首都戒厳態勢を打ち破ろう

週刊『前進』02頁(3077号02面02)(2019/10/17)


首都戒厳態勢を打ち破ろう


 国家権力は天皇儀式で戒厳態勢を敷き、我が物顔で労働者人民の生活と権利を踏みにじって「祝意」を強制しようとしている。
■交通規制し検問・検査
 警視庁は、警視総監をトップとする「最高警備本部」を20年ぶりに設置し、全国の警察から集めた「特別派遣部隊」を編成。ドローン専門部隊や銃器部隊を増強し、最大の態勢で臨むという。
 特に、10月20〜25日は、首都高速道路、都心、羽田空港、成田空港で大々的な交通規制を行う。22、23日はパレードコースである皇居―赤坂御所周辺で規制をさらに強化し、地下鉄の駅出口も封鎖。住民には屋上やベランダからののぞき込みや写真撮影、ベランダに落下物を置くことさえも禁止し、群衆には手荷物検査を徹底する。すでに都内各地で車両検問が実施され、22日当日は数百カ所に検問所が設けられる予定だ。
 また警察庁は、「テロ対策」と称して各企業、学校などに「自主警備体制の強化」を要請した。
 羽田、成田両空港では190以上の国や機関の要人乗り入れのため、一部の便で欠航が生じる。
 「国体護持のためならなんでも許される」とばかりに国家暴力と強権を発動し、ものも言わせぬ体制を敷こうとしているのだ。しかも、一連の儀式のために約166億円(うち警備対策費用が約38億円!)もの血税が浪費される。
■国民的祝賀キャンペーン
 他方、天皇即位を祝う「国民祭典」が11月9日、天皇出席のもと皇居前で約6万人を動員して行われる。主催は日本会議、奉祝国会議員連盟、日本経済団体連合会、日本商工会議所など極右と資本家階級が結託した「奉祝委員会」。人気アイドルグループ「嵐」が「奉祝曲」を歌うなど、各界総出で国民的祝賀ムードを演出しようというのだ。主催者には連合会長・神津里季生(こうづりきお)や京大総長・山極壽一も名を連ねる。治安弾圧と一体で「階級融和」をつくり出し、改憲に突き進む攻撃だ。
■学校の動員を許さない
 文科省は学校での「国旗掲揚」や「国民こぞって祝意を表する意義について、児童生徒に理解させるようにすること」を各教育委員会に通知している。侵略の歴史を居直り「祝意」を強制することは新たな戦争動員を狙うものだ。
 労働者の団結した闘いで戒厳態勢と大祝賀運動を打ち破ろう。

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