狭山再審へ5・23集会

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週刊『前進』04頁(2847号04面01)(2017/05/29)


狭山再審へ5・23集会


 5月23日、無実の部落民・石川一雄さんが不当逮捕されて54年を迎えた。これを糾弾し、新証拠の下山鑑定を武器にして狭山第3次再審闘争に勝利しようと、各地で集会が開催された。東京、大阪、広島からの報告です。(編集局)

小池うち倒す宣言
 東京 狭山闘争復権へ

(写真 狭山新パンフを使って基調報告 【5月23日 東京・文京区】)

 東京の集会は5月23日夕方、全水道会館で開催された。主催は部落解放東日本共闘会議と全国水平同盟杉並支部で、95人が結集した。2時間半前には衆院本会議で共謀罪法案の採決が強行された。怒りと「闘いはこれから。絶対に阻止しよう」との決意が会場にみなぎり、集会が始まった。
 星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議の戸村裕実共同代表、東京西部ユニオンの北島邦彦副委員長が連帯のあいさつに立った。北島さんは、告示まで1カ月となった都議選決戦に勝利し、戦争と改憲に突っ込む安倍政権を倒して共謀罪を葬る決意を述べた。都庁レストランを解雇され闘いに立ち上がった女性労働者のメッセージは、都知事・小池を倒す路線を鮮明にさせ、都議選決戦本番での勢いに拍車をかけた。
 基調報告を全国水平同盟杉並支部の田中れい子支部長が行った。できたての水平同盟の狭山パンフレットを示しながら、確定判決を崩す新証拠・下山鑑定の意義と、それが証拠開示で実現したことを力説した。さらに、70年代には労働者階級が狭山闘争に総決起したこと、戦争と革命の時代にこの闘いを国鉄闘争を基軸によみがえらせて、石川さんの再審無罪へ闘おうと訴えた。
 権力犯罪への怒りが増す中で、関西合同労組への弾圧を粉砕するカンパが訴えられた。集会には埼玉「白タク」デッチあげ弾圧を粉砕した当該が全員参加。代表して婦民全国協埼玉支部の仲間が狭山現地調査の報告をした。全学連も裁判で公安警察打倒を闘っていると報告。共謀罪は粉砕できるとの確信が深まった。
 動労千葉の繁沢敬一副委員長、動労水戸の石井真一委員長、東京労組交流センター、婦民全国協、全学連の発言の後、全国水平同盟杉並支部の狩野正幸書記長が登壇した。団結破壊の究極の攻撃が共謀罪だと断じ、狭山闘争の原点に立って、非正規職撤廃を掲げて小池を倒そうと訴えた。
 解放共闘の岩本正治事務局長が行動方針を提起し、6・11国鉄集会の成功と都議選での必勝を誓った。

130人が植木団地に
 全関西 富寿栄までデモ

(写真 整備された会場にはのぼりが林立【21日 高槻市】)

 全関西狭山集会は5月21日、全国水平同盟を先頭に闘う労働組合など130人が集まり、新たな狭山闘争を切り開く集会として成功しました。会場の植木団地はきれいに整備され、星野絵画展や労組の企画するブースも。「植木団地を守れ!」ののぼりが林立する中で、5・10植木団地裁判の勝利に続き、圧倒的熱気の中で開催されました。
 全国水平同盟の高槻支部、崇仁・東三条支部、西郡支部をはじめ集会の参加者は口々に5月12日の関西合同労組阪神支部長ら3人の不当逮捕を弾劾しました。政治危機を深める安倍政権は、朝鮮戦争と改憲のため、共謀罪の先取りとして全国で弾圧を強行しました。しかし、そのことごとくが破産しています。弾圧が逆に国家権力の団結破壊への怒りを噴出させることは不可避です。「労働者の総決起で狭山闘争の爆発を! 国鉄決戦を軸に17―18年決戦を爆発させ、狭山闘争でゼネスト―革命を実現しよう!」という新たな狭山闘争路線の現実性をこの集会は示しました。
 関西労組交流センターから全国水平同盟に100万円のカンパが渡され、固く握手が交わされました。
 北摂地区では、水平同盟高槻支部・植木団地労働組合と高槻医療福祉労働組合、大阪北部ユニオンが地域での拠点建設をめざして狭山学習会を開催し、職場から狭山闘争に決起しようと訴えました。とくに、植木団地の組合員は富寿栄(ふすえ)団地(解放住宅)での狭山街頭宣伝に立ちました。部落解放同盟富田支部の裏切りをのりこえて絶対反対で闘う植木団地労働組合・水平同盟高槻支部だけが、狭山闘争を組織できることを訴えました。
 また、各労組は一体となって北摂全域を対象に宣伝活動を行いました。解放住宅や団地、駅頭やスーパーで宣伝活動を行い、狭山闘争をめぐる議論が始まりました。集会終了後、集会参加者は赤旗をひるがえし、圧倒的な注目の中で富寿栄団地に向けデモを行いました。
(北摂労組交流センター・上園耕作)

星野闘争と結合し
 広島 新パンフを活用

(写真 団結ガンバロー【21日 広島市】)

 広島集会は21日、部落解放広島共闘会議の主催で広島市西区福島町で開催され、40人が集まりました。
 集会に先立って同じ会場では5月19日から星野文昭絵画展が開催され、福島地区の住民をはじめ約100人が来場し、大きな反響がありました。権力犯罪によってともに獄にとらわれた石川一雄さんの再審無罪と星野解放を一体で実現する画期的な取り組みでした。
 石川一雄さんのメッセージが読み上げられ、連帯あいさつを広島星野文昭さんを救う会、婦民全国協を代表して安芸太田町会議員の大江厚子さんが行いました。
 広島連帯ユニオンの壹貫田康博書記長が基調を提起。はじめに共謀罪の衆院法務委員会での強行採決を弾劾し、「階級的団活の力、労働組合の闘いで粉砕しよう」と訴えました。そして、狭山闘争と星野闘争こそ「すべての労働者民衆を団結させる闘いであり、この闘いを戦争を止めてゼネストを切り開く闘いの一環として闘おう」と呼びかけました。
 その後、解放共闘事務局が全国水平同盟の狭山闘争の新パンフを使って下山鑑定について提起しました。
 共闘からのアピールとして、三菱広機分会、広島大部落解放研、動労西日本、広島東郵便局解放研、高陽第一診療所労組が発言に立ちました。
 広島県労組交流センター共同代表の植野定雄さんが「朝鮮戦争切迫情勢の中で星野と狭山を一体でかちとった」と集会の意義を確認。6・11国鉄闘争全国集会と東京都議選決戦へ総決起を訴え、団結ガンバローで締めくくりました。
(広島連帯ユニオン・宮原亮)

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