三里塚一坪裁判 計画に公共性なし 千葉県企業庁証人を尋問

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週刊『前進』04頁(2747号03面03)(2016/05/16)


三里塚一坪裁判
 計画に公共性なし
 千葉県企業庁証人を尋問


 4月28日、千葉地裁民事第5部(鹿子木康裁判長)で、一坪共有地裁判の証人調べが行われた。この裁判は、三里塚芝山連合空港反対同盟の鈴木幸司さん(故人)、いとさん夫妻が共有権を持つ駒井野の一坪共有地について、千葉県が明け渡しを求めて起こした訴訟だ。県は成田空港A滑走路の北側に「成田国際物流複合基地」を造るのにじゃまだから明け渡せと言うわけだが、提訴から10年たち、大赤字で破綻し中断している事業だ。成田空港会社(NAA)と千葉県の当局者が、法廷に証人として引きずり出された。
 午後1時30分開廷。一人目は、NAA経営計画部空港計画室長の佐久間潔。佐久間は原告・千葉県側の質問に答え、「成田を首都圏の貨物輸送拠点として充実させる」「用地取得は不可欠。早期に造成していただき整備したい」と述べた。
 反対同盟顧問弁護団が反対尋問に立った。具体的な計画の内容をただすと、「貨物ターミナルを造る」「貨物専用コンテナや特殊車両の置き場にする」という大ざっぱな見通しを語るのみ。そもそも「貨物需要増を見越して処理能力を強化」などと言うが、そんなおめでたい需要増予想にはどんな裏づけがあるのか。佐久間は「長期的には東アジアの需要が増大する」などと、根拠のない願望を並べたてた。
 そして「首都圏空港の処理能力は、現状では2020年にパンクするので、成田は第3滑走路の新設などで機能強化を図る」と第3滑走路にまで言及した。すかさず弁護団が「第3滑走路計画に対する地元住民の強い反対の声を知っているか」と追及すると、「直接聞いていない」などと居直り、傍聴席から一斉に怒りの声が飛んだ。
 二人目の証人は、千葉県企業庁地域整備部土地施設管理課長(3月まで)の原正則。原は「物流基地建設」が計画当初の71・3㌶が結局は半分以下の28・5㌶に縮小されたこと、完成のめども立たず北側地区を中止したこと、企業庁自体が廃止されたことを認めながら、「航空国際物流向上には高い公共性がある」などと強がった。
 弁護団が、成田空港の貨物取扱量が年間200万㌧前後で頭打ちになっている事実を突きつけると、「航空貨物需要は増え続ける。中国経済の減速は一時的」と根拠もなく言い張った。そして一坪共有地取得のために、「全面的価格賠償方式」すなわち〝金を出して分捕る〟という強権的手段を用いることを、当然だと居直った。
 2人の証人尋問を通して、県は一坪共有地を奪って予定地を造成しNAAに売り飛ばすことに執心しているが、計画に具体性も公共性もないことが明白になった。まるで地上げ屋だ!
 午後5時を過ぎて閉廷。千葉県弁護士会館で報告集会(写真)が開かれ、葉山岳夫弁護士を始め弁護団全員が、敵性証人を徹底追及した手応えを語った。そして、5月18日に最高裁に対し、農地強奪阻止の署名提出行動を行うことを全体で確認した。

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三里塚裁判日程
◎第3誘導路裁判
 5月17日(火)午前10時30分開廷 千葉地裁
 (傍聴券抽選のため30分前に集合)

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