12・10京大緊急集会に結集を 処分撤回へ全国から総決起し、闘う学生運動の壮大な復権へ

週刊『前進』04頁(3172号03面01)(2020/11/30)


12・10京大緊急集会に結集を
 処分撤回へ全国から総決起し、闘う学生運動の壮大な復権へ


 コロナ禍であらわになった新自由主義の破綻と崩壊のもとで、全国の大学生、そしてこれから生きていく社会に不安や怒りを持つ全ての人に、京都大学で闘われている処分撤回闘争に連帯して共に立ち上がることを訴える。不当処分と闘う京大生らが呼びかける12月10日の「京大学生処分撤回・阻止12月緊急集会」(正午〜午後1時、京大吉田南キャンパス総人広場)に集まろう。

4学生への処分を許すな

 昨年来、4人の京大生に対して大学当局による不当な処分が行われている。そのうち無期停学処分となった3学生の処分理由は、「大学職員による学生への暴行に抗議したこと」とされている。こんな理由で学生を処分するようなことがまかり通るなら、学生は大学当局がどんな好き勝手をやろうが何一つものを言うことを許されず、何か言おうものなら一方的に処分されることになってしまう。こんな理不尽を絶対に許すわけにはいかない。
 これは決して被処分者個人の問題ではなく全京大生、ひいては全国学生の問題だ。このあまりにも不当な処分を撤回させるために、昨年12月、京都大学内の教授も含めたあらゆる勢力が結集し、当局職員による妨害を完全にはねのけて処分に断固抗議する集会がかちとられた。これを凌駕(りょうが)する力で今年も処分撤回闘争を実現しよう。
 京大学生運動は、2006年以来の法政大学闘争を継承し、12年にはそれまで機能停止状態だった同学会を3千票以上の全学投票で再建。15年には改憲・戦争を進める安倍政権による戦争法(安保関連法)成立情勢に対して反戦バリケードストライキを闘った。この過程では大学のカリキュラム強化の問題、総長選挙廃止問題、学費問題など、学生生活をとり巻く状況も一変したが、これに対して同学会はキャンパスでの活動を足場に行動を呼びかけ続け、何人もの被処分者を出しながらも大学当局に対する強固な対抗軸として存在して来た。
 大学当局の処分攻撃は、このような京大学生運動の根絶を狙うものだ。この攻撃をはね返し、全京大生、そして全国学生の団結と権利を絶対に守り抜こう。

法大闘争の地平を継承し

 16年の日本学術会議・大西隆会長(当時)による「自衛目的に限定するなら学術界は軍事研究に協力してもいい」という発言に象徴されるように、今や「大学自治」や「学問の自由」というスローガンは支配階級によって都合のいいようにその内容をすり替えられようとしている。加えて菅政権による学術会議への攻撃は、核開発をはじめとした軍事研究に対して一線を引くような学術界の在り方を一変させ、完全な戦争協力機関へとつくり変えることを狙うものだ。
 そもそも歴史的に見れば「自由」や「自治」とは何だったのか。かつての戦争で、教え子を戦場に送り出した教員、戦争に加担した研究者、そして戦場で他国の人々と殺し合いをさせられた学生たち……こうした現実を二度と繰り返さないための戦後革命の爆発の中から、自由と自治は生まれた。国家権力の支配からの自由であり、社会の責任勢力としての自治だった。だからこそ、自由と自治を守るために本当に必要なのは、学生の力と団結を権力機構として実現する学生自治会であり、そのもとで徹底的に学生の利害(階級的利害)を貫いて闘う学生運動なのだ。
 大学当局はこうした学生の団結を破壊するために処分攻撃を振りかざす。そして、ビラまきはおろか学内での学生の主体的イベントや学生が集まることすら禁圧しようとする(コロナ以前から)。まさに改憲の先取りであり、その先にあるのは再び大学の戦争協力にほかならない。
 だが、こうした新自由主義のもとでの大学の腐敗に対し、06年3月の法大弾圧(大学当局による立て看板撤去に抗議した学生29人が不当逮捕された事件)を発端に始まった法大闘争は、「教育の民営化粉砕」「ひとりの仲間も見捨てない」のスローガンに象徴される21世紀の学生運動の原則をつくり出した。それは教育・大学を支配階級が私物化し独占するのか、労働者階級が奪い返すのかをめぐる闘いであり、この中で仕掛けられる学生への分断攻撃に対して、仲間との団結に依拠して不屈に立ち向かうことを原則とした。この原則は全学連運動を通じて全国の闘う学生の中に継承されている。

自治会再建で未来開こう

 コロナ禍のもとでの学生の困窮を背景に、高額すぎる学費が大きな社会問題となった。そして全国の学生が学費減免を要求して行動を開始した。これは学費という問題を契機として学生が大学運営に介入し、当局による大学支配を覆す闘いだ。すでに200を超える大学で学生が同じスローガンで立ち上がっている。
 こうした中で、京大における処分撤回闘争は全国学生の命運をかけた決戦になろうとしている。これまで多くの学生運動が、処分という分断を前に押しつぶされてきた。だが、昨年来闘われてきた処分撤回闘争はこれを打ち破る大きな展望を生み出している。「処分されたら終わりの学生運動を終わらせよう」と多くの学生が決意し立ち上がっている。京大支部は、法大闘争で切り開いた地平と教訓を武器に、処分撤回闘争を軸とする京大学生運動のさらなる爆発をかちとり、全国学生運動の壮大な大衆的復権に挑戦する決意だ。
 何よりわれわれは、学生の団結した権力=学生自治会の建設を目指して闘ってきた。学生が大学や教育を語り、社会と政治を語り、そこで創造される未来社会に向かって挑戦していく、その責任勢力としての自治会の登場が求められている。京大当局による処分は学生の自治と団結を破壊しようとする攻撃であり、これと闘う処分撤回闘争の勝利の中にこそ学生自治会建設の展望がある。この攻防に絶対に勝ち抜こう。
 11月労働者集会に参加した多くの学生が、「ここに社会を変える力と展望がある」と確信を得て、新たな学生運動の担い手として次々と決起している。この力をさらに大きく拡大し、処分撤回闘争に勝利しよう。12月10日、京大吉田南キャンパス総人広場で開催される京大生による処分撤回集会に集まろう。
(マルクス主義学生同盟中核派・京都大学支部)
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