学校への弔意強制許すな 9・23国葬粉砕闘争へ総決起を

週刊『前進』04頁(3257号02面02)(2022/08/22)


学校への弔意強制許すな
 9・23国葬粉砕闘争へ総決起を


 世界戦争の危機が深まり中国侵略戦争・核戦争が切迫する中、岸田政権は9月27日の安倍国葬による安倍の美化をもテコにして改憲・戦争にさらに踏み込もうとしている。だが国葬への怒りは日増しに高まり、岸田政権の墓穴へと転じている。改憲・中国侵略戦争絶対阻止!岸田打倒の闘いとして国葬粉砕へ総決起する時だ。学校への弔意・半旗掲揚の強制も狙われている。「学校を戦争動員するな」と全国各地で闘い、9・23国葬粉砕闘争へ攻め上ろう。戦後、戦争協力拒否を原点にして闘ってきた教育労働者こそ人生をかけて決起しよう!

学校の戦争動員を繰り返さない

 東京都教育委員会は7月12日、安倍元首相の葬儀にあわせて全都立学校255校に「特別の配慮をお願いしたい」と半旗掲揚を求め、複数校がこれに応じた。同様の要請は、判明しているだけで安倍の地元・山口県など7教委に上る。
 安倍国葬では半旗掲揚だけでなく黙禱(もくとう)強要も策されている。国葬決定当時の末松信介文部科学相は「休校は想定せず」「政府全体の方針に沿う」としているが、2020年の中曽根の内閣・自民党合同葬では全国の国立大などの機関に弔旗掲揚・黙禱を求める通知が出された。
 そもそも国葬は、戦前・戦中、「天皇の特旨(天皇の特別なおぼしめし)」のもとで行われ、天皇による国家統制の政治装置であった。真珠湾攻撃を主導し1943年に戦死した山本五十六(いそろく)の国葬は、国威を発揚し全人民を戦争に駆り立てた。当時、文部省は全国の幼稚園から大学に「元帥の忠烈を追慕し、哀悼の意を表せしむるとともに、学徒の戦争意識の昂揚(こうよう)を図るために」とうたい、遙拝式(ようはいしき)を執り行うよう指示したという。
 だが国葬令は敗戦直後の47年、戦争への国家総動員の精神的支柱であった教育勅語と同様のものとして廃止された。国葬とはまさに国威発揚・戦争動員のためにあるのだ。
 岸田は、何の法的根拠もなく違憲も承知で国葬を決定した。国葬で「暴力に屈せず民主主義を断固として守りぬく決意を示す」というが、国家による学校への弔意強制こそ「暴力」であり「民主主義の破壊」ではないか! 岸田の狙いは国家暴力でもって改憲・中国侵略戦争へと挙国一致体制をつくることにある。
 戦前、学校は天皇制教育を通して子どもと地域を戦場に駆り立てた。学校を二度と戦争動員の拠点にさせないことが、戦時下の今こそ問われているのだ。

戦争教育と腐敗にまみれた安倍

 「安倍への弔意などふざけるな!」——これが学校現場の総意だ。怒りを爆発させ、学校への弔意・半旗掲揚の強制を許さず国葬粉砕の先頭に教育労働者が立とう。これは教育労働者の戦争協力拒否の闘いだ。
 憲政史上最長の安倍政権下で、教育基本法改悪を切っ先に戦後教育は徹底的に破壊された。中曽根の国鉄分割・民営化と一体で開始された臨時教育審議会攻撃=新自由主義教育は安倍によって推進され、教育と学校の民営化・非正規職化で子どもたちを選別・分断し、教育労働を破壊し、学校と地域を破壊してきた。
 とりわけ安倍は、新自由主義の危機と破綻の乗り切りを「日本にふさわしい教育」に求め戦争教育を推進してきた。道徳の教科化による愛国心教育をはじめ、教科書への政府見解明記や首長権限強化などで教育への政治介入を強め、日帝の戦争犯罪を居直り歴史を偽造。「尖閣・竹島は日本固有の領土」と排外主義をあおり領土教育も強制した。また、人事評価や「日の丸・君が代」強制で教育労働者を分断し教職員組合をつぶそうと改憲・戦争攻撃に全力を挙げてきた。
 しかしこれらは、統一教会ら極右勢力に依拠した腐りきったものだ。2015年には安倍の先兵である下村博文文科相(当時)のもとで統一教会の名称が変更。下村は統一教会の機関紙に頻繁に登場し癒着を深めていた。この安倍を祭り上げ改憲・戦争に突き進むことをどうして許せるか!

教組の闘い守り地域から反撃を

 安倍国葬に対し連合は声明を出さないことを決定し、日教組本部も沈黙している。しかし、学校現場を動かしているのは教育労働者だ。「教え子を再び戦場に送らない」というスローガンは、朝鮮戦争の渦中で日教組が闘う労組へと飛躍する中で打ち立てられた。職場から反戦を闘うことにこそ教育労働運動を復権させる展望がある。
 戦時下で動と反動の大激突が始まっている。教職員組合の決起を守りぬき地域から反撃に立とう。学校の戦争動員を許さず9・23国葬粉砕へ総決起しよう!
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