歴史の正義と被害者の人権を捨てた日本軍 「慰安婦」問題の屈辱的合意を糾弾する! 12月29日、韓国47団体共同記者会見文

週刊『前進』04頁(2713号03面01)(2016/01/11)


歴史の正義と被害者の人権を捨てた日本軍
 「慰安婦」問題の屈辱的合意を糾弾する!
 12月29日、韓国47団体共同記者会見文

(写真 第1211回日本軍慰安婦問題解決のための水曜集会【12月30日 ソウル・日本大使館前】)

 12月28日に強行された日本軍「慰安婦」問題での日韓外相会談「合意」に対し、翌29日、韓国挺身(ていしん)隊問題対策協議会を始め民主労総、韓国労総、全国農民会総連盟、全国貧民連合、さらに宗教者、市民、学生など47団体が共同記者会見を開き、日帝の戦争責任に免罪符を与える「屈辱的合意」は「韓日軍事同盟構築と韓米日同盟の完成を加速化させる」暴挙だと糾弾した。全文を掲載します。朝鮮侵略戦争に突き進む安倍政権と怒りに燃えて闘おう。(編集局)

 昨日(12月28日)韓日外相会談を通して、韓国と日本政府は、△安倍総理の謝罪表明△日本軍「慰安婦」被害者支援のための財団を韓国政府が設立し日本政府が10億円援助△国際社会での相互非難中断などを合意、発表し、日本軍「慰安婦」問題の最終的で不可逆的な解決を宣言した。
 共同記者会見でユンビョンセ外交部長官は、(ソウルの日本大使館前にある)少女像について「関連団体と協議して適切に解決する」として、撤去を求めた日本側の要求を事実上受け入れることを明らかにした。
 私たちは被害者らが数十年間要求した国家的、法的謝罪と賠償を完全に度外視したことはもちろん、この懸案に対する国際的問題提起を元から封鎖して、少女像まで撤去することにした屈辱的合意に対して、強力に糾弾する。
 今回岸田外相が代わりに発表した安倍総理の立場は、かなり前の河野談話を繰り返す水準に留まっただけで、核心的争点の日本軍「慰安婦」強制動員の法的責任についてはまったく言及していない。最近、教科書の歪曲など、植民地支配と侵略の歴史を否定する国家的、制度的動きが全面化されているという事実に照らしてみる時、総理個人の抽象的謝罪は歴史歪曲に対する批判をもみ消すリップサービスに過ぎないという批判を受けて当然だ。
 しかも解決法として提示したのが「被害者支援のための財団」を韓国政府が設立して、これに日本政府が10億円の基金を援助する方式だが、日本軍「慰安婦」問題に対する日本政府の責任により加害者として賠償するのではなく、被害国政府が財団を設置して幾らかの基金を援助する方式で終わらせるということだ。万一、日本政府が本当に日本政府の責任を認めて反省するならば、当然法的に賠償し、歴史歪曲中断などの措置を取らなければならない。それがまさに被害者らが数十年間苦痛の中で要求してきた解決法だった。
 しかし日本政府は、65年韓日基本条約と請求権協定ですべての賠償問題が解決されたという既存の主張を繰り返しながら、せいぜい「出資金」を前面に出して、被害者らの人権回復と正しい歴史回復に対する切実な要求を徹底的に無視した。
 50年前、3億円(ママ)の「祝い金」で植民地犯罪清算と法的賠償を対等交換をした屈辱的な韓日基本条約と請求権協定に続き、10億円の「出資金」で日本軍「慰安婦」問題に対する国家的、法的謝罪と賠償問題を度外視した今回の野合は、反歴史的暴挙だと指弾を受けて当然だ。
 「被害者が納得する水準にならなければならない」と数回、大統領が直接公言しながらも、このような不十分な内容の立場に同意して日本軍「慰安婦」問題の最終的で不可逆的な解決を宣言し、今後国際社会で問題提起をしないことにしたことはもちろん、少女像に対して「関連団体と協議して適切に解決」としたことによって、事実上撤去に合意した韓国政府の屈辱的低姿勢は、納得することも容認することもできないものだ。
 発表後、パククネ大統領が「年内妥結に関する韓日首脳会談の約束が実現」したと言及し、ユンビョンセ外交部長官が「韓日関係をよくしていくことが韓米関係のためにも重要だ」と明らかにしたことは、今回の合意が、ひたすら韓日首脳会談で日本軍「慰安婦」問題の年内妥結を公言したパククネ大統領の政治的功績を積むことと、韓米日、韓日軍事同盟の完成に向けた米国側の要求を受け入れるための、拙速野合であることを赤裸々に示している。
 日本軍「慰安婦」問題などいわゆる過去の問題に対する韓日間の縫合(ほうごう)と対日免罪符の付与が、韓日軍事同盟構築、韓米日同盟の完成を加速化させることは火を見るより明らかだ。
 韓日首脳会談を前後して、日本軍の韓半島再進出が可能だと発言したファンギョアン国務総理の発言でも、その方案準備のために韓日間の准将級軍事会談が数回、秘密裏に進められてきたことで明らかなように、自衛隊の韓半島再出兵を制度的に担保しようとする動きもまた本格化されるだろう。
 しかし韓日両国の国民は皆、過去の侵略の歴史を繰り返す韓米日覇権同盟完成と韓日軍事協力に強く反対して抵抗している。過去の問題の負担を拙速野合で迂回(うかい)し、韓日軍事協力と韓米日覇権同盟完成に向かって全面的に進もうとする韓日両国の試みは、巨大な国民的抵抗に直面することになることを厳重に警告する。
 日本軍「慰安婦」問題に対して国家的・法的に謝罪し、賠償しろ!
 パククネ政府と安倍政府は、正しい歴史と被害者の人権回復を無視した拙速野合を白紙化しろ!
 2015年12月29日
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