群馬合同労組中央タクシー分会がスト 過労死を許さないぞ 〝会社は労働基準法を守れ〟

週刊『前進』06頁(2706号03面01)(2015/11/16)


群馬合同労組中央タクシー分会がスト
 過労死を許さないぞ
 〝会社は労働基準法を守れ〟

(写真 中央タクシー群馬営業所前で怒りのこぶしを突き上げた【11月8日 群馬県藤岡市】)

(写真 ストライキに突入した分会員を先頭に60人が「会社は労基法を守れ」と藤岡市内をデモ)


 11月8日、群馬合同労組中央タクシー分会の3人の組合員が、違法な長時間労働や組合つぶしのための乗務はずしを行う会社に対して断固とした24時間ストライキに立ち上がった。群馬合同労組の組合員を始め60人がスト支援に駆けつけ、社前での宣伝活動と藤岡市内のデモをともに闘った。分会は、半年前の6月9日に結成されて以来、会社による組合つぶしの悪辣(あくらつ)な攻撃と闘ってきた。11・1全国労働者集会に分会として決起し、集会後の交流会で合同・一般労組全国協の仲間との団結を打ち固める中で今回のストライキに立つ決断が生み出された。
 11月8日、群馬合同労組中央タクシー分会の仲間3人が全員24時間ストライキを貫徹しました。午前8時半、藤岡市にある中央タクシー群馬営業所前にストに入る3人の組合員と20人の仲間が集まりました。シュプレヒコールをあげた後、群馬合同労組役員と7人で社内に入り、S運行管理者にスト通告。運行管理者は衝撃のあまり通告書を受け取ることもできませんでした。
 ストに入った組合員がつのる思いを社前で訴えました。「毎日17〜18時間の危険な長時間労働に意見を言ったら仕事を外され、そればかりかタコグラフや書類の改ざんと違法のやりたい放題。こんなことでは必ず事故が起きる。10月26日に長野本社のドライバーが業務運転中に脳出血で倒れて激突、その日のうちに亡くなりました。それが悔しくて悔しくて悔しくて、本当にやむにやまれない気持ちでのストライキです」
 「群馬では日航機事故や関越道事故と、安全無視の運行で多くの方が亡くなっています。事故でお客様や運転手が死んで業務が止まる前に今日のストライキで事故を止めます。今日のストは労働者とお客様を守るストです。組合に入っていっしょに闘いましょう」
 12時から「ららん藤岡」で集会を行いました。スト中の3人の決意表明を受けて東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会の吉本伸幸書記長、さいたまユニオン大石運輸分会の笠松忠生書記長、動労水戸の池田学執行委員、動労連帯高崎の木村洋一さん、動労千葉OB会の永田雅章会長、鈴コン闘争支援・連帯共闘会議代表呼びかけ人の花輪不二男さん、全学連の森幸一郎書記次長などが発言しました。
 最後に川谷内(かわやち)政樹分会長の音頭でシュプレヒコール。「ストライキ決行中」の横断幕を持った3組合員を先頭に、藤岡市役所までデモを打ち抜きました。「会社は労働基準法を守れ! 過労死を許さないぞ! 団結してストで闘おう!」と力強く訴えました。
 デモの後、再び中央タクシー群馬営業所前で宣伝行動に立ちました。

国鉄闘争とつながった

 中央タクシー株式会社(本社・長野市/225人)は、「カンブリア宮殿」などのテレビ番組で「親切なタクシー会社」「奇跡の収益率」などと絶賛されていますが、実態は危険で過酷な運転が労働者に強制されています。拘束時間は月320時間を超えました。タイムカードも設置せず、13年からは時間外手当なども払わなくなりました。
 14年の大雪で立ち往生し車中で毛布をかぶり凍えたドライバーにねぎらいの言葉もない。送迎できた数件をもとに「感動のエピソード」を無理やりつくり出し、宣伝に使う。意見を言う社員を暴言による恫喝とさらなる過重労働で抑えつけ、10人程度の群馬営業所でも1年間で半数が職場を去りました。
 「もうがまんならない!」、ついに3人が群馬合同労組に加入し闘いを開始しました。しかし、分会長は即座に乗務を降ろされ、他の2人の組合員は違法な36協定に抗議したことを口実に手当を8万円(手取りの3分の1)も引き下げられました。変形労働時間を盾に差別的配車を続け、不当な給与減額を強制。また、労働基準監督署の調査においては捏造(ねつぞう)した乗務記録を提出し、証拠書類を破棄し処分逃れに終始するなど開き直っています。
 組合は6月9日の結成通告以来、団体交渉、長野本社抗議行動、労働委員会救済申立、労働基準監督署への違反申告闘争などを闘ってきました。9月30日には「安全・順法闘争」に突入し、実力で過密な運行計画を改めさせ、また不当な給与減額を一部支払わせることをかちとりました。
 今回のストライキは、労働者の生の苦闘に労働者はそれをわがこととして感動し立ち上がる力を持っていることと、国鉄闘争の中に光があることを明らかにしました。
 分会の結成そのものが川谷内さんが最も苦闘していた時に動労千葉を思い出し、動労千葉とつながっている群馬合同労組と出会ったことから始まりました。
 スト集会で川谷内分会長が「今までで一番うれしかったのは、職場から2人の仲間が立ち上がった時です」と強調していました。分会が結成され、順法闘争を経て「ストをやりたい」という討論が進んでいきました。9・12の動労連帯高崎ストライキに参加して確信を深めていきました。そして11・1労働者集会への分会の決起と集会後の交流会で合同・一般労組全国協の熱い団結をかちとり、11・8ストライキが勝利しました。
 群馬合同労組の闘いを一番初めから支援してきた化学一般昭和高分子労働組合が真新しい分会旗を寄贈しました。分会の3人の決起に地区の仲間が感動し、集会やデモの準備、ストライキ当日の送迎移動体制からすべてをやりきりました。
 群馬の今までの労働運動、反原発闘争などの蓄積がついにこの闘いを実現しました。今度はこの拠点がすべての闘いを新しい次元で発展させます。その核心こそ動労連帯高崎の組織拡大で、高崎線沿線の階級的力関係を変えることです。その力でまた中央タクシー闘争に勝利していきます。
 全国の仲間から寄せられたご支援に心から感謝いたします。
(群馬合同労組 田島俊昭)

このエントリーをはてなブックマークに追加