必死にゼネスト組織しよう 訪韓闘争に参加して①

週刊『前進』06頁(2707号02面02)(2015/11/23)


必死にゼネスト組織しよう
 訪韓闘争に参加して①

現場の闘いがゼネスト支え
 合同・一般労組全国協議会事務局長 小泉義秀

 訪韓団には合同・一般労組全国協の18労組30余人の仲間が参加した。
 群馬合同労組はストを打ち抜いた中央タクシー分会の闘いを組合員自身が韓国語に翻訳したレポートを持参し、コルト楽器支会のパンジョンウン支会長やホームプラス労組に、また理念交流会で配布した。私は2日に日本での理念交流会でソンホジュン民主労総ソウル本部事務処長に『非正規が闘って、勝った!』を5冊贈呈したが、今回の訪韓で二つの闘争現場で贈呈した。鈴コン闘争の神髄は民主労総にも伝わると確信する。
 全国協の仲間はゼネストを打てる労働組合を建設するという決意で訪韓し、多くの教訓をつかみ取って帰国した。
 ソンホジュン事務処長は日本での理念交流会で「階級戦争は一朝一夕に起きるものではない。名もない活動家が準備するその過程が大事だ」「もう一度、日本の鉄道労働者たちが立ち上がるために一番重要なのは現場だ」と、現場の組織化の重要性を繰り返し強調した。コルト楽器支会は工場閉鎖以来9年、解雇撤回闘争を闘い、支会長は40日を超えるハンストを闘い抜いている。民衆総決起闘争でコルト楽器支会の指導部も逮捕された。ホームプラスの仲間も総決起闘争に1千人が参加した。この二つの闘争現場をソウル地域本部が案内してくれたのは、14日のような闘いはこういう現場の闘いが支え、切り開いたということをわれわれに指し示すためだったと思う。
 民衆総決起闘争の現場で動労千葉の田中委員長は訪韓団に向かって「今日のこの闘争に参加した私たちは日本に帰ったら見違えるような、今までとまったく違う闘いをつくり出さなければならない」と決意を述べた。民主労総と真に連帯する道は強大な動労総連合と合同・一般労組を建設し、われわれ自身が11・14闘争のような闘いを日本において組織することだ。

地道な組織化が世界動かす
 青年労働者 A

 朝鮮半島有事が切迫する中で訪韓闘争はかちとられた。14日は歴史的な日だった。新自由主義の崩壊と戦争情勢は片方でパリにおけるISによる反革命襲撃事件として世界を揺るがし、もう一方で韓国の労働者人民が国家権力の放水にも臆することなく民衆総決起闘争を闘い取った。その軸には、民主労総つまり労働組合が据わっていた。
 闘争は歴史教科書国定化と賃金ピーク制などの労働改革に抗議する集会としてかちとられた。
 教科書国定化に対する国民的闘争に全教組(韓国の教職員労組)が先頭で立ち上がることは、日本の私たちの世代では見たこともない光景だ。教科書問題は軍事独裁政権の賛美を通じ、朝鮮半島有事に向けた戦争態勢をつくるものだ。これに対して労働組合が闘い社会的に登場することが、どれだけ世界情勢全体を牽引(けんいん)していることか。それもゼネストを闘い取りながらだ。
 日韓の労働者の国際連帯とは、民主労総の仲間たちのゼネストを闘いとる必死の執念と組織化を日本でもかちとることだ。それは必ずできる。
 そう思うに至ったもう一つのエピソードは、ソウル地域本部が開いてくれた訪韓団歓迎会でのことだ。ソウル地域本部の仲間から、約200人が働く病院での組織化の話を聞いた。そこには4人の組合員がいて、その一人ひとりが必死に立ち上がっているという。民主労総は激しく闘うイメージがあるが、やはり現場で労働組合として一から立ち上がっている。闘う労働組合の拠点を地域に無数につくり出す、地を這(は)うような無数の労働者の闘いの積み重ねがあり、そしてゼネストを闘いとる必死の組織化が世界の情勢を動かす力になっているのだ。
 日韓の本当の国際連帯のためにも、私たち日本の労働者も民主労総の仲間たちの苦闘と努力を自らの職場、地域で闘いとろう。11月集会と訪韓闘争はそういう新たな確信と決意を固める二つにして一つの闘いだった。
(「参加して」②6面)

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