3・8国際婦人デー行動へ 差別・抑圧からの解放をかけ女性が改憲・戦争阻む先頭に

発行日:

週刊『前進』04頁(3108号04面01)(2020/02/17)


3・8国際婦人デー行動へ
 差別・抑圧からの解放をかけ女性が改憲・戦争阻む先頭に

(写真 昨年3月3日の杉並での国際婦人デー東京行動)

(写真 1917年ロシア2月革命での首都労働者の3・8デモ)


 世界大恐慌の新たな爆発と世界戦争・核戦争の危機が迫っています。腐敗し死滅しようとする帝国主義が生き延びるためには戦争によるしか道がないなら、私たち労働者階級は彼らに引導を渡すだけです。1914〜18年の第1次世界大戦のさなか、1917年ロシアでの3・8国際婦人デーの闘いは、 工場のゼネストから街頭デモへ巨万の労働者を組織しながら進撃し、兵士を獲得し、ついに帝政を打倒して戦争を終わらせました。今こそ〝革命の日=3・8〟をよみがえらせる時! 改憲・戦争攻撃が貫かれる職場から労働運動を再構築しよう。新自由主義によってズタズタに引き裂かれた団結の力を拠点建設で取り戻そう! 女性差別・抑圧、労働者階級への分断支配の元凶である資本主義社会を今こそひっくり返し、労働者・民衆が人間らしく生きられる新しい社会をつくろう!

世界を覆う貧困と生活苦、今闘わなければ未来ない

 香港で立ち上がった女子中学生は、「活動することで将来に不安はないのか」という日本のマスコミのインタビューに対して、「今闘わなければ未来なんて来ない」と答えています。
 日本でも生活が成り立たない低賃金、先の見えない貧困、評価と分断、保育・介護・医療など命にかかわること全てが金次第。自殺者は毎年2万人超。深夜・過重労働で心も体も家庭も崩壊。
 1985年の男女雇用機会均等法制定から35年、生産年齢人口(15歳〜64歳)の女性の就業率は2019年平均で過去最高の70・9%です。非正規職労働者は労働者全体の約4割に達し、その7割が女性です。奨学金を返済するために性風俗でバイトをする女子学生、DV(配偶者などからの暴力)にあっても貧困で離婚さえできない現実、学校給食だけが栄養源の子どもたち。何が「好景気」か!
 安倍が掲げる「全世代型社会保障」は、社会保障の国家責任を放棄し、すべての世代・階層などを「自己責任」論で死ぬまで働く奴隷労働においやるものです。日本の労働者民衆も、今闘わなければ未来はない!と立ち上がり始めている!

均等法の制定が搾取を野放しに

 「多様な働き方」と称する非正規職化は、1987年の国鉄分割・民営化による労組破壊から始まりました。この時一体で導入されたのが、男女雇用機会均等法と労働者派遣法です。
 戦後革命期、生理休暇取得闘争は労働組合婦人部が職場支配権を握る闘いでした。GHQ(連合国軍総司令部)は、日本の敗戦直後の1945年10月に発した「民主化の5大改革指令」の筆頭に掲げた「婦人解放」を早々と引き降ろし、婦人部弾圧に乗り出します。それほど労組婦人部の存在を恐れていたのです。それ以後も、労働現場で分断による、賃金・昇進・昇格などでの差別や、非正規化、解雇、セクハラ・マタハラ・パワハラなどの横行に対して、女性労働者は闘いつづけてきました。
 そういう女性たちの思いをからめとっていったものが男女雇用機会均等法です。均等法の成立に伴い、「保護は自立を妨げる」「平等が欲しければ男並みに働け」として労働基準法の女子保護規定(時間外・休日労働の制限、深夜労働や危険有害業務の禁止)が次々と奪われてきました。
 それ以後、女性だけではなく全ての労働者が24時間365日無制限に働くことを強制されるようになりました。均等法攻撃は、労働者階級を「工場法以前」(日本では1916年施行の工場法でようやく児童・女子の深夜業・夜間業務が制限)の状態にたたき込む決定打だったのです。
 均等法攻撃に対して、自治労を先頭に労組や女性団体は率先して推進にまわりました。婦人民主クラブ全国協議会や全国労組交流センター女性部は、「男女平等」幻想に惑わされてはならない、均等法を絶対許すなと闘いました。
 三里塚闘争、国鉄闘争を裏切り、均等法を推進する当時の婦民本部派(現在の「ふぇみん」)は、絶対反対で闘う支部と会員を大量に処分してきました。闘う仲間は本部派とたもとを分かち、全国協議会を立ち上げて分離独立を勝ち取ったのです。
 その後、法的保護を奪われた中でも、女性労働者たちの闘いは今に至るまで営々と続いています。

性的抑圧は労働者階級の団結破壊し支配する武器

 男女平等幻想や均等法の破産は、伊藤詩織さんのセクハラ裁判や女性たちの#MeToo(ミートゥー)運動への決起で示されています。女性が職場で生きようとすれば、あるいは当たり前に声をあげれば、性的侮辱や陵辱、不利益を強制される。その本質は労働者階級への分断攻撃です。敵は男性ではなく、労働者階級を分断支配する資本とその政府です。
 新自由主義―均等法攻撃のもとでは、女性差別はあたかもないかのごとく覆い隠され、常に個人の問題にすり替えられます。性的暴行が行われても「合意」があったと被害者側の責任にするのです。
 戦場で必ず女性への性的暴行が行われるのは、地域共同体の要である女性たちを陵辱することで団結を破壊することを目的とする「兵器」だと、コンゴの産婦人科医のデニス・ムクウェゲ医師は言っています。日本軍軍隊慰安婦制度も、日本が侵略し支配した朝鮮・中国・アジア人民の民族性や誇りを奪い、団結を破壊することが最大の目的でした。
 ブルジョア社会においては労働者を支配するための武器として性的抑圧が行われるのです。支配関係の中で拒否できない状態を強制しています。このブルジョア的支配関係を転覆しない限り、解決の道はありません。

