汚染土再利用を許すな 170年間管理必要の試算も

週刊『前進』04頁(2765号02面04)(2016/07/18)


汚染土再利用を許すな
 170年間管理必要の試算も


 政府・環境省は6月30日、福島の除染に伴う高汚染土を全国の公共事業で再利用する方針を正式決定した。1㌔グラム当たり8千ベクレルまでの汚染土を、土木・建築資材に使うとした。従来の再利用基準に比べても80倍で、放射線管理区域の10倍以上の放射能汚染土である。この再利用にかかわる何十万もの労働者に被曝労働を強い、東京五輪施設などの新規公共施設を放射能まみれにして全人民を被曝させようとするものだ。7・22東京集会で反撃しよう。

東京・全国に被曝労働強制

 政府・環境省は〝8千ベクレルでも安全〟と言いなしているが、何の根拠もない。現に環境省の検討会・非公開会合で、〝汚染土を再利用すると、法定の安全基準まで放射能濃度が減るのに170年かかる〟との試算が示されていながら、隠されていた(6月27日付毎日新聞)。例えば道路の場合、一番下に盛り土をしてその上に何層もの構造で建設する。〝盛り土の耐用年数は70年、道路が使えなくなった後も100年間の管理が必要、計170年管理となる〟という試算が出ている。
 ところが6月30日の正式決定では、この点は不問とされた。170年も管理必要と言うが、今から170年前は江戸時代の1846年で、ペリー来航(1853年)よりも前になる。政府・環境省は170年もの責任など取るつもりはないのだ。〝とにかく始末に負えない汚染土を使ってしまえ、あとはどうなろうと知ったことではない〟というのが本音である。
 福島にとどまらない全国規模の被曝労働の強制だ。人の命をこれほど軽んじる連中が支配階級にいることなど、絶対に許してはならない。革命によって打倒すべきだ。

帰還強制狙い破産の上塗り

 汚染土の再利用方針は、公共事業の中心である東京、そして全国への被曝労働と放射性物質の大拡散にほかならない。こんな方針が出てきたのは、福島で汚染地への帰還を強制するために、アリバイ的な除染をやった結果、フレコンバッグ1100万袋分の廃棄物を生み出したからだ。本来なら政府・福島県は、アリバイ的な除染策の破産を認めるべきなのだ。それを居直って、始末に窮した廃棄物を全国の公共事業にばらまくなどというのは、非道に非道を重ねる人類史上の大犯罪にほかならない。
 汚染土だけではない。「帰還・復興」の体裁を取るために、福島で帰還強制・被曝強制を強め、そのために避難者を住宅から追い出し、さらには東京・全国に汚染土をばらまいて被曝労働と放射性物質を拡散しようとしている。このすべてを同時に強行しようとしているのだ。

被曝労働拒否7・22集会へ

 これら一体の攻撃に対して闘おう。今こそ福島の怒りをともにし汚染土の再利用を粉砕しよう。その運動の先陣をなし柱をなすのが、JR常磐線延伸・全線開通との闘いだ。7月12日の原ノ町―小高間の運行再開に対し、動労水戸はストライキを打ち、動労福島、動労東京も同時決起した。
 この7・12決起を引き継いで、「被曝労働反対の運動を東京から 7・22東京集会」に結集しよう。反原発闘争の新たな発展を切り開く集会として成功させよう。

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被曝労働反対の運動を東京から
7・22東京集会
 7月22日(金)
 午後6時 映画『A2‐B‐C』上映
 午後7時 被曝労働と闘うJRや自治体労働者からの報告
 江戸川区総合文化センター研修室
 主催 NAZEN東京

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