国賠も反戦闘争も正念場、星野さんの遺志に応える 東京拘置所在監 大坂正明

週刊『前進』04頁(3247号04面02)(2022/06/06)


国賠も反戦闘争も正念場、星野さんの遺志に応える
 東京拘置所在監 大坂正明


 5・29星野集会への大坂正明同志のメッセージです。大坂同志は、71年11・14渋谷闘争を星野同志らと闘い、殺人罪でっち上げで46年もの指名手配攻撃を受け、17年5月18日に不当逮捕された。東京拘置所で接見禁止解除と保釈、鼻のポリープの治療を求めている。6・26東拘包囲デモに集まろう。(編集局)
 国賠訴訟で提出された柳澤裕子医師の意見書を読めば、誰もが星野さん側の勝訴となることを確信できます。もちろんそれは裁判官が虚心坦懐に公正な目で意見書を読めば、という話ではあります。
 柳澤医師は、星野さんの発症から手術・死に至る全過程での問題点を突き出し、その結論として「刑務所医療は、医療じゃない」と弾劾しています。それは「患者の命に対する無気力、無関心、無責任」であり、「命に対する想像を絶する不感症」が刑務所医療の核に座っているからだと喝破しているのです。そのうえ「どんなにひどい結果になったとしても非難されることもなく、責任を取る必要もない」という現実は、この国家の人権のあり方を映しだす鏡だとして、刑務所医療だけの問題ではないことを指摘しています。
 この国賠訴訟は論理的には必ず勝てるものです。しかし徳島刑務所の星野さんに対する「国家的憎悪」を裁判官も共有していることが考えられるので、やはり予断は許されません。さらに徹底的に追いつめる必要があります。
 現在ロシアによるウクライナ侵略が続いていますが、反戦闘争は国賠と並ぶ、星野闘争のもう一つの柱です。
 戦禍から逃げ惑う人々の姿は「人間らしい生活」と対極にあることは明らかです。戦争は帝国主義、スターリン主義、大国主義の国が延命するために必然的に引き起こされます。ここで私たちがロシアを非難するだけでは戦争はなくなりません。自国の政府の戦争策動と闘うことが必要であり、それが世界の労働者民衆とつながる道です。
 日本政府はあさましくも、ウクライナ戦争を利用しつくし、自らの戦争政策を推し進めようとしています。改憲攻撃をはじめ、軍備・軍事費の増強、さらに核武装さえも狙っています。ゼレンスキーに応える形をとって日本の労働者民衆に向かって国を「守る」ために命を投げ出せと叫んでもいます。そのうえ原発稼働推進や入管法改悪まで画策しているのです。
 この情勢下、挙国一致でロシア非難の大合唱に加わるなどということは、政府の戦争衝動を高めるだけです。既成政党も体制内労働運動ももはや戦争政策と闘うことはできないでしょう。
 国益ではなく労働者民衆の利害に立った階級的労働運動が、大きな反戦のうねりをつくりだすことが問われています。
 国賠も反戦闘争も、今が正念場と言えます。団結を固め、星野さんの遺志に応えていきましょう。
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