知る・考える 用語解説 フリーランス―団結破壊と究極の非正規職化

週刊『前進』02頁(2918号02面05)(2018/02/22)


知る・考える 用語解説
 フリーランス―団結破壊と究極の非正規職化


 フリーランスとは、企業に雇用されず、仕事ごとに請負契約を結ぶ働き方。個人事業主とも呼ばれる。
 「会社勤めではなく、時間や場所、仕事も自由」などと聞こえの良い文句で宣伝されるが実態はまったく違う。
 資本は仕事を依頼した相手と雇用契約にないため、労働基準法や労働組合法などの制約を一切受けない。フリーランスの労働者は長時間・低賃金の労働となることが不可避だ。また、労働者の持つ団結権や団体交渉権、スト権、失業手当や労災補償もない。
 全国にフリーランスの労働者は兼業・副業を含めると1千万人以上いる。その中で大手仲介業者クラウドワークスに登録する会員79万5千人のうち、月収20万円以上はたった111人だ。
 従来は高度な専門業種がほとんどだったが、安倍政権は「働き方改革」の中で雇用によらない「多様な就業形態の普及」と称して、あらゆる業種に拡大しようとしている。
 労働者を総非正規職化しようとする攻撃の一つで、2018年3月末から始まる有期雇用労働者の大量雇い止めと一体で、労働者の人生と生活を破壊する。終身雇用や年功序列賃金などの、日本型の雇用形態を根底的に解体する。
 フリーランスとは、資本にとっての「フリー」(制限なし)であり、労働者にとっては権利剥奪(はくだつ)だ。究極の非正規職化であり、ほかの労働者と同じく団結して闘うことでのみ自分たちの権利をかちとれる。
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