足立昌勝氏の『救援』掲載2文書の内容を弾劾する 完黙・非転向の解体を許すな

週刊『前進』08頁(2705号06面01)(2015/11/09)


足立昌勝氏の『救援』掲載2文書の内容を弾劾する
 完黙・非転向の解体を許すな

(写真 『救援ノート』 救援連絡センター発行 定価500円 A5判 125㌻)


 「オープンスペース街(まち)」の2人の労働者に対する公安警察のデッチあげ弾圧、そして安保国会闘争に対する弾圧、さらに9月の、卑劣なスパイ化攻撃粉砕を口実とした4学生への「監禁致傷」デッチあげ逮捕弾圧は、完全黙秘・非転向の闘いでことごとく粉砕された。
 この一連のデッチあげ弾圧は、安倍政権の戦争法成立強行に怒り国会を包囲した数十万、全国数百万の労働者・人民の実力決起を牽引(けんいん)した革命派・階級的労働運動派の運動解体・組織絶滅を狙った凶暴な反革命攻撃であった。
 これらの攻撃を、被逮捕者全員の完全黙秘・非転向の闘いを軸に、弾圧の不当性、反人民性を全社会的に暴露・弾劾し、1千万労働者・学生・人民と結合する新たな救援運動をつくり出すことによって完全に粉砕した。このことの意義は限りなく大きい。

カクマル・右翼も救援対象⁉

 しかし、その一方でこの間、朝鮮侵略戦争切迫情勢のもとで、デッチあげの連発や新捜査手法などの治安弾圧攻撃に屈服し、弾圧との闘いにおける「完全黙秘・非転向」の原則を破壊し、救援連絡センターの階級的立場の解体を狙う策動が顕在化してきた。
 その一つの象徴が、救援連絡センターの機関紙『救援』558号(15年10月)に掲載された、足立昌勝氏の「救援連絡センターの原点―代表就任にあたって」と「代表就任要請を受諾する」なる二つの文書である。
 そもそも足立氏の救援連絡センター代表就任については、9月26日の運営委員会で多くの反対意見が出された。理由は「足立氏はカクマルを救援した経緯があり、右翼・暴力団も救援の対象とし、また完全黙秘は原則ではないと述べており代表にはふさわしくない」「代表は全員一致で決めるべきであり、採決で決めるようなものではない」などだ。
 にもかかわらず、山中幸男事務局長や司会の三角忠氏らが強引な議事運営を行い、強行採決した。これ自体が救援連絡センターを解体・分裂させようとする暴挙だ。

救援センターの歴史を偽造

 足立氏は、救援連絡センターの原点が「①国家権力による、ただ一人の人民に対する基本的人権の侵害をも、全人民への弾圧であるとみなす。②国家権力による弾圧に対しては、犠牲者の思想的信条、政治的見解の如何(いかん)を問わず、これを救援する」ことにあると述べ、この「二つの原則に立つことを鮮明に」したとしている。
 しかし、救援連絡センターのこの方針は、1969年〜70年のセンター発足当時、日本共産党(系の救援会・弁護士)が「トロツキスト(過激派)は弁護しない」として闘う部分を排除し、救援活動を行わずに敵対したことに対する批判として打ち出されたものだ。
 足立氏は、この絶対にあいまいにできない歴史を無視して救援連絡センターの原則を「逮捕されたものは、誰でも救援する」とねじまげている。
 それは、救援連絡センターが、国家権力と闘って弾圧された者を救援することを目的として設立され、闘い続けてきた歴史を偽造するものであり、階級的立場を放棄するものだ。断じて許されない。

体制内運動への変質許すな

 足立氏は上記「二つの原則」に対して、「センターの闘争上の行動準則(被疑者・被告人と国家との対決の場における被疑者・被告人のとるべき態度)として『完全黙秘・非転向』が存在する」と述べ、「完黙・非転向」を救援連絡センターの原則ではなく、単なる「準則」にまで引き下げてしまっている。
 救援連絡センター発行の『救援ノート』(11年発行「第9改訂版」)には、「黙秘するのは......一番単純・明快、簡単で、やろうと心に決めたなら、誰にでもできる」「完黙こそ唯一・最強の武器」(70㌻)と明確に書かれている。これは逮捕された人が国家権力と闘う原則である。これを「準則」に引き下げるということは、実質的には「黙秘するか、自白(供述)するかは本人の意思に任せよう」というものである。こんな救援運動はあり得ない。これでは、自白を認め、密告をも追認するに等しい。
 安倍政権は「新捜査手法」法案を成立させ、盗聴の拡大、スパイ・潜入捜査、刑事取引・刑事免責・証人隠しなどで容易にデッチあげができるようにしようと狙っている。まさに「現代の治安維持法」だ。
 だからこそより一層、完全黙秘・非転向の闘いが強く求められている今、足立氏らの救援連絡センターを体制内的な運動に変質させようとする動きを許してはならない。
(迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判被告団・板垣宏)

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救援連絡センター 不当逮捕など国家権力に弾圧された人を救援する組織。逮捕されたら「03―3591(さあ獄入り)―1301(意味多い)、救援連絡センターの指定する弁護士を選任する。(代表弁護士は葉山岳夫〈はやま たけお〉である)」とだけ言い、あとは一切黙る。

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