横浜市はカジノ誘致やめよ 推進に転換した林市長に抗議 生活破壊・地域破壊の大暴挙

週刊『前進』02頁(3069号02面04)(2019/09/19)


横浜市はカジノ誘致やめよ
 推進に転換した林市長に抗議
 生活破壊・地域破壊の大暴挙




 横浜市は来年度の中学校の歴史教科書に育鵬社版を継続採択するなど、横浜市議出身の菅義偉官房長官を水路に、安倍政権の影響を強く受けた行政運営をしている。
 2016年のIR推進法の成立を受けて、林文子横浜市長は8月22日、17年の市長選の公約では「白紙」としていたカジノを含むIR(統合型リゾート施設)を山下埠頭(ふとう)に誘致する方針に急転換した。方針表明の当日には、市庁舎に多くの人々が抗議に押し寄せた(写真)。翌日、小池百合子東京都知事はカジノ誘致を継続して検討すると表明した。横浜市の誘致表明に対し、東京都が競争相手となる可能性が残されているからだ。横浜市のカジノ誘致に対し、予定地の地権者たちが抗議の声を上げ、市長リコール運動が開始されるなど、強固な反対運動が発展するのは確実だ。カジノ誘致をめぐり林市長、背後の安倍政権との激突が始まった。
 新自由主義は「カジノ資本主義」と称される。ついにその典型たるIR=カジノ誘致が本格的に始まった。私たちは断固反対だ。
 推進派は、「外国観光客誘致」「地域経済の活性化」「ギャンブル依存症対策は可能」などとメリットだけを宣伝し、カジノがもたらす現実を隠そうと詐欺まがいのキャンペーンを展開している。

依存症つくり出し心身の健康を奪う

 ギャンブル依存症は、もうけの快感と負けの喪失感の繰り返しによって、ドーパミン分泌が増大し、行為を継続させるノルエピネフリン分泌を促進するという、脳の神経伝達物質の分泌構造が変化して起こる病気だ。
 最大の問題は、顧客の快感と喪失感を利用し、24時間営業で延々とギャンブルを続けさせ、回数が増えれば増えるほど胴元は平均5・4㌫分の収益が出る「大数の法則」に支配されたシステムだ。ギャンブルは賭けを通じた資金移動でしかなく、新たな産出物をもたらさない投機だ。
 資金の移動元は労働者であり、移動先は大手の国際カジノ資本だ。これは、労働者の生活財政の破綻、心身の健康の喪失、家族関係の崩壊、失業を作り出し、労働者の生活を犠牲にしてカジノ資本がぼろもうけするという、これ以上ない新自由主義の構造を持つ。

IR内の諸施設で顧客を「囲い込み」

 カジノで上げた収益の3割を使ってIR内のホテル、レストラン、劇場・ショーなどのエンターテインメントのサービスを提供することで、IR施設が顧客を囲い込む。人口4万人の街、米アトランティックシティーでは3千万人の顧客を呼び込んでも周辺地域のホテルや200軒のレストランがつぶれた。推進派が誘致宣伝に使っている「地域経済の活性化」は全く逆だ。「地域経済を破綻させるいい方法」はカジノ建設だ。

カジノ資本主義を進める安倍打倒へ

 現状では、全世界でカジノ市場は飽和している。規模の差はあれ、香港、マカオ、シンガポール、フィリピン、カンボジア、ベトナムなどで利用できる。
 しかし、リーマンショック以降、ラスベガスでさえ赤字に転落しカジノ市場は縮小し、アジア圏での過当競争の中で、外国人、特に中国人ギャンブラーを呼び込める保証は低い。当然ターゲットは日本の労働者となり、貧困と格差を拡大する以外の未来はない。これが地方自治体のやることか!
 広範な反対派とともに闘いを作ることは、「カジノ資本主義」による貧困と非正規化、地域破壊との闘い、改憲・戦争阻止決戦を分厚くしていく。こうした力が、安倍政権を打倒する力になる。安倍打倒の絶好のチャンスがめぐってきた。
(横浜市在住・A)

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