川内原発の7月再稼働阻止 国鉄闘争と結び6・7福岡集会闘う

週刊『前進』08頁(2682号04面04)(2015/05/25)


川内原発の7月再稼働阻止
 国鉄闘争と結び6・7福岡集会闘う


 6・7国鉄闘争全国集会と一体となって「6・7ストップ再稼働!3万人集会in福岡」(福岡市・舞鶴公園)に立ち上がろう! この集会は川内原発の7月末再稼働に反対する九州の反原発勢力を中心にした全国集会として闘われる。

鹿児島地裁の仮処分却下弾劾

 鹿児島地裁(前田郁勝裁判長)は4月22日、川内原発1・2号機の運転差し止めを求めた住民の仮処分申し立てを却下した。福島第一原発事故への反省のかけらもない反動決定である。
 同決定は、新規制基準について「福島第一原発事故後の最新の科学的知見などに照らし、不合理な点は認められない」とした。しかし、福島第一原発事故の究明すらできていない状況で、「新規制基準」が「最新の科学的見地」であるはずがない。原子力規制委自身も「(新規制基準に適合しても)絶対安全だとは言えない」と自ら認めている。
 また同決定は、九州電力が新規制基準に従って定めた川内原発で想定される最大の揺れ「基準地震動」についても、「適合するとした原子力規制委の判断に問題はない」と断じた。川内原発は1977年、基準地震動を270ガルとして設計・建設された。原子力安全基盤機構などは「1340ガルの揺れが襲う可能性」を指摘している。それを「適合」とすることなど言語道断である。
 政府・地震調査委員会は2013年2月、「それまでの活断層評価を大幅に見直す」と提言した。だが九電は13年7月の川内原発1・2号機の「適合性審査」でこの提言を無視し、従来の九電評価をそのまま提出した。委員会議事録でも「(九電解釈は)とにかくひどいものだった」(西日本新聞)と記されている。地震調査委員会は活断層の追加調査を求めているが、九電はこれもしていない。川内原発北側1㌔メートルには推定活断層があり、最近、川内川河口両岸の活断層の存在も指摘されている。九電はこうした政府の調査機関の提言や新しい指摘すら一顧だにしていないのだ。

地震・噴火・避難を無視する九電

 同決定は大規模噴火についても「破局的噴火が起こる可能性は十分小さいことから立地は問題ない」としている。昨年11月に日本火山学会原子力問題対応委員会が「(噴火予知は)現在の知見では不可能である」とした提言もまったく無視したのだ。九電は「(噴火予知後に)核燃料を取り出し、安全なところに移送する(から大丈夫)」とするが、そのためには3〜4年かけて核燃料を冷却することが必要で、実際は不可能だ。九電にとって大規模噴火があってもかまわないのだ。
 同決定はまた、鹿児島県が示した避難計画についても「問題ない」と断じた。避難計画の策定は30㌔メートル圏の自治体に義務づけられている。しかし県は避難者受け入れ自治体を想定していない。また10㌔メートル圏内の寝たきりや障害者、自力での避難困難者の避難計画は作成したが、それ以外の病院、福祉施設は対象にしていない。
 県の避難計画は「(事故が起これば)まず5㌔圏内の住民が避難し、その後に30㌔圏の住民が避難する」という2段階だが、整然と避難行動が進むという想定自体が非現実的だ。また県は「30㌔圏内住民の避難は28時間45分で済む」としているが、それは「9割の住民」についてで、残り1割は避難させずに取り残す。住民を避難させずに被曝させる避難計画とは「避難」に名を借りた人殺し計画でしかない。
 このように今回の鹿児島地裁決定は、「何がなんでも再稼働ありき」の許しがたい決定だ。
 同決定を受けて九電は「7月再稼働」を表明した。九電は、川内原発の再稼働時期を当初「14年秋」とした。だが猛烈な反対の声に押されて「年末」「年度内」「7月冒頭」「7月末」と後退し、最近では「秋」の声まで出ている。
 これは、集団的自衛権行使の戦争法案への怒りが、原発再稼働への怒りと重なり合うことを安倍政権が恐れているからだ。このことは、川内を始めとする反原発闘争が、安倍を政権ごとふっ飛ばす力を持っていることを示している。

高まる怒りが安倍を追い詰め

 3・11から4年、日帝が福島原発事故問題を解決できないことがますます明らかになっている。原発事故の収束、小児甲状腺がんを始めとした放射能健康被害、放射性廃棄物の処理、避難者の帰還強制など、どれをとっても問題はこれから本格化する。
 高浜原発の運転を禁じた福井地裁4・14仮処分決定のように高浜と川内をめぐって司法が異なる判断を下したことは、支配階級の分裂を示した。安倍が再稼働・原発輸出を急ぐのは、改憲・戦争と核武装を狙うとともに、原発反対闘争をつぶして原発再稼働を強行しない限り支配の危機を突破できないからだ。だがその強行は労働者階級のより巨大な憤激を生み、ゼネスト情勢を促進する。追い詰められているのは安倍と電力資本だ。
 川内原発再稼働への動きは日増しに怒りを高めている。今年、提起された川内原発再稼働反対10万筆署名はわずか1カ月で10万筆を達成した。連続的な対九電行動や現地集会、さらに5月16日から27日の12日間、鹿児島から九電まで川内原発再稼働阻止を掲げて行進するリレーデモも行われる。これらの闘いは玄海原発再稼働反対闘争を激励し、両者が一つになりフクシマと一体で反原発闘争をリードしている。

被曝労働拒否を全労組の課題に

 何よりも内部被曝、特に被曝労働との闘いを全労働者・労働組合のテーマとすることが重要だ。
 動労水戸の被曝労働拒否の闘いは、世界に誇るべき闘いである。被曝労働拒否の闘いは、原発労働者にとって、常磐線全線開通を始め被曝強制の強引な帰還計画にさらされる住民にとって、命と健康、団結を守る闘いである。被災地だけの問題ではない。この闘いを全九州の労働組合の課題として取り組もう。動労千葉・動労水戸のように闘うことこそ日本労働運動再生と、再稼働阻止・全原発廃炉の道筋である。動労水戸支援共闘を拡大しよう。
 6・7は「動労総連合を全国に」を掲げて闘う国鉄闘争の重要な全国集会の日である。国鉄決戦を闘う勢力こそ反原発の怒りと結び、日本におけるゼネスト情勢を開こう。6・7国鉄集会と一体で6・7川内原発再稼働阻止!全国集会を闘おう。
(九州 中原真里)
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