【速報版2面-1】民主労総と連帯し朝鮮戦争を阻もう 「緊急事態条項」で改憲突破狙う 安倍を国鉄・参院選決戦で倒せ

週刊『前進』08頁(2710号08面01)(2015/12/14)


【速報版2面-1】
民主労総と連帯し朝鮮戦争を阻もう
 「緊急事態条項」で改憲突破狙う
 安倍を国鉄・参院選決戦で倒せ

(写真 安倍の戦争法に反対して何万人もの人民が国会前に連日集まり抗議行動を闘った。写真は9月13日)

 2016年7月参院選に向けて、安倍と極右勢力は憲法改悪に向けた動きをいよいよ本格化させつつある。安倍自民党はその突破口として、政府の命令一つで憲法を停止できる「緊急事態条項」の新設を狙っている。16年参院選は、改憲の是非を最大の争点とする一大政治決戦の場となる。参院選出馬を表明した鈴木達夫弁護士とともに、今こそ新たな労働者の政党を登場させよう。戦後史の決着をかけて改憲阻止の大闘争を巻き起こし、安倍政権を打倒しよう。

改憲へと動く安倍と極右

 「憲法改正をはじめ、占領時代につくられたさまざまな仕組みを変えていくことが(自民党の)立党の原点だ」――安倍は11月28日、自らが会長を務める極右の超党派議員連盟「創生日本」の会合でそう訴えた。また来年7月の参院選に触れて、「再び夏に戦いがやってくるが、そう簡単ではない。支援をお願いしたい」と語気を強めた。
 すでに政府・与党は来年通常国会の開会を1月4日(会期末6月1日)と決めた。自民党幹部からは、参院選に合わせて衆院を解散し、衆参ダブル選に持ち込む可能性を示唆する声が出ている。
 他方で安倍は、来年3月までに戦争法を施行することをめざし、戦争の準備を進めている。中でも重大なのは、11月3日、日米両政府が新たに「同盟調整メカニズム(ACM)」を発足させたことである。平時から米軍と自衛隊を一体的に運用するための常設協議機関であり、米軍と韓国軍が設置している「米韓連合司令部」の日本版に相当する。朝鮮半島有事を含むあらゆる事態に米軍・自衛隊が一体的に対応するための「共同計画」もここで策定する。米韓連合軍の「作戦計画5015」と並んで、自衛隊も米軍とともに北朝鮮への先制攻撃に加わるための「共同計画」の策定を急いでいるのだ。
 さらに安倍は11月19日の日米首脳会談で南中国海への自衛隊派兵を「検討する」と表明した。直後に菅義偉官房長官らが「具体的な計画はない」と火消しに走ったが、安倍が南中国海「参戦」の意思を初めてオバマに伝えたことは重大だ。
 中東情勢をめぐっては、パリでの「IS(イスラム国)」による11・13無差別襲撃事件以後、米仏ロなどのシリア空爆が激化し、トルコとロシアの軍事衝突にまで発展する中で、安倍はトルコ・エルドアン大統領と首脳会談を行い「テロ対策」での連携強化を確認した。さらにイスラエル・ネタニヤフ首相との首脳会談で「IS対策で緊密に協力する」と確認し、イスラエルへの武器輸出を視野に入れた協力関係の強化を図った。
 こうした動きと一体で、政府は来年度予算で防衛費を過去最高の5兆円台とする見通しだ。米軍の新迎撃システム「高々度防衛ミサイル(THAAD)」の導入をはじめ、大軍拡に突き進もうとしているのだ。

民主党など野党は総屈服

 だが、戦争・改憲に向けた安倍政権の突出は、8〜9月の安保国会決戦を上回る労働者民衆の闘いを爆発させずにはおかない。
 すでに沖縄・辺野古では、基地建設阻止の闘いが実力闘争として発展し、安倍が送り込んだ警視庁機動隊を連日圧倒している。この怒りと闘いが階級的労働運動と結合し、1971年以来の全島ゼネストへと発展していくことを、安倍は何よりも恐れている。
 だから安倍は改憲の第一弾として、労働運動や反戦運動を暴力的に鎮圧するための「緊急事態条項」新設を急いでいる。
 政府が緊急事態を宣言すれば、「内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができる」(自民党改憲草案99条)とされ、「何人も……国その他の公の機関の指示に従わなければならない」(同)とされる。政府の命令一つで憲法を停止し、集会、デモ、ストライキなどを禁圧できる。まさに憲法を根底から破壊する攻撃であり、改憲をめぐる攻防の当面する最大の焦点はここにある。ところが、民主党をはじめ野党の大半がこれに賛成しているのだ。
 緊急事態条項がどんな現実をもたらすかは、非常事態宣言が出されたフランスで起きていることを見れば明白だ。
 フランス上院は20日、ISによる11・13無差別襲撃事件の直後にオランド大統領が発令した非常事態宣言を、さらに3カ月延長する法律を可決・成立させた。この非常事態宣言のもとで、フランス政府は、デモ・集会の禁止▽裁判所の令状なしでの家宅捜索▽報道規制▽人や車の往来の制限▽夜間外出の禁止▽劇場や飲食店の閉鎖などを命じることができる。
 さらにオランドは「非常事態宣言に頼らずテロに対応するために憲法改正が必要だ」とし、これを機に改憲に踏み込む意図をあらわにした。
 だが、フランス労働者階級はパリ交通公団バス労働者の11・17ストを皮切りに、非常事態宣言下での闘いを開始している。パリでは「非常事態は警察国家化だ!」と訴えるデモが、機動隊と激突しつつ闘われている。

勝利の道開くゼネストへ

 戦争・改憲と治安弾圧を打ち破る勝利の道は、何よりも韓国・民主労総の闘いが示している。
 11・14民衆総決起闘争に対するパククネ政権の報復弾圧に対し、民主労総はハンサンギュン委員長を先頭に一歩も引かずに対決し、勝ち抜いている(本紙2708号1面参照)。パククネ政権は12・5第2次民衆総決起闘争に対し、事前に集会・デモの全面禁止を通告したが、これに広範な労働者民衆が猛然と抗議の声を上げる中、裁判所は3日に「集会・デモ禁止は不当」とする仮処分決定を下した。政府の卑劣な弾圧を敢然と粉砕し、12・5闘争は5万人の結集で成功した。
 これに先立つ4日には民主労総が12・16ゼネスト突入を決定。8日に総決起大会を開催し、10日から国会前座り込みに入る方針だ。そして19日には第3次民衆総決起闘争が呼びかけられている。
 「私たちは知っている。彼らが最も強硬に出てくる時が実は彼らが最も危機にひんした時だということを」「今こそゼネストで勝利の道を実力でこじあける時だ」(民主労総)。韓国の労働者民衆の闘いと連帯し、日本のゼネスト情勢を切り開こう。16年国鉄・参院選決戦で安倍を倒そう!
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