団結ひろば 投稿コーナー

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週刊『前進』04頁(2843号04面04)(2017/05/15)


団結ひろば 投稿コーナー

第一交通武蔵野で解雇争議
 多摩連帯ユニオン 加納敏弘

 4月16日、東京のタクシー会社・第一交通武蔵野に対し、多摩連帯ユニオンは第一交通武蔵野分会長・Aさんの解雇撤回の社前闘争、デモと集会を行った。三多摩をはじめ、東京各地区の労働者約30人がかけつけ、勝利的に打ちぬいた。
 小泉政権の構造改革以来、規制緩和攻撃が集中的に襲いかかったタクシー業界では、新規参入が相次ぎ、営業成績の上がらないタクシー会社は大手のタクシー会社に買収される。第一交通武蔵野も、親会社である第一交通産業が一昨年の冬にユアーズというタクシー会社を買収してできた会社だ。
 買収の過程で起きた就業規則の改定にともなう労働条件の不利益変更に怒り、立ち上がったのがAさんだ。分会ニュースを自らつくってまき、資本との交渉にも立った。これに対して、第一交通産業資本は、組合つぶしのために雇い入れた暴力団関係者を使って暴行を働いたり、出庫妨害を行ったりした。
 Aさんはたび重なる資本の不当労働行為と闘い、昨秋に体調を崩し、休職を余儀なくされた。すると、会社は今年になって、「1月9日に休職期間が満了した」という通知をAさんに送ってきた。新就業規則によれば、「休職期間が満了し、なおかつ復職のメドがたたない者は、自然退職になる」という。すなわちAさんはたった2カ月の休職で解雇されたのだ。
 こんな不当な解雇は断じて認められない! 社前闘争では事務所のあるマンションの前に横断幕を広げ、道行く人に解雇の不当性を訴えた。デモは、周辺住民の注目を浴び、「闇(やみ)は光に勝てない! 真実を武器に闘うぞ!」のコールに手を振る人もいた。
 決起集会では、Aさんが「労働条件落ちた日本死ねという言葉があふれている。第一交通産業は、タクシー業界の森友学園だ。この闘いは安倍政権との直接対決だ」と訴え、万雷の拍手を受けた。
 全国労働組合交流センター・民間交通運輸部会の藤井高弘さんは、「第一交通はブラック企業の最たるものだ。安倍はタクシー業界を成長戦略に位置づけ、さらなる規制緩和として白タクの合法化に手をつけた。タクシー労働者にさらなる低賃金・長時間労働を強制するものだ」と弾劾した。
 タクシー労働者は、疲労と不安の中での乗務を強制される。Aさんは「労働者の権利がないところに安全はない」として闘った。今回の解雇はそれに対する報復にほかならない。多摩連帯ユニオンは、Aさんの怒りをわがものにし、解雇撤回の日までともに闘う。

物語の続きは私たちが編む
 東京 佐々木舜

 全世界で話題となっているケン・ローチ監督の新作「わたしはダニエル・ブレイク」を見た。強く感じたのは、本作を、多くの評者が言うように〝官僚的な社会の中で、苦しい中でも困っている人に手を差し伸べるダニエルを描いた、心温まる物語〟などと、きれいにまとめて片付けてはならないということだ。
 心臓を患って離職した大工のダニエルは審査の結果、病気手当の給付対象からはじかれる。職業安定所の職員が勧めたのは、求職者手当の申請。就労できない身でありながら「求職活動の証明」のために工場を回って履歴書を手渡す姿に、この社会の転倒が凝縮されている。
 職安の職員たちは、同じ人間でありながらまったく「人間」を感じさせない。人間としての体温を感じる登場人物は、職安で知り合ったシングルマザーのケイティとその子どもたち、そして隣に住む若者・マクシミリアンたちだけだ。
 「わたしはダニエル・ブレイク」という彼の叫びは、自らの存在が履歴書や保険証の番号におとしめられることへの強烈なアンチとして発せられた、人間としての証明だった。街頭での行動は人びとの共感を生み、拍手が巻き起こる。
 ところで----叫びたいのは、彼だけだろうか? ダニエルのような人びとを切り捨てることを仕事にさせられている職安の労働者たちも、抑圧され人間としての尊厳を奪われている存在ではないだろうか。
 ダニエルと職安の労働者たちの間に線を引いたのは誰か? この線を消し去り、すべてを奪い返すべき労働組合の旗はどこに? スクリーンには出てこない。物語の続きは私たちが編まなければいけないと感じつつ映画館を後にした。

星野解放へ首都圏統一街宣
 星野全国再審連絡会議 小林 寛



 4月30日、東京の阿佐ケ谷駅(写真上)と錦糸町駅(写真下)において、無実の政治犯である星野文昭さん解放に向けた首都圏統一街宣が行われました。
 星野再審連絡会議の共同代表の戸村裕実さんと狩野満男さんを先頭に30人を超える仲間が決起し、124筆の署名が集まりました。
 阿佐ケ谷駅には東京都議選(7月2日投開票)に立候補する北島邦彦さんが駆けつけ、「安倍・小池打倒の都議選と星野さん解放を一体で闘う」とアピールしました。
 駅前に私たちの訴えが響きわたり、おもしろいように署名が集まります。次々に討論の輪もできます。戦争と民営化、共謀罪・改憲に労働者民衆が怒っていることが実感できました。阿佐ケ谷駅では、はなまる資本が経営する都庁議事堂レストランで不当解雇された女性労働者がジャンベをたたき続けました。
 労働者民衆の怒りと星野さん解放が一つになる闘いとして、この日の闘いをやりぬきました。

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