知る・考える 用語解説 「作戦計画5015」-戦争で北朝鮮政権転覆狙う

週刊『前進』02頁(2834号02面04)(2017/04/06)


知る・考える 用語解説
 「作戦計画5015」-戦争で北朝鮮政権転覆狙う


 「作戦計画5015」とは、米軍と韓国軍が共同で作成した北朝鮮への全面戦争計画である。2015年6月に米韓が秘密裏に合意・署名した。
 これまで米韓軍は、北朝鮮への戦争計画としては「作戦計画5027」をもっていた。これは米軍のベトナムからの敗退が濃厚となった1974年に、北朝鮮軍が南に侵攻した場合に備える米韓連合軍の極秘計画として作成されたもので、北朝鮮の核開発問題をめぐって一触即発の戦争危機に至った94年に、韓国国会でその存在が初めて明かされた。米国防総省は当時、「5027」を実行すれば、核兵器を使わなくても米軍5万2千人、韓国軍49万人、民間人100万人以上の死者が出ると予測した。
 これに対し「5015」は、これまで米韓軍が研究してきたあらゆる作戦計画を集大成し、「5027」型の全面戦争を従来よりもはるかに前倒しして発動するものとして作成された。それには、核兵器を含むあらゆる手段で北朝鮮を先制攻撃することや、特殊部隊を使ってキムジョンウンを暗殺する「斬首作戦」などが含まれる。この間の米韓合同軍事演習は、基本的にこの「5015」の発動を想定した内容で行われている。
 米トランプ政権の狙いは、北朝鮮の現政権を転覆する戦争を通じて、朝鮮半島全域を軍事力で制圧し、韓国で始まった民主労総を先頭とする革命を暴力的に鎮圧することにある。日米韓労働者の国際連帯でこの戦争を始まる前に止めよう。

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