石川さんと連帯し10・31狭山集会へ 水平同盟・労組の力で再審を

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週刊『前進』04頁(2789号04面02)(2016/10/17)


石川さんと連帯し10・31狭山集会へ
 水平同盟・労組の力で再審を

(写真 東京高裁包囲デモ【9月29日】)


 韓国で、パククネ政権の攻撃をうち破る民主労総のゼネストが全社会的支持を受けて続いている。日本でも、労働法制改悪との闘いが全産別で闘われている。米日帝国主義による朝鮮侵略戦争を、始まる前に絶対に止めよう。この闘いが、労働者階級の解放を通した全人民の解放の道を開く。11・6労働者集会の成功が一切の鍵だ。狭山闘争の勝利をめざし東京・広島(10・29)、関西(10・31)で開かれる狭山集会は、その決定的な跳躍台だ。全力で結集しよう。

新自由主義と闘う最前線で

 1974年10月31日、東京高裁・寺尾裁判長が石川一雄さんの無実の叫びを踏みにじって無期懲役判決を出してから42年目を迎える。石川さんは1963年、国家権力により狭山事件(女子高校生誘拐殺人事件)の犯人にデッチあげられた。
 狭山闘争は、狭山裁判の再審を実現し、石川さんの無罪をかちとる闘いだ。また、労働者階級を分断し団結を破壊するための資本の ″武器〟である部落差別をうち破り、団結をよみがえらせる闘いだ。
 石川さんへの殺人罪デッチあげは、60年安保闘争の高揚を引き継ぎ、国鉄・全逓を先頭に職場闘争が火を噴くさなかだった。無期懲役判決は、74〜75年恐慌に直撃された日帝が新自由主義への転換を迫られた時期に出されたものだ。狭山闘争は新自由主義との攻防の最前線に位置している。
 この狭山闘争の勝利にとって決定的な新証拠である下山鑑定が、8月22日、弁護団によって東京高裁に提出された。

デッチあげを暴く下山鑑定

 下山鑑定は、石川さん宅から押収され石川さんを有罪とする証拠とされた「被害者の万年筆」には被害者のインキの痕跡がないことを証明した。しかもそれを、当時鑑定を行った科学警察研究所の検査結果という動かせない事実から明らかにした。「万年筆」はデッチあげられたものだ! 石川さんは無実だ!
 9月29日、全国水平同盟杉並支部と部落解放東日本共闘会議は、東京高裁に下山鑑定を中心に「ただちに狭山裁判の事実調べと再審開始、検察への全証拠の開示命令を行え」と迫った。こうした要請行動は、狭山闘争の責任勢力として立つ全国水平同盟、動労千葉・動労水戸を軸とする各地区の労組交流センター、合同労組・ユニオンに結集する労働組合・労働者により重ねられてきた。
 全国水平同盟は結成から3年、国鉄闘争を軸に非正規職撤廃を正面課題にすえて、狭山闘争、住宅闘争の実践を通して全国に旗を立てるために奮闘している。動労千葉は新自由主義による国鉄闘争つぶしと30年間闘い、正規・非正規の分断をうち破って団結し、労働法制改悪阻止の最先頭で闘っている。
 29日の東京高裁に対する包囲デモと要請行動は1974年の第二審で11万人が決起して日比谷公園を埋めた公判闘争を引き継ぎ、のりこえる内実をもってうち抜かれた。

連合の狭山解体うち破る

 2011年12月、連合が開始した「人権フォーラム」なる講演会は、当初から一貫して、石川一雄さんと北朝鮮による拉致被害者を同列に扱い、狭山闘争を「人権救済」運動におとしめ、排外主義をあおる手段にしようとするあくどい意図をもっていた。狙いは、日帝国家権力とは非和解の狭山闘争の核心を解体することを通して、連合傘下で狭山闘争を担う日教組と自治労を翼賛勢力に変質させ、戦争に動員することだった。
 水平同盟と解放共闘は狭山闘争の階級闘争としての発展と勝利、労組解体・朝鮮侵略戦争阻止をかけて、連合「人権フォーラム」の狙いを暴き、徹底的に弾劾した。こうした中で、昨年5月の「人権フォーラム」は徴兵制の推進を掲げるUAゼンセンが前面に出て、排外主義をあおった。
 この狭山解体策動をうち破ったのが、昨年の全学連を先頭に国家権力と激突して闘われた安保国会闘争だった(天皇メッセージは、これに革命の現実性を見た天皇の恐怖に満ちた反動だ)。
 石川さんは安保戦争法の強行成立の直後、自身のホームページで1974年9月26日の第二審公判での最終意見陳述を公表した。陳述は「狭山事件は権力犯罪」「検察は......ブルジョアジーの利害を代表している」と弾劾している。狭山闘争がブルジョア国家との闘いであるという、石川さんの力の限りのアピールだった。
 石川さんは、不当逮捕以来53年間、国家権力と非和解であることを鮮明にし、一歩も引かずに不屈・非妥協で闘ってきた。最終意見陳述で狭山闘争の根底に触れた誰もが「狭山闘争の原点はここにある」と確信した。

星野再審闘争と連帯し闘う

 狭山闘争の勝利にとって星野再審闘争との連帯は決定的だ。70年闘争の先頭で闘った星野文昭同志の獄中42年、石川さんの53年の不屈・非妥協・非転向の闘いは、国家権力を打倒するまでやむことがない。星野再審闘争での証拠開示の闘い、国際連帯の闘い、絵画展の発展とともに狭山闘争の勝利の展望は開ける。
 さらに、狭山闘争の勝利は全国水平同盟の前進と一体だ。大阪・西郡から始まった、住宅追い出しと絶対反対で闘う水平同盟の住宅闘争は、高槻、京都の崇仁・東三条へと広がっている。動労水戸のドイツ訪問で、西郡住宅闘争が当地での住宅追い出し反対闘争と結合した。住宅をはじめ医療や仕事などすべてを奪う新自由主義の更地化攻撃に対して、八尾北医療センター労組を軸に対決しすべてを奪い返す西郡の闘いは、世界の住宅闘争の先頭に立っている。崇仁診療所廃止反対の署名に全国で取り組もう。
 パククネ政権打倒へ進む民主労総のゼネストと連帯して東京・広島・全関西の狭山集会をかちとり、狭山闘争に勝利しよう。11・6集会に結集し安倍政権を打倒しよう。

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10・31寺尾差別判決42カ年糾弾!第3次再審勝利 狭山集会
●東京
 10月29日(土)午後7時/全水道会館/主催 部落解放東日本共闘会議
●広島
 10月29日(土)午後2時/いきいきぷらざ(広島市西地域交流センター)/主催 部落解放広島共闘会議
●全関西
 10月31日(月)午後7時/八尾市・西郡第3集会所/主催 全国水平同盟・関西労働組合交流センター・八尾北医療センター労働組合

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