香港 「労組結成とスト」求める声 6カ月の闘いが新段階に

週刊『前進』04頁(3096号02面03)(2019/12/23)


香港
 「労組結成とスト」求める声
 6カ月の闘いが新段階に

(写真 今年6月12日に警察が初めてデモ隊に催涙弾を乱射してから6カ月の弾劾集会【12月12日 香港】)

(写真 商業ビルで、従業員に「労働組合に入ってストライキを!」と宣伝するデモ隊【12月15日】)


 12月8日の80万人集会は、6月9日から始まった「逃亡犯条例」改悪反対の闘いの6カ月の節目だった。6千人を超える逮捕者を出しながら続いてきた不屈の闘争は、香港の闘いを新たな段階に押し上げている。
 すでに12月2日に広告労働者が集会を開催して労組設立とストライキを呼び掛けているが、11日には医療連盟労働組合が集会を開催し、労働組合設立の共同行動を呼びかけた。香港デモの中で、この運動を支え発展させていくために、ストライキと労働組合の設立が力強く広がっている。
 13日に香港政府は「2018年香港貧困状況報告」という報告書を発表した。18年当時の香港の人口は約745万5千人だが、この中の140万6千人が貧困層であり、前年より20・4%も増大して5人に1人が貧困ライン以下の生活を送っていることが明らかになった。地域によっては4人に1人のところもある。青年の貧困率も3年連続して上昇している。そして香港では非正規労働が一般的で、ベッドだけを借りて生活している労働者も多い。貧困への怒り、青年の怒り、非正規労働者の怒りが、デモの戦闘性と不屈性の背景にある。こうした労働者が団結し、組合をつくり、闘いを支えている。
 6千人を超える逮捕者には教師が70人以上いることが、13日に明らかになった。中国共産党の機関紙「人民日報」は「香港の恥」「だから学生は暴徒になり......いくつかの学園は『戦場』となり、兵隊工場、暴徒訓練所となった」と非難しているが、教育労働者が学生とともに立ち上がっていることに中国政府は驚愕(きょうがく)している。
 こうした労働者の闘いを軸にしつつ、連日の行動が闘われている。12月10日の国際人権デーには人権デー集会がかちとられた。警察が初めて労働者・学生に催涙弾を乱射した6月12日から半年を記念して、12日には集会が行われ、昼には街頭で機動隊とも激突した。13日には、中学生が集会を開催して負傷した学生に声援を送った。
 14日からは、現区議会議員と新区議会議員が共同で呼びかけて「あなたと一緒に手紙を書く」運動が開始され、獄中にいる被逮捕者にクリスマスカードを送る活動が始まった。
 香港政府は、次々と弾圧を繰り出している。香港警察は13日、親中派とデモ隊の激突の中で清掃員の男性が死亡した事件(11月13日)に関連し、15〜18歳の男女5人を殺人容疑などで拘束した。同日、香港の裁判所は、デモの際に中国国旗を燃やした13歳の少女に対し国旗侮辱罪で1年間の保護観察処分とした。翌14日には、屯門で爆弾を実験したとの容疑で3人の男性を逮捕している。一方で中国の習近平主席は、香港情勢への対応について、大学の研究者などに提言を要請し、急がせるという異例の対応を取り、追いつめられて打つ手を失った中国スターリン主義の姿をさらけだしている。
 15日には香港各地で「あなたと一緒にクリスマスショップ」行動が商業地域で行われ、デモ隊は警察と対決しつつ、中国系商店の従業員に「労働組合に入ってストライキを!」と訴えた。さらに社会福祉労働者の集会が愛丁堡(エディンバラ)広場で開催され、17〜19日までの一斉ストライキが訴えられた。
 香港の闘いは、労働運動の発展と一体で永続的発展的に闘われている。連帯し、勝利しよう!

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