5・23狭山闘争に決起しよう 最終意見陳述を共同綱領に

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週刊『前進』04頁(2747号04面01)(2016/05/16)


5・23狭山闘争に決起しよう
 最終意見陳述を共同綱領に


 5月23日に石川一雄さんの不当逮捕から53年、第3次再審請求から10年を迎えます。いま狭山闘争は、東京高裁・植村稔裁判長体制のもとで全証拠開示・再審開始をめぐりギリギリの攻防、決戦局面にあります。戦争と改憲に突き進み狭山闘争・部落解放闘争の解体・一掃を策す安倍政権と対決し新自由主義と最前線で闘う狭山闘争は、国鉄決戦と一体です。その勝利のために6~7月選挙決戦に立ち上がろう。

階級的団結の要

 狭山闘争は石川さんの半世紀を超える不屈・非妥協の闘いを先頭に闘われてきました。1974年の11万人決起に対する東京高裁・寺尾正二裁判長による10・31無期懲役判決や80年代の同和対策打ち切り=地対協攻撃に対する既成部落解放運動の屈服、90年代の石川さんへの仮釈放攻撃、第1次、第2次再審請求の棄却など、幾度もの激しい攻撃を絶対反対を貫いてはね返してきました。
 狭山闘争は、労働者階級への差別・分断、団結破壊の攻撃を打ち破る階級的な団結の要として闘われてきたのです。その過程は国鉄闘争と重なっています。動労千葉の国鉄分割・民営化絶対反対のストライキ決起が敵の攻撃を破綻させ、動労千葉の団結を守り、国鉄闘争を前進させてきたように、狭山再審闘争は新たな階級的決起を生み出し、新自由主義に立ち向かう最前線の闘いとなっているのです。
 朝鮮侵略戦争の切迫下で、狭山闘争は階級攻防の焦点となっています。安倍政権は、UAゼンセンを使って狭山闘争を北朝鮮拉致問題と同列に置いて変質させ、自治労や教組を屈服させ、連合を分裂させ解体しようとしています。労働組合を朝鮮侵略戦争に動員する攻撃です。しかしそれは狭山闘争の階級的根底性、狭山闘争が階級的団結の決定的な環となっていることへの恐怖の表れです。逆にいえば狭山闘争を階級的に復権させて安倍政権の狙いを打ち砕き、連合を打倒し、階級的労働運動を発展させる決定的なチャンスが到来しているのです。

国家権力を断罪

 昨年、石川さんは10・31闘争を前にしてブログ「冤罪・狭山事件」で第二審での最終意見陳述(74年9月26日)を自ら公表しました。安倍政権の戦争法成立強行の中で、石川さんはこの意見陳述を明らかにすることで狭山闘争とは何かを鮮烈によみがえらせ、檄(げき)を飛ばしたのです。
 最終意見陳述は、無実を承知で一審死刑判決を下した国家権力と、その部落差別を徹底的に暴き、非正規労働・貧困を徹底的に断罪し、部落差別が労働者階級への分断・団結破壊の攻撃であることを鮮明にしています。また、検察の証拠隠しに言及し、「全証拠開示」を闘いの核心としています。今日の新自由主義と闘う狭山闘争の路線を先行的に示しているだけでなく、プロレタリア革命の問題を提起しています。
 最終意見陳述の正義性、階級性は、東京高裁を包囲した当時の巨万の労働者を完全に獲得し、体制打倒へ行きつくものでした。それゆえの寺尾反動判決だったのです。最終意見陳述は狭山闘争の原点です。
 最終意見陳述を読んで「時を超えて革命決起への『檄』を感じた」という感想が寄せられています。狭山闘争を公正裁判要求にゆがめ、部落解放闘争を体制内改良主義に押しとどめる既成の解放運動や、労働者自己解放に敵対する血債主義者との党派闘争が決定的に重要です。また全産別で連合など体制内労組執行部と狭山闘争をめぐる路線闘争を推し進め、連合を揺るがす狭山闘争の階級的復権をかちとりましょう。星野闘争と連携し全証拠を開示させましょう。

水平同盟建設を

 狭山闘争の先頭に立つ全国水平同盟は西郡住宅闘争の勝利の地平から高槻植木団地闘争、京都の崇仁・東三条の闘いを組織しています。昨年の第4回大会では狭山闘争を新自由主義と闘う最前線としてあらためて位置づけ、国鉄闘争と一体でゼネストに向かう階級的労働運動の闘いとして確認しました。水平同盟は、杉並支部を中心に動労千葉、動労水戸など部落解放東日本解放共闘の仲間とともに、2、4月と連続的に東京高裁要請行動を闘っています。
 部落差別は労働者階級に対する分断・団結破壊の攻撃であり、狭山裁判は国家権力によるその最たる攻撃です。雇用・労働破壊―総非正規職化の攻撃を許さず非正規職撤廃を正面課題とし、労働者が団結して狭山闘争に取り組み、動労総連合の全国的建設と一体で全国に水平同盟の組織建設を進めましょう。
 韓国・民主労総のゼネストを始め全世界の闘う労働者と連帯して、狭山闘争をプロレタリア国際主義にもとづく国際連帯闘争として闘おう。狭山闘争を始め全戦線で6~7月選挙決戦に総決起しよう。東京、大阪、広島で取り組まれる5・23狭山闘争に総決起しよう。

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石川一雄さん 埼玉県狭山市の被差別部落に生まれ育つ。1963年5月1日に同市内で起きた女子高校生誘拐・殺害事件「狭山事件」の犯人にデッチあげられた(当時24歳)。5月23日に別件逮捕され、保釈と同時に殺人容疑で再逮捕された。一審で死刑、二審で無期懲役判決を受け77年に下獄。31年7カ月間を獄中で不屈・非妥協に闘う。94年に仮釈放となった後も国家による権力犯罪を断罪し続け、再審開始・無罪獲得へ闘っている。現在、東京高裁に第3次再審請求中。4月から第28次高裁前アピール行動に取り組んでいる。

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石川一雄さん不当逮捕53カ年糾弾!
第3次再審闘争勝利!5・23狭山闘争
■東京 5・21狭山集会
 5月21日(土)午後6時30分開場、7時開会
 渋谷区勤労福祉会館(渋谷区神南1―19―8)
 主催 部落解放東日本共闘会議 全国水平同盟杉並支部
■5・21全関西狭山集会
 5月21日(土)午後7時 西郡第3集会所(大阪府八尾市幸町5―44)
 主催 全国水平同盟 関西労組交流センター 八尾北医療センター労働組合
■広島 5・22狭山集会
 5月22日(日)午後4時
 西地域交流センター1階会議室(広島市西区福島町)
 主催 部落解放広島共闘会議

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