女性解放闘争の再構築の始まり

 革共同は第26回全国委員会総会において、党の最高指導部である政治局が関与した重大な女性差別事件と、その開き直り、隠ぺいを許した党中央における思想的腐敗という、重大な指導上の誤りを明らかにしました。
 この事態に即時に向き合い、正すことができなかった党の現実を見すえ、女性解放組織委員会は根底的とらえ返しと再出発への討議を開始しました。
 私たちは女性差別問題を個人の「不倫」問題などにすりかえて、トカゲのシッポ切りで済ます腐敗したブルジョア政党ではありません。なぜこのような思想的後退、裏切りと腐敗がまかり通ってしまったのか? 26全総は、この問題によって突き出された党の組織問題、思想・路線問題を切開し、全党が労働者指導部建設と地区党建設を提起した3全総(革共同第3回全国委員会総会)の原点に立ち戻って乗り越えていく闘いの出発点となりました。
 革命の時代だからこそ、客体の危機と主体の危機は無縁ではありません。人間の全的解放を目指す共産主義者の党の内部でさえ、性的抑圧や差別から自由ではありませんでした。
 中央と細胞の生き生きした一体的関係があり、すべての問題を論議できる地区党であるならば、差別事件に気付き、団結を基軸に解決しようとします。労働運動の中でも、起こった差別事件に対して労働運動指導部は、組合の団結を形成・強化すべく闘うものです。
 問われているのは、結局は地区党建設なのです。

ロシア革命の歴史継承し、共に新たな社会つくろう

 現在、女性解放闘争を正面からとらえるのではなく、ジェンダーフリー問題やLGBT(性的少数者)問題とリンクして「社会的性差」一般に解消してしまう意見があります。しかし女性は「産む性」として存在しています。女性が圧倒的に非正規職に追いやられているのは結婚・出産・育児のためです。非正規の安価な使い捨て労働力として資本家は女性を労働市場に動員します。そして女性労働者の非正規労働への動員を階級全体を非正規職化するテコにしているのです。
 しかし、日本のブルジョアジーの資本蓄積の礎とされた女性労働者こそが、最も劣悪な奴隷状態から最も不屈にストライキ・籠城(ろうじょう)闘争を闘ってきたのです。LGBTの人々もイギリスの1980年代の炭鉱ストライキを真っ先に支援したように、ともに連帯して抑圧と闘う存在です。
 資本主義を打倒し、新しい社会を建設する主体・労働者階級とともに新しい社会をつくりましょう。ロシア革命を切り開いた女性労働者の闘いを今こそよみがえらせる時です!

職場と地域を一つに結び闘おう

 安倍政権は戦争・改憲のため、「働き方改革」を掲げて総非正規職化と労組絶滅攻撃に一切をかけています。職場で強労働・分断に苦しむ仲間に、その元凶こそ改憲・戦争攻撃だとはっきりさせましょう。JR東日本を先頭とする「労組なき会社」化攻撃や、戦後最大の労組弾圧である全日建連帯労組関西地区生コン支部への弾圧がかけられていますが、各地に支援する会が続々と結成され、反撃が全国に広がっています。
 奈良市の清掃非正規職労働者への解雇の「武器」としてセクハラ攻撃が使われましたが、勇気ある決起ではねのけ、団結の拡大につながっています。過労死家族の怒りとの結合や、中東に派兵される自衛官・家族との生きた交流が始まっています。保育所・学校をなくすな!の闘いが地域全体の戦争反対の闘いへと広がっています。生活も命までも奪うのか! 労働者階級の怒りはもう収まらない! 闘う労組を拠点にさらに怒りを爆発させましょう。
 その先頭に女性労働者が立つ! 安倍に対する福島、沖縄の怒り、女性の非和解的怒り! この怒りを2020年3・8国際婦人デー行動へ圧倒的に組織しよう! その力で改憲・戦争をぶっとばそう!
〔革共同女性解放組織委員会〕

------------------------------------------------------------
3・8国際婦人デー行動
東京 3月8日(日)午後1時30分 集会 としま区民センター7階/集会後デモ/主催 実行委員会
宮城 3月8日(日)午前11時〜12時 リレートーク 仙台市青葉区広瀬通一番町フォーラス前/午後1時30分〜4時 集会 市民活動サポートセンター/主催 実行委員会
大阪 3月8日(日)午後1時30分 集会 大阪市中央区エルおおさか606号室/集会後デモ/主催 婦民全国協関西ブロック・関西労組交流センター女性部
広島 3月8日(日)午後1時 集会 広島市中区幟会館/3時30分 デモ/主催 実行委員会
福岡 3月7日(土)午後1時 集会 福岡市中央市民センター第2会議室/主催 実行委員会
北海道 3月15日(日)札幌市東区民センター

このエントリーをはてなブックマークに追加