韓国 看護労働尊重する社会を 保健医療労組が記者会見

週刊『前進』04頁(3134号03面03)(2020/05/25)


韓国
 看護労働尊重する社会を
 保健医療労組が記者会見

(写真 「不規則な交代勤務の改善を 看護師に休息を」と書いた横断幕を手にする保健医療労組の組合員たち【5月12日 ソウル・世宗文化会館前】)

 「国際看護師デー」の5月12日、全世界で看護労働者が行動に立った。韓国では全国保健医療産業労働組合(保健医療労組)が記者会見を開催し、新型コロナウイルスに立ち向かう看護師の安全と権利を守るために闘うことを宣言した。
 看護師が直面する現実は極めて過酷だ。人員不足が深刻化し、長時間労働や不規則な交代制の夜間勤務が常態化。その上、手術や薬の調合・処方など、医師・薬剤師の業務まで違法に代行せざるを得ない状況だ。暴言や暴行、セクハラもあり、離職率は非常に高い。

長時間・過重労働

 大邱の建陽大学病院で働く看護師は、「表向きの勤務時間は8時間だが、人員不足のせいで1時間早く出勤することが当たり前になっている。さらに2、3時間の残業が日常茶飯事となり、実質12時間ほど働いている」と実情を吐露。さらに、多くの妊娠した看護師も長時間立ったままで勤務しており、早産や流産に至るケースが多いと述べた。
 ナスンジャ委員長は記者会見で、医療従事者に感謝を伝えるキャンペーンだけでなく劣悪な労働環境改善が不可欠であるとし、「看護師の安全なしに患者の安全はない。看護師の労働が尊重される社会をつくるために闘う」と述べた。
 保健医療労組は会見の場で「新型コロナウイルスの最前線に立つ韓国看護師のナイチンゲール宣言」を発表。看護師の安全と労働者としての権利の保障、人員拡充、良質な公共医療制度構築などを求め、看護労働の社会的価値実現のために闘う世界の看護師と固く連帯することを宣言した。
 コロナ危機のただ中で、ソウル大学病院では外注化攻撃が進められている。当局は手術材料の包装業務をはじめ医療材料に関わる業務全体の外注化を狙い、病棟物品の在庫を管理する業務もなくす計画だという。
 これに対し公共運輸労組医療連帯本部所属のソウル大病院分会は、医院長の自宅前での1人デモや集会、ストライキなどの全面闘争も構えて反撃を開始している。韓国の医療労働者と連帯し、ともに闘おう。
このエントリーをはてなブックマークに追加