自衛隊の中東派兵阻止を戦争国家化狙う安倍

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週刊『前進』04頁(3062号03面02)(2019/08/26)


自衛隊の中東派兵阻止を
戦争国家化狙う安倍

独自派兵念頭に動き出した官邸

 中東ホルムズ海峡とその周辺をめぐり、米トランプ政権は「航行の安全を保障するため」ということを口実に有志連合を結成し、イラン侵略戦争―中東核戦争へ踏み込もうとしている。
 安倍政権はこれまでトランプに有志連合への参加を呼びかけられていたが、自衛隊の独自派兵を検討していることが新聞各紙で報道されている。
 日帝・安倍政権は激動する中東情勢にしがみつき、自衛隊を海外派兵する既成事実をつくり、改憲―「戦争のできる国づくり」へ突進している。
 安倍政権は15日の閣議で、自衛隊を派兵したときの護衛対象について「日本籍船」「日本人が乗船する外国籍船」に加え、「日本の船舶運行業者が運行する外国籍船または日本の積み荷を輸送する外国籍船で日本国民の安定的な経済活動に重要な船舶」とする答弁書を閣議決定した。
 現在、海賊対処法で海自護衛艦1隻とP3C哨戒機2機をソマリア沖のアデン湾に派遣中だ。これらの部隊か、新たな閣議決定で別の部隊を派遣し、情報収集や警戒監視などを行うことが想定されている。
 日帝は中東に石油の9割を依存し、1日2隻のタンカーがホルムズ海峡を通って日本に運行されているといわれている。トランプがイランへの経済制裁として、石油取引を各国に制限させたときも、例外として貿易を続けてきた。
 日帝は争闘戦から脱落する危機的な位置にありながら、イランがアメリカの無人機を撃墜するなど、すでに軍事的に衝突している中で、直接にトランプの側につくこともできない。それでも「自国の利益を守るため」という口実で、資源確保のために自衛隊を戦場に連れ出し、それと一体で今秋の改憲へ突進している。

大国同士が激突世界戦争の危機

 米トランプ政権は有志連合結成が遅々として進まない中で、名称を「海上安全保障イニシアチブ」に変更した。現在、参加を表明しているのはイギリスとバーレーン、オーストラリアだけだ。イギリスは2隻の軍艦をペルシャ湾へ送っており、バーレーンには米中央軍司令部とイギリス海軍基地が置かれている。
 そうした中、他の諸大国も動いている。ロシアは独自のペルシャ湾周辺の安全保障構想を公表した。それには「湾内の常備軍は沿岸国のみとする」とあり、イラン軍の配備を擁護することで、ペルシャ湾の沿岸国に軍を駐留させているアメリカやイギリスに対抗することを狙っている。また、中国はロシアを支持、ドイツとフランスは有志連合不参加を表明している。
 イラン侵略戦争はヨーロッパやロシア、中国を巻き込んだ世界核戦争に直結する。絶対に阻止しよう。

イラン労働者と連帯し安倍倒せ

 戦争切迫情勢が進行する中で、イラン国内では貿易制限で政府の財政苦境が進んでいる。そのため、一部の政府系企業で労働者への賃金未払いが発生している。南部では国有鉄道の保守・修繕の労働者が7月末から8月3日まで「座り込み」をしたと報じられた。戦争切迫下でも労働者が闘いに立ち上がっている。
 権力者たちの戦争で、労働者人民が殺し合わされることなど許されない。イランの労働者と連帯し、安倍の改憲への突進を阻止しよう。自衛隊派兵を許さず、改憲・戦争阻止!大行進運動の拡大をかちとろう。
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