奈良 市役所前で50人座り込み 臨時職員30人の解雇許さぬ

週刊『前進』02頁(3119号02面02)(2020/03/26)


奈良 市役所前で50人座り込み
 臨時職員30人の解雇許さぬ

(写真 意気高く闘われた市役所前での座り込み【3月16日 奈良市】)

 奈良市従業員労組の攻防が決定的になっています! 3月16日、奈良市役所前で約50人もの座り込みが行われました! 2月28日、教育委員会が突如として奈良市内の小中学校業務員の全臨時職員30人を3月末で解雇すると通告してきたのです! 組合始まって以来の大事件です。
 奈良市従の仲間を先頭に、日教組奈良市、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部、近畿地区トラック支部、奈良地域や関西の仲間が駆けつけました。
 コロナ戒厳令情勢の中、シュプレヒコールが響き渡り、奈良市当局に衝撃を与えました。何より、解雇通告当該が誇り高く怒りをもって闘う姿に、参加者はみんな感動しました。
 「会計年度任用職員制度は大量の非正規解雇だ」とずっと訴えてきましたが、やはり本当だったのです!
 2月21日の団交で教育委員会は、「臨時職員は、会計年度として任用するために履歴書を出してほしい」と説明していました。それなのに直後、一本のメールで解雇通告をしてきたのです。団交直後に「トップダウン」の指示があったことは明らかです。このように「解雇して労働組合をつぶす」というやり方は改憲・戦争攻撃そのものです。
 この攻撃の本質は「民間委託による非正規解雇と正規の職種変更」です。そのさきがけの闘いとして奈良市下水道の民営化反対の闘いがありました。当時の闘いが、現業全体の攻防になっているのです。
 さらに、会計年度任用職員制度とのさきがけの攻防として、清掃非正規解雇撤回闘争があります。2017年6月末、評価制度を使った非正規の仲間への解雇攻撃が起きました。
 それに対して19年12月、奈良地裁の決定的な勝利判決が出ました。解雇撤回はされませんでしたが、セクハラ・パワハラの一部が認められ、奈良市に対して100万円の損害賠償命令が出されたのです。
 重要なのは、職場での正規と非正規の分断支配にセクハラ(女性差別)が横行していたことです。当該のAさんがあらゆる妨害をはねのけ、毅然(きぜん)と闘い続けてもぎりとった損害賠償命令です。
 しかし、奈良市長は今年1月、奈良地裁判決を不服として大阪高裁に控訴しました。市長みずからセクハラ・パワハラを開き直るなど許されないことです!
 さらに、あろうことか、奈良市従本部はAさんの勝利判決をなきものにするために、市長と一緒に裁判に参加することを決定。組合費から30万円を支出して、自治労顧問弁護士をたてて補助参加をしました。労働組合が解雇や差別や戦争の手先になったことを内外に明らかにしたのです。あいまいにするわけにはいきません。
 この闘いは、婦人民主クラブ全国協議会・関西ブロックと共に、全国的に広がろうとしています。
 下水道民営化反対の闘いから始まった絶対反対の闘いは、清掃非正規解雇撤回闘争へと発展し、ついに30人の非正規解雇を迎え撃つ団結を生み出しました。この闘いは自治労全体を闘う組合につくり変えていく決定的な位置があります! みなさん、ともに闘っていきましょう!
(奈良 B)
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