〝空港の違法を追及し農業に生きる〟 12・4三里塚現地闘争に結集を 11・30韓国民衆ゼネスト連帯行動へ(2面にアピール)

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週刊『前進』02頁(2800号01面01)(2016/11/24)


〝空港の違法を追及し農業に生きる〟
 12・4三里塚現地闘争に結集を
 11・30韓国民衆ゼネスト連帯行動へ(2面にアピール)

(写真 11月4日に韓国・民主労総が三里塚を訪れ反対同盟と交流)
(写真 11月12日に韓国民衆総決起に参加した三里塚反対同盟の萩原富夫さん【右】。タンビョンホ元民主労総委員長と)

 三里塚芝山連合空港反対同盟が呼びかける12・4三里塚緊急現地闘争に立ち上がろう。天神峰の市東孝雄さんへの農地法裁判上告棄却攻撃に対し、「農地死守、第3滑走路粉砕」を掲げ大反撃に打って出よう。韓国100万民衆総決起をはじめ革命的激動が全世界を覆う今、日本帝国主義の国策を阻み50年の歴史を刻む三里塚闘争が真価を発揮する時だ。11月日韓国際共同行動において、動労千葉と反対同盟との不滅の労農連帯が、闘う韓国労働者に熱烈な共感を呼んだ。11・30ソウル―東京大闘争に決起し、直ちに12・4三里塚に駆けつけよう。不屈の闘魂を胸に普段どおり農作業に励む市東さんにインタビューを行い、決意を伺った。(編集局)

農地強奪と闘う三里塚農民 市東孝雄さんに聞く

上告棄却に怒り新た

 ----10月25日、最高裁は市東さんの農地法裁判の上告棄却決定を下しました。
 最高裁の決定がそう遠くないうちに来ることはわかっていました。だが実際に来てみると、「上告理由にあたらない。上告申立を受理しない」、それだけです。あとは裁判官の名前が5人並んでいるだけ。あまりにもお粗末というか、もう少しちゃんとしたものかなと思ってました。こんなものは絶対に認めることはできない。最高裁は「憲法の番人」と言われているが、結局はNAA(成田空港会社)の利害を代弁するような機関に成り果てていることを思い知らされました。
 だから、「そっちがそんなお粗末な決定を出すのなら、こちらはとことん闘うぞ」という気持ちです。判決が確定したからといって、それで終わりじゃないし、負けたわけでもない。これからが本当の勝負ということです。
 ----NAAは市東さんの農地を取り上げるために数々の違法、脱法行為を行ってきましたね。
 こちらの弁護士さんたちがそういう違法・脱法の証拠を突きつけているにもかかわらず、NAAはまともに反論もできないし、反論しようとしない。一貫して「裁判所におまかせ」姿勢できました。そうすれば自分たちに都合のいい答えを出してくれると期待して、あとは黙っていようと。それを素人でもわかるようなあからさまな態度でやっている。
 こっちは農家ですから、この農地に生活がかかっています。その土地を取るという大それたことをやろうというのに、文書偽造などひきょうな手口を使うとは絶対に許せません。

農民を見下すNAA

(写真 畑でかぶの収穫にいそしむ市東孝雄さん )

 ----NAAは市東さんに「離作補償」として1億8千万円を提示し、一審、二審判決はそれを受け入れるよう迫っていますね。
 やはりまず、「お金じゃない」ということです。かつて千葉県農業会議は公開の場で、私の目の前で「離作補償1億8千万は市東の150年分の収入だ」と言い放ちました。あの時の怒りは忘れられません。この1億8千万円というのは「農家をやめろ」ということです。やめて出て行けば、この金で死ぬまで暮らせる、農業の収入の150年分だと。
 まるっきり人を見下した言い方ですよ! 農家の立場、気持ちなどまるで考えず、自分たちは資本家のような考えで言っている。こういう考えが裁判所にまで貫かれているのだと思います。
 ----千葉地裁での耕作権裁判も、現在重大局面を迎えています。耕作権裁判への意気込みをお願いします。
 農地法裁判に先立って耕作権裁判が始まったとき、私は「空港の土地を不法に耕作している男」とマスコミで報じられ、本当に悔しい思いをしました。
 だがこの裁判の回数を重ねる中で、NAAの違法・脱法を暴き、いま向こうを文書提出命令にもまともに対応できない窮地に追い詰めています。
 農地法裁判はああいう形で判決を確定されましたが、この耕作権裁判は弁護士さん方の努力もあって、勝てる裁判だと思っています。だから、ますますこれからもNAAを追い詰める闘いをしていきたい。
 ----第3滑走路計画の動きが急になり、各地で「説明会」が開かれていますね。
 計画通りあの規模であんな滑走路が造られたら、芝山町を中心とした地域でほとんど農家がなくなってしまうでしょうね。直接敷地にかかる人を追い出すだけでなく、騒音で人が住めなくなる。移転しろと言ったって、すでに今までの空港によって移転してそこに住んでいる人も少なくないのに、そういう人たちにもまた出ていけというのか。
 それに今の農家は高齢者が多いので、移転なんて簡単にできるものではない。そういう意味では、第3滑走路問題は私の農地にかけられている攻撃と一体だと思います。
 ----農地を守る闘いと第3滑走路との対決を一体で進めていくということですね。
 はい。ただ、第3滑走路は、現実にはほとんど無理だと私は思いますよ。反対の声が根強い上に景気はよくないし、航空需要が減り、空港間の競争で成田が地盤沈下している中で、あんなもののために湯水のように金を使える余裕はないでしょう。

全国の人びとと共に

 ----今年は三里塚闘争50周年ですね。
 全国のみなさんのご支援とご協力によって、7月の50周年集会を大成功させることができました。三里塚は終わっていない、まだまだこれから発展していくという意気込みを見せることができました。
 その50周年の知恵をいっそう広げる意味でも、第3滑走路阻止と土地取り上げとの対決を一つのものとして、労働組合の皆さん、沖縄・福島の皆さんとともに闘っていきます。
 ----12・4集会への結集の呼びかけをお願いします。
 これは私だけの問題ではないということです。全国の農民と労働者にかけられている攻撃です。だから三里塚を支持し思いを寄せてくれる人の気持ちも一つにして、そして地域住民の気持ちをみんなで高めて、この空港の違法性をみんな一緒に追及し、ともに闘いたいと思います。ぜひ12・4現地集会に結集してください。
 ----市東さんが発するメッセージが全国の闘う人びとを励ましています。ありがとうございました。

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市東さんの農地を守ろう
12・4三里塚現地闘争
 12月4日(日)午後1時30分集合
       午後2時デモ出発予定
 市東さん宅南側開拓組合道路
 主催/三里塚芝山連合空港反対同盟

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