知る・考える 用語解説 UTLA=ロサンゼルス統一教組―アメリカ最大の戦闘的教組

週刊『前進』02頁(2752号02面05)(2016/06/02)


知る・考える 用語解説
 UTLA=ロサンゼルス統一教組―アメリカ最大の戦闘的教組


 カリフォルニア州ロサンゼルス市一帯の3万1千人の教職員を組織する、全米第2位の大規模教組。1970年の6週間大ストライキを機に、それまで競合していた教職員組合が統一してUTLA=ロサンゼルス統一教組となった。全米のほとんどの教組がNEA(全米教育協会、300万人)傘下とAFT(アメリカ教員連盟、160万人)傘下に分かれている中で、UTLAは両者に二重加盟している。
 1980年代に新自由主義攻撃を展開したレーガン大統領は、67年から8年間カリフォルニア州知事として、新自由主義の先駆けともいえる州政の大転換を行った。その最大のターゲットが教育と福祉だった。UTLAは、それとの歴史的な闘いの中から生まれたのだ。
 08年大統領選挙で選出されたオバマは「教育改革」=教組破壊を国内政策の中心課題にした。連邦補助金の締め上げを通じて、教員の成績給の導入やチャータースクール(公設民営校)化を各州に推進させ、多数の学校を閉校させた。特にUTLAは狙い撃ちされ、1万人以上の組合員が職を追われた。
 だが、このUTLAの存亡の危機に対して執行部は職場からの闘いを組織しなかった。これを批判し、組合員自身が闘う組合の再建を呼びかけて「ユニオンパワー」という連合体が結成され、14年の選挙で執行部を奪取した。以後、全職場で組織化をすすめ、全米の教組改革運動の中心的存在になっている。
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