立ち往生した大型トラックが衝突、トラックが横転・大破し、意識不明の重体1人を含む17人が負傷する大事故になった。
 動労西日本との団交でJR西日本は、すべての踏切に安全装置をつけろという要求に対し、「経費がかかるからやらない」と言い放った。
 駅では、人員削減と非正規職化(契約社員制度の拡大)が進んでいる。JRは事故に対応できる駅員を配置もせず、事故の責任を現場の社員や外注会社の労働者に転嫁している。動労西日本の中西剛副委員長の労災闘争は、こうしたJR西日本への決定的な反撃として勝利している。
 車両の検査・修繕業務でも人員削減は激しい。人が足りないため時間や体制がなく、技術の継承はできない。メンテックやテクノスなどの外注会社に定年退職後の再雇用社員を出向させたり、関連会社がその社員を養成するためJRに逆出向させたりしているが、業務がばらばらにされたため、技術継承は不可能だ。国鉄採の大量退職により国鉄以来の技術が失われる一方、今後導入される新技術は外注化によりJRには定着しない。矛盾は青年や非正規職、外注会社の労働者に過重労働としてのしかかり、安全破壊の〝負のスパイラル〟に陥っている。

全面外注化へ中期経営計画

 JR西日本は2013年3月13日、「JR西日本グループ中期経営計画2017」を策定した。これは同時期のJR東日本の「グループ経営構想Ⅴ」と同根であり、JR西日本における第2の分割・民営化攻撃のマスタープランだ。
 そこに貫かれているのは、「グループ会社一体で」の「リスクアセスメント」運動だ。それは、〝事故はヒューマンエラー(人的過失)が原因で発生する〟と強弁した上で、〝職場での「日勤教育」や「安全考動計画」などの労資一体のQC(品質管理)運動で事故はなくせる〟とするものだ。だが、職場の団結を破壊する「上からの運動」の強制で、安全を確立できるはずがない。
 今年4月30日、「JR西日本グループ中期経営計画2017―進捗(しんちょく)状況と今後の重点的取り組み(アップデート)」が策定された。「中期経営計画2017」をさらに強化し、新技術や新システムの導入を打ち出して、IT化・デジタル化で安全が担保できると言いなしている。

新車両導入で安全は大崩壊

 その具体化として、3月ダイヤ改定で広島支社管内に227系という新車両が導入された。広島支社管内での新車両の導入は約30年ぶりだ。227系は従来の車両とはまったく違う「電子機器のかたまり」で、その中味はブラックボックス、本格的な点検や修理はメーカーにしかできない。JRの現場でできるのは、故障の際に不具合のあった箇所をユニットごと交換することだけだ。
 この車両は、信号やカーブ、速度制限のある箇所やホームの停車位置などをあらかじめ車上のデータベースに登録しておき、それと車輪の回転数から割り出した走行距離、線路に設置した機器からの情報を組み合わせて最適な速度を算出し、最適速度を超過したら自動的にブレーキがかかるというものだ。ATS―Mと呼ばれるこのシステムで、安全性が向上し、ダイヤの乱れも大幅に減らせるとJRは言う。
 だが、どんな「最新鋭技術」であろうと、人間の共同性なしに安全は確保できない。外注化・非正規職化、団結破壊・労組つぶしの攻撃の上に、安全は成り立たない。
 この新車両投入に対応する地上側システム(新保安システム)の整備が、広島支社管内の白市(しらいち)―岩国間を皮切りに順次、山陽本線や近畿圏の京都線、宝塚線でも行われる。これにより人員削減と非正規職化、外注化が今まで以上に進むことは明らかだ。
 安全はひとつの体系でなければ成り立たない。新型車両と国鉄型車両の併用により、安全はさらに崩壊し、外注化でJRの責任もあいまいにされる。
 新保安システムで「不測の事態」が起きたら、真っ先に運転士の責任にされる。運転士は主体性を奪われ、システムの「見張り役」にされる。一切の矛盾は現場労働者に押し付けられている。
 このままでは「第2、第3の尼崎事故」が起きかねない。車両の検修業務を担う労働者、とりわけ外注会社の労働者への矛盾の集中はすさまじく、JRや外注会社に対する労働者の怒りは深い。この怒りを束ね、動労西日本の組織拡大を実現する時だ。反合理化・運転保安闘争こそ労働者の命と暮らしを守り、外注化・非正規職化を粉砕して勝利する道だ。

岡山・山陰では地方線廃止も

 岡山支社では吉備線を第三セクター化しライトレール(床の低い新型路面電車)にする構想が進められている。これはJR東日本が東日本大震災被災地の山田線を切り捨てたことと同じだ。JRはもうからない路線は自治体に押し付け、もうかる路線なら、住民や利用者を顧みずに廃止した広島支社管内の可部(かべ)線を部分的に復活させることもする。まさに「稼ぐ」ということだ。
 中国地方の中山間地や山陰地区(米子支社管内)のローカル線も切り捨ての対象だ。米子支社管内では激しい外注化・非正規職化と人員削減、労働強化で事故が多発している。労災の危険にさらされている米子市の後藤総合車両センターの外注会社・後藤工業や米子メンテックの労働者の怒りは計り知れない。
 動労千葉の銚子や館山での地域ぐるみの闘いに学び、地域全体を組織する闘いの軸に動労西日本が座ることが決定的だ。広島県安芸太田町での学校統廃合反対の闘いや岩国の米軍機低空飛行・オスプレイ訓練反対の闘い、松江・米子での被曝労働拒否・島根原発廃炉の闘いも、JRの大再編との闘いと一体のものとして闘い抜くことである。
 尼崎事故から10年目の4月25日、動労千葉を始め動労総連合や全国の闘う国鉄労働者が結集し、尼崎事故弾劾の集会とデモが打ち抜かれた。

ゼネストの扉開く6・7集会

 3月27日にはJR西日本歴代3社長裁判の無罪判決が大阪高裁で出された。この反動判決を受けてJR西日本は、尼崎事故以降、停滞していた鉄道業務の全面外注化・総非正規職化・解雇を一気に進めている。
 JRや関連会社の労働者、特に青年と再雇用の労働者に矛盾が集中し、怒りは大爆発寸前だ。現に多くの労働者が御用組合・西労組(JR連合)を脱退し、資本と体制内労組への怒りをあらわにし始めた。動労総連合をさらに全国に拡大し、JR体制を打倒しよう。
 尼崎闘争の地平の上に、韓国・民主労総のゼネストと連帯し、全島ゼネストに向かう沖縄の怒りと結び、動労総連合の鉄輪旗のもとに団結しよう。民主労総・鉄道労組の民営化絶対反対の闘いをともに闘い、国鉄闘争全国運動6・7全国集会へ総結集してゼネストの扉を開こう。JR労働者の怒りの決起でゼネストをたぐり寄せ、プロレタリア革命へ進撃しよう。
(魚住徹)
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