郵政株式上場と闘う 現場からの決意⑥ 労働者の誇り奪う民営化 神奈川 郵政に闘う労組を!

週刊『前進』06頁(2709号03面03)(2015/12/07)


郵政株式上場と闘う 現場からの決意⑥
 労働者の誇り奪う民営化
 神奈川 郵政に闘う労組を!

郵便局の信用守ってきた労働者

 資本主義は過剰資本・過剰生産力という基本矛盾を爆発させ、「恐慌の中の恐慌」に突入し、世界戦争への突進と民営化・非正規職化の新自由主義攻撃を全面化させています。一刻も早くブルジョア支配を打ち破り、プロレタリア権力を樹立しよう。戦争のない社会、階級のない社会、差別のない社会は労働者が権力を握って初めて実現できるのです。
 労働者を徹底的に低め誇りを奪い、労働者の力を否定するのが民営化攻撃です。職場では団結破壊と労働者の誇りを奪う攻撃が、資本と体制内労働組合の一体化の中で激しさを増しています。
 私の郵便局では11月16日から「マイナンバー通知カード」の配達が始まりました。超勤2時間〜3時間、休日も出勤し、くたくたになって配達しています。JP労組本部が反対しないので、なんでもありの職場になっています。誤配や交通事故がいつ起こってもおかしくない状態です。当局はとことん労働者をこき使い疲弊(ひへい)させ、労働者の誇りを奪い、文句も言わせない職場にしようとしています。
 誤配などの郵便事故に対する処分と始末書提出の乱発はその典型です。「事故・誤配は企業の信用を低下させる」と当局は強調する。始末書と処分の乱発で「ミスをした自分が悪い、ダメな人間だ」という気持ちにさせ、すべての責任を現場労働者に押し付け誇りを奪っているのです。
 ミスは誰でもするし、ミスを引き起こす要因を減らすための闘いが必要なのです。さらに言えば、事故、誤配を減らしているのも労働者です。ミスをしたから信用が低下するのではない。ミスをしてもきちんとフォローすれば信頼が高まることはあっても低下することはないのです。誤配やミスがあった場合、素早く対応して回収、謝罪したりして責任を取っているのが現場の労働者です。郵便局の信用、信頼は、現場の労働者のそうした素早い対応と、住民との信頼関係の中でつくられてきたのです。
 最大の信用低下の原因は資本・当局にあるのです。利益優先のために極限的に要員を減らし、すさまじい労働強化を強要して、あせって仕事をさせていることが最大の原因です。誤配・事故に責任を取らないのが資本・当局です。

事故を誘発する合理化を許すな

 交通事故も同じで、一切の責任は当局にあります。交通事故を起こすと「会社に多大な損失を与えた」と大騒ぎし、重大犯罪をしたかのように現場労働者に襲いかかってきます。交通事故は現場で配達する労働者の命にかかわる安全の問題です。それが軽視されています。安全に経費をかけないで、削ることしか考えないのが会社の方針です。事故を誘発する合理化を進めて「事故を減らそう」などというペテンを許してはなりません。体制内JP労組本部は資本と一体で、抗議の声すら上げず自己責任論を押し付けるだけです。
 大きな交通事故を起こすと1週間バイク乗務を禁止して、草むしりや自転車配達にさせるなどペナルティーを科してきます。そして処分され査定がマイナスになり給料の減額です。不当な二重処分を平然とする管理者と当局を許してはなりません。非正規労働者が重大事故を起こせば雇い止め・解雇にまで行き着きます。配達要員が減って業務に支障を引き起こしても、解雇、ペナルティーが優先なのです。
 会社は、事故の責任は労働者にあるとし、「交通ルールを守らないから事故を起こす」「『危険予知訓練』や朝の郵便体操、バイクの点検をきちんとやれば事故はなくなる」と強弁するだけです。ふざけるな! 労働者のとっさの判断でどれだけ事故を未然に防いでいるかわかっているのか。恒常的な要員不足で事故の原因をつくっているのは郵政当局です。
 資本主義社会は人間を〝モノ〟以下におとしめ、人間の命を徹底的に軽視し、人間を蹂躙(じゅうりん)するゆがみ切った社会です。
 すべての郵政労働者は郵政資本の攻撃に怒りを爆発させ、体制内労働組合の裏切りをのりこえ立ち上がる時です。今こそストライキで闘う労働組合をよみがえらせ、株式上場=第2の郵政民営化攻撃を粉砕しよう。
(神奈川・西田貴広)
(シリーズ終わり)
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