軍事空港阻止、農地を守れ 天神峰樫の木まつりで英気

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週刊『前進』04頁(3252号04面01)(2022/07/11)


軍事空港阻止、農地を守れ
 天神峰樫の木まつりで英気

(写真 三里塚反対同盟を先頭に南台農地からデモ【7月3日 成田市】)

(写真 樫の木まつりの大成功を確認し、全員で団結ガンバローを三唱)


 7月3日、三里塚芝山連合空港反対同盟の主催で第5回天神峰樫(かし)の木まつりが開かれた。133人の労働者・農民・学生・市民が参加し、農地を絶対に守る気概を込め、一日の企画を「まつり」として盛り上げ英気を養った。
 正午過ぎに市東孝雄さんの南台の畑に集合。NAA(成田空港会社)は市東さんにこの土地の明け渡しを迫っている。だがこの畑は市東家が100年耕してきた耕作地であり、機動隊暴力と違法・脱法の手口を使って侵略してきたNAAの言い分にはなんの正義も正当性もない。
 参加者は意気高くシュプレヒコールを上げてデモに出発。「強制収用実力阻止、市東さんの農地を守ろう」と大書された横断幕を掲げ、反対同盟を先頭に、警察・機動隊の規制を一蹴して公道に繰り出した。
 参加者は、樹齢百年とも言われる樫の木がそびえ立つ市東さん宅中庭の会場に到着し、現闘本部の同志たちが用意した豚汁ときゅうり、麦茶でもてなされた。具の野菜はもちろん大地の恵みの無農薬作物で、汗にまみれた人々の心身を潤し笑顔を広げた。
 司会の宮本麻子さんが開会を宣言し、事務局員の伊藤信晴さんが主催者あいさつに立った。空港機能強化による気候変動・環境破壊に反対する闘いとして、反対同盟が新たな署名運動を開始し広げていくことを明らかにした。さらに、沖縄・南西諸島と一体で成田の軍事空港化(かつて中曽根が唱えた日本列島不沈空母化)が狙われていることに警鐘を鳴らし、侵略戦争阻止を強く訴えた。そして、9月2日の新やぐら裁判控訴審で反動判決が下されれば、やぐら・看板撤去の仮執行が強行される可能性もあることを述べ、労農学連帯、沖縄・福島との連帯を重視して、いっそう「軍事空港阻止、農地死守」を貫いて大反動を打ち砕く決意を明らかにした。
 連帯のあいさつの最初に動労千葉の中村仁副委員長が立ち、「戦争を止めるのは労働者・農民・市民の団結の力だ」と強調し、7・17国鉄全国集会への参加を呼びかけた。
 関西実行委員会のあいさつに続き、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の西山直洋執行委員は、前日の2日に韓国において民主労総主催の全国労働者大会が力強くかちとられたことを報告し、「日本においても労働者・農民の団結で社会を変革し、岸田自公政権を倒そう」と訴えた。
 市東さんの農地取り上げに反対する会の発言に続き、全国農民会議共同代表の小川浩さんは、ウクライナ戦争によって全世界的穀物危機が叫ばれる中、日本農民の危機的状況を生々しく語り、「日本農民の生きる道は労働者と共に、三里塚と共にある」と信念を表した。
 続いて関西からシンガーの川口真由美さんが、ギターの稲野真人さんと共に反戦歌を披露し、東峰の萩原富夫さんが「農地は命! 農地を守ろう!」とシャウトする自作のパンクロックで聴衆を大いに沸かせた。
 ここでよく冷えたスイカがふるまわれ、参加者の五感を心地よく刺激した。
 宮本さんが強制執行攻撃と闘うカンパアピールを行った後、司会を太郎良陽一さんに交代した。市東さんの農地を守る会・茨城、大坂正明さん救援会、婦人民主クラブ全国協議会、星野全国再審連絡会議などが三里塚と連帯して闘う決意を表した。
 そして白ヘルをかぶった全学連の3人が登場し、「実力闘争で市東さんの農地死守決戦を断固闘い抜く」「夏の援農、10月全国集会へ新たな仲間とともに駆けつける」と決意表明した。フレッシュな発言に拍手と声援が飛んだ。
 抽選会がにぎやかに行われ、反対同盟のTシャツ、はちまきが当選者に授与され歓声が飛び交った。日々現地で「強制執行実力阻止」の態勢をとる決戦本部に集う仲間が前に並び、「さらに多くの人が天神峰現地へ集まることが、農地取り上げを阻む力になる」と全力でアピールした。
 マスコミも注目する中、満を持して市東さんがマイクを握った。「昨年の最高裁の6・8上告棄却後、NAAが畑にまだ手を出せずにいるのは皆さんとの団結の力だと思います。今コロナとかで大変なのでしょうが、やつらのこと、いつかはやってくるでしょう。しかしその時も、皆さんとの普段からの団結を大事にして、これからも闘っていきます。動労千葉、関西生コン支部など厳しい状況の中で闘う労働組合と共に、市民団体、学生たちと共に、そして何よりも沖縄・福島・三里塚を一つの闘いとして、何ひとつあきらめずに、最後まで貫徹する、そういうことを心がけていきます。みなさんどうか最後まで共に闘ってください」。この市東さんの意気込みと覚悟に、熱い共感の拍手が続いた。
 行動提起として太郎良さんが気候変動問題での新署名の拡大、裁判闘争への傍聴などを呼びかけ、最後に全員で「反対同盟の歌」を熱唱。樫の木まつりの大成功を実感し、団結ガンバローを三唱した。

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