10・13三里塚集会に結集を 青年・学生は先頭で立ち上がろう

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週刊『前進』04頁(3072号03面01)(2019/09/30)


10・13三里塚集会に結集を
 青年・学生は先頭で立ち上がろう


 三里塚芝山連合空港反対同盟が呼びかける10・13全国総決起集会に集まろう。労農学人民の力で、天神峰・市東孝雄さんの農地を守り、安倍政権打倒の火の手を三里塚から上げよう。とりわけ社会に矛盾を感じ、職場やキャンパスから立ち上がろうとする青年・学生のみなさんに、三里塚への決起を熱烈に訴えます。

国家と実力で対決し53年

 「成田空港反対運動ってまだやってたの? でも、もう飛行機が飛んでるし」と思う人も少なくないと思います。だが、空港の現実を一歩踏み込んでよく見てほしい。空港敷地内には多くの「未買収地」、つまり家・畑・林・墓地などが存在し、農業が営まれています。誘導路はそれらを避けて不自然に曲がりくねり、飛行機は長い走行を強いられて安全にも支障をきたし、危険な欠陥空港の姿をさらしています。
 もともと豊かな農村だったこの地に、無理やり巨大空港を建設することを政府が一方的に閣議決定し、それに怒った地元農民が反対同盟をつくって国家権力に実力で立ち向かいました。その時から53年、全国の闘う労働者・農民・学生が熱烈にこれと連帯・共闘し、そして今も空港の大拡張に反対して地元農民が代を継いで闘っているのが三里塚闘争です。
 「有事」の際、この空港は間違いなく軍事空港として、米軍や自衛隊の出撃拠点として利用されます。三里塚闘争は沖縄の反基地の闘いと並び、国家権力の戦争政策と真っ向から対決する反戦闘争です。
 安倍政権は秋の臨時国会に向け、内閣改造で「改憲シフト」を敷きました。全国の反戦・反基地闘争と連帯し、戦争・改憲を阻止しよう。

市東さんの不動の決意は「農地死守」

 9月24日、東京高等裁判所第4民事部で市東孝雄さんの請求異議裁判控訴審が始まりました(記事別掲)。周囲を空港施設に包囲された成田市天神峰の地で、市東さんは祖父の代から受け継いだ農業を続けています。完全無農薬で育てた有機野菜を年間50種類も栽培し、消費者の食卓に送り届けています。
 このかけがえのない農地を奪うために、NAA(成田空港会社)は、あらゆる卑劣な違法・脱法の手練手管を使って市東さんを農地明け渡しの民事裁判にかけ、その「確定判決」を盾に強制執行をやろうとしているのです。
 国やNAAのような国策会社ににらまれたら、屈服し従うしかないのか。「闘っても無駄だ。あきらめろ」というイデオロギーは、マスコミを通して常に日常生活に振りまかれています。だが絶対にそんなことはない!
 市東さんは裁判の意見陳述で意気軒高とかつ堂々と、理不尽な土地明け渡し要求や強制執行の脅しにひるむことなく農業を続けていく決意を語りました。自分一人の力だけではなく、全国の労働者・農民・学生が連帯し、この攻撃を打ち砕くことに確信を持っているからです。

空港は地域破壊の元凶だ

 今、NAAは現状に飽き足らず、新たに3500㍍の巨大滑走路を建設し、敷地を2倍に拡大するという途方もない計画を実行に移そうとしています。またしても住民を追い出し、家屋・農地・森林・水脈・地形などを大規模に破壊しようというのです。しかも飛行機の発着時間の深夜制限を取り払い、周辺地域を騒音地獄にたたき込もうとしています。
 「空港は必要だ」と国や資本家は強弁しますが、私たちは「こんな空港は要らない」とはっきり言わなければなりません。
 2020年東京オリンピックを前に、空港(大資本)の繁栄と利益が優先され、人びとの生活が犠牲にされようとしています。全国で同じように地方破壊の攻撃がかけられています。
 先日の台風15号被害の実態は、その如実な現れです。東電が設備投資を怠った結果、送電鉄塔や電柱が軒並み倒壊し、回復が困難な大停電を広範囲にもたらしました。先端技術と情報が集積した空港にだけは電気が優先的に確保されたものの、到着便から降りてきた人々が交通手段を奪われて行き場を失い、食糧も尽きた中で1万人が空港の固い床などで一夜を明かす大パニックが生じました。
 かたや周辺地域では、いつ回復するかわからない大停電の不安と恐怖が住民を襲い続けました。人びとは猛暑の中でエアコンも使えず窓を開け、容赦なく降り注ぐ騒音に耐えるしかありませんでした。
 千葉県全域を襲ったこの重大災害を一顧だにせず、安倍首相は改憲をめざす改造内閣のお披露目にうつつを抜かしていました。
 「空港との共生・共栄」という推進派の主張がまったく誤りであり、空港が地域を破壊していることがはっきりしました。この上、生活を二重三重に踏みにじって空港をさらに拡大するなど、絶対に認めない。いや、今こそ廃港に追い込まなければなりません。

分断と排外主義うち砕け

 安倍政権は今、未曽有の危機にあります。この危機を乗り切るため、「悪いのは韓国だ」などという排外主義キャンペーンに血眼になり、私たちの怒りをそらし、打ち消そうとしています。
 三里塚反対同盟は、動労千葉を介して韓国の闘う労働組合である民主労総ソウル地域本部と交流を重ねてきました。国籍や民族が異なっても闘う者の気概は同じであり、全世界の労働者農民は一つに結集できることを身をもって示してきました。
 今、全日本建設運輸連帯労組関西地区生コン支部や京都大学の学生にかけられている弾圧も、人びとの生活と闘いを分断し、鎮圧しようとする権力の攻撃です。だからこそ、この攻撃を打ち破り、自分の職場・学園から声を上げようとする人にとって、三里塚は巨大なエネルギーの供給源です。
 この社会を根本から変えるために、隣の仲間に声をかけて10・13三里塚全国総決起集会に結集し、ともに闘おう。
(芹沢歩)
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