星野国賠第2回口頭弁論へ 星野さん「虐殺」の真相暴き 国家権力を徹底追及しよう

週刊『前進』02頁(3156号02面03)(2020/08/20)


星野国賠第2回口頭弁論へ
 星野さん「虐殺」の真相暴き
 国家権力を徹底追及しよう


 東京地方裁判所で8月27日、星野文昭さんの国家賠償請求訴訟の第2回口頭弁論が開かれます。原告は妻・星野暁子さんと兄・治男さん、弟・修三さんの3人です。
 星野さんを獄死させた徳島刑務所と東日本成人矯正医療センターの責任を徹底的に追及する国賠闘争は、2月21日、104人の代理人弁護士が名を連ねて訴状を提出し(後に107人に拡大)、6月22日の第1回口頭弁論には雨の中60人の支援者が集まり開始されました。さらなる大結集で怒りをたたきつけましょう。
 被告の国側は8月7日、国に責任は一切ないと全面的に居直る「準備書面」を出してきました。とんでもない。国は星野さんを医療放棄、医療過誤によって「虐殺」したのです。
 2018年の初めから星野さんの体重が減り続け、8月22日にこれまで経験したことのない激烈な腹痛に襲われて倒れたにもかかわらず、徳島刑務所は「胃けいれん」というでたらめな病名をつけて1日休ませただけでした。その後、胃カメラと便潜血検査を行っただけで、腹部エコー検査はしませんでした。星野さんの食欲不振は倒れて以降、食事を見ただけで吐き気を催す程に強くなり、その後も一貫して続きました。
 心配した家族、弁護団、支援者は、これらの原因を解明するために、適切な検査を行うように何度も求めましたが、徳島刑務所は拒否しました。翌19年3月1日に徳島刑務所はやっとエコー検査を行い、肝臓に巨大な腫瘤(しゅりゅう)を見つけながら、それを星野さんにも家族にも伝えず、1カ月半も隠し続けて、一切の治療を放棄しました。
 矯正医療センターは、巨大な肝臓がんを切除する能力も体制もないのに手術を強行し、大量の出血を伴った大手術にもかかわらず、当日の夜、執刀医も助手も帰宅して深夜1時半から翌朝5時まで星野さんを放置しました。その間に容態は取り返しのつかないまでに悪化し、亡くなったのです。これを国による虐殺と言わずしてなんと言うのでしょうか。
 コロナパンデミックによって、新自由主義の下で医療が金もうけの手段にされてきたことが暴露されました。本来、人種や貧富の差、また受刑者であるか否かに関わらず、等しく人の命を守るためにあるはずの医療をはじめ社会保障が破壊されてきました。獄中医療の劣悪さは、近い将来の社会を先取り的に鋭く示しています。
 44年もの非転向の獄中闘争で労働者民衆の怒りを組織し、人間的魂を奮い立たせてきた星野さんは、受刑者の命や健康や人権を踏みにじる新自由主義・国家権力によって「虐殺」されました。このことを徹底的に暴露・弾劾し、新自由主義の攻撃に、「生きていけない」と決起を開始した労働者民衆と一体となって、星野国賠闘争を闘いましょう。
(星野再審全国連絡会議事務局・大形敏也)

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星野国賠訴訟第2回口頭弁論

 8月27日(木)午前10時30分開廷
 東京地裁、411号法廷

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