狭山裁判やりなおせ 全国水平同盟ら東京高裁に迫る

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週刊『前進』04頁(3164号04面04)(2020/10/05)


狭山裁判やりなおせ
 全国水平同盟ら東京高裁に迫る

(写真 「石川さんは無実だ! 下山鑑定を調べろ!」。要請行動に先立ち東京高裁に向けてシュプレヒコール【9月25日】)

大野体制下で初の3者協議を直撃!

 被差別部落に生まれ育ったというだけで女子高校生誘拐殺人事件(1963年、埼玉県狭山市)の犯人にでっち上げられた石川一雄さんの再審無罪を、なんとしてもかちとろう。
 9月25日、全国水平同盟と部落解放東日本共闘会議が呼びかけ、東京高裁に狭山裁判の再審を求める要請行動が取り組まれた。大阪、広島からも闘う仲間がかけつけた。
 石川さんは2006年に東京高裁に対する3度目の再審請求を行い、国家権力と非妥協で闘っている。しかし、高裁は裁判所・検察・弁護人による3者協議を繰り返すだけで、再審を開いて法廷で審理しようとはしない。裁判長は次々と交代し、6月24日に新たに就任した大野勝則で9人目だ。9月25日には大野の下で初めての3者協議が行われており、要請行動はこれを直撃するものとなった。

証拠ねつ造暴いた下山鑑定調べ迫る

 要請団は新証拠の下山鑑定を武器に事実調べと再審開始を迫った。
 「石川一雄さんを狭山事件の犯人にでっち上げ無期懲役にした証拠『被害者の万年筆』は偽物だ。下山鑑定はそれを科学的に証明した」「検察は下山鑑定に反証しないと言い、ギブアップした。ただちに下山鑑定を調べろ」「石川さんの本人尋問、下山鑑定人尋問を行え」「3者協議で決めるべきは下山鑑定の採用とその証拠調べの日程だ」
 さらに、部落差別に貫かれた権力犯罪への怒りがたたきつけられた。「被差別部落出身ということで結婚差別・就職差別を経験してきた。石川さんの裁判では『部落民が悪い』という判決が出ている。自分らの場合も同じだ」「初めから部落民を犯人にする意図が貫かれている」
 最後に10月30日にも要請に来ることを通告した。なぜこの日なのか。翌31日は46年前、東京高裁の寺尾正二裁判長が石川さんに無期懲役判決を出した日であり、忘れることのできない怒りの日、再審無罪の実現を誓う日だからだ。

再審実現し改憲をとめる10〜11月へ

 裁判長・大野は、今回新潟地裁所長から転任したが、東京地裁刑事部総括のとき、許しがたいことに無実の大坂正明同志の勾留を決定している。菅新政権は安倍政権のすべてを引き継ぎ、さらに凶暴に改憲・戦争に進もうとしているが、菅の下で大野も、前裁判長・後藤眞理子ができなかった再審請求棄却を狙っていることは間違いない。狭山第3次再審闘争は菅政権の攻撃を打ち破る闘いでもある。
 コロナ下で激化する新自由主義攻撃と対決し生きるために闘う全国―全世界の労働者人民と連帯して、10・31狭山闘争に立ち上がろう。10月30日の東京高裁行動(午後1時〜街宣、2時〜要請行動)に立とう。同日の関西狭山集会とデモ、31日の都内一斉街宣をやり抜き、その力で11・1全国労働者集会―改憲阻止!1万人行進を成功させよう。
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