戦争推進に転落した共産党 天皇制への屈服きわまる 革命に反対し資本主義を擁護

週刊『前進』04頁(2817号04面01)(2017/02/06)


戦争推進に転落した共産党
 天皇制への屈服きわまる
 革命に反対し資本主義を擁護


 日本共産党は、1月15〜18日に第27回党大会を開いた。共産党大会史上初めて他党の代表を招待し、それを最大の成果として押し出した。共産党の提唱する「野党連合政権」なるものは、天皇制はもとより安保と自衛隊を認めた政権のことであり、資本家階級の政権である。すでに3年間の民主党政権で、その反労働者性も、その惨めな破産も証明されている。

韓国で始まった革命に恐怖し言及しない志位

 世界大恐慌の中で新自由主義は破産し、帝国主義は崩壊的危機を迎えている。一方で、韓国やアメリカでは革命が開始されている。こうした中で開催された共産党大会を見る上で何よりも重要なのは、資本主義体制が平和的に長続きするかのような幻想を振りまいていることだ。韓国の民主労総がゼネストに立ち上がり、それがパククネ打倒の全民衆的な決起に発展していることについて、共産党は今大会を通じて、大会決議でも、志位委員長の報告でも、一言も触れていない。
 これは労働運動の現場からの逃亡であり、共産党がいかに革命を恐れているかを自白するものだ。韓国の激動が日本に波及することをなんとしても阻止しようと考えているのだ。動労千葉労働運動が民主労総との結合を深め、昨年11月の国際共同行動をともに闘ったこと、それが革命の現実性を示していることに対する反革命そのものだ。

「急迫不正の主権侵害」時の自衛隊「活用」強調

 共産党は今回、野党共闘を推進するという形で安保・自衛隊と自衛戦争容認の立場をこれまで以上にはっきりさせた。「野党と市民の共闘に、日米安保条約や自衛隊についての独自の立場を持ち込まない」と言う。「独自の立場」とは、安保や自衛隊に反対するという建前のことである。
 だが共産党は本音では、自衛隊は必要だと考えている。「日本を取り巻く平和的環境が成熟し、国民の圧倒的多数が『もう自衛隊がなくても安心だ』という合意が成熟したところで初めて、(自衛隊解消に)着手する」(大会決議20章)というが、「平和的環境が成熟」しなければ、自衛隊は必要不可欠だということになる。自民党が「日本をめぐる安全保障環境が厳しさを増している」という言い方で安保や自衛隊の強化を合理化するのと、いったいどこが違うのか。
 共産党は「急迫不正の主権侵害や大規模災害など、必要に迫られた場合には、自衛隊を活用することも含めて、あらゆる手段を使って国民の命を守る」というが、「自衛隊を活用する」とは、武力行使=戦争をすることだ。これはすでに20世紀末に安保・自衛隊容認の態度を表明した際に打ち出したことだが、野党連合政府や野党共闘が問題になっている時にあらためて明らかにした点で非常に重要だ。
 「安保条約廃棄後」の自衛隊の「活用」としているが、現段階で共産党は「海外で戦争をする国」づくりに反対と言っているだけで、日本を守るための「自衛戦争」には賛成なのである。
 だが、自衛隊の存在こそがアジアに脅威を与えているのだ。資本家階級とその政府は自らの階級的利益を「国益」と称し、「自衛」の名で労働者人民を動員しようとする。労働者階級は、他国の労働者と殺し合わされることに絶対反対で立ち上がらねばならない。
 朝鮮半島の問題については、米帝をはじめとする帝国主義の側に立って「北朝鮮の核・ミサイル開発に国際社会がどう対応すべきか」を論じている。だが問題の中心は、米日帝と韓国が北朝鮮の体制転覆をめざして、日々すさまじい軍事重圧を加え軍事演習を展開していることにある。一昨年強行された安保・戦争法も、この朝鮮侵略戦争のためにこそつくられた。ところが共産党は、朝鮮半島での戦争は「リアリティーがない」と言って否定した。米日帝と韓国による朝鮮侵略戦争を止めるための闘いに、完全に敵対しているのだ。

退位「一代限りでない」と天皇制の永続求める

 共産党は天皇制についても決定的に転向した。今大会では天皇問題に関する言及は一切ないが、昨年1月から天皇が臨席する国会開会式への出席を開始し、昨年8月8日の天皇ビデオメッセージも完全に承認した。
 8・8天皇ビデオメッセージに対して、志位は記者会見で「率直なお気持ちをお述べになった。良く理解できる」と敬意と賛意を表し、「一代限りではない、きちんとしたルールを」と、特例法ではなく「皇室典範の改正」を主張した。これは末永く天皇制が続くことを望むという態度表明だ。綱領上の「将来は民主共和制」をかなたに追いやり「国民の合意」を盾に天皇制を全面的に認めて翼賛していくことを表明しているのだ。
 かつて治安維持法の血の弾圧と闘った先達の足跡を踏みにじり、天皇制の永続を正式に容認したのだ。これほどの裏切りはない。これも革命への恐怖と反動である。
 革命を求めて日本共産党に入党したすべての労働者・学生の皆さん。共産党は戦争翼賛勢力であり、革命を圧殺する反革命だ。共産党と決別し、革命の道を革共同とともに歩もう。
(高田隆志)
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