10・9 決戦の三里塚へ 反対同盟が全国に結集呼びかけ

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週刊『前進』04頁(3262号03面01)(2022/09/26)


10・9 決戦の三里塚へ
 反対同盟が全国に結集呼びかけ


 10・9三里塚全国総決起集会への結集を呼びかける三里塚芝山連合空港反対同盟の4氏からのアピールを掲載します。反対同盟は市東孝雄さんの農地を強奪する強制執行を実力で迎え撃つ態勢を整えています。中国侵略戦争に向けて成田の軍事空港化が狙われる中、決戦を迎えた三里塚へ全力で結集しよう。(編集局)

これまで通り農業続ける
 敷地内天神峰 市東孝雄さん

 日ごろからの三里塚闘争へのご支援に、深く感謝しています。
 9月2日、東京高等裁判所の渡部勇次裁判長は、新やぐら裁判で控訴を棄却し、私の天神峰の畑の一角に建つ反対同盟の監視やぐら・看板を強制的に撤去してもよいという、不当極まる判決を出しました。
 本当に怒りに堪えません。しかも判決の確定を待たずに強制執行ができる「仮執行宣言」を「付ける必要がないという理由が見当たらないから付けた」と書いています。
 私の農地とやぐら・看板は一体であり、そこに書かれている「空港反対」の主張は、私と反対同盟の心からの訴えです。
 祖父の代からこの地で百年続く農業を行っている私に、後から来た空港・NAA(成田空港会社)が「農地を明け渡せ」とか「やぐら、看板をどかせ」などと迫るのはまったく理不尽です。私の父に断りもなく、空港公団が旧地主から底地を買い15年間もそれを隠してきたことこそ違法です。ましてや「判決確定まで待てないから仮執行を」などとNAAが裁判所をせかすのは根拠がありません。
 閑古鳥が鳴く成田空港の現状を見てください。航空需要は回復の見通しもなく、「こんな空港はもう要らないのでは」という現実が彼らにこそ突きつけられているのです。
 「不当判決が出たら終わり」ではありません。耕作権裁判も続いており、まだまだ闘い方はいくらでもあります。どんな攻撃が来ても私はこれまで通り、この天神峰の地で完全無農薬の有機農業を続けます。これは絶対にお金には換えられないものです。
 そして、動労千葉、関西生コン支部などの労働組合や住民運動、学生運動と連帯し、「国策」と闘う沖縄・福島と一つに結び、農民の権利を守り、戦争に反対します。10・9全国集会でみなさんとお会いすることを楽しみにしています。

強制執行、来るなら来い
 敷地内東峰 萩原富夫さん

 先日、新やぐら控訴審で裁判所は私たちの訴えを棄却し、仮執行宣言を付けました。裁判所がNAAの手先となって農民殺しの先頭に立っていることは許せません。だけど、「来るなら来い」の精神で市東さんの生活を守るために全力を尽くして闘うだけです。
 市東さんの生活・営農を丸ごと奪うような強制執行に対して、全国・全世界の人が黙って指をくわえて見ているはずはありません。必ず「ドンパチ」になります。重機が押し寄せようが、農地を奪わせない人々の波が次々と押し寄せてくるような闘いを共につくりましょう。必ずできます。
 裁判でも正義は私たちの側にあることが証明されています。耕作権裁判では、NAA側が証拠として出した畑の位置特定に関する文書にある市東東市さん(孝雄さんの父)の署名と印鑑の偽造を暴きました。裁判所もこの文書作成に関連する文書が「ないはずはない」と言わざるを得ない。機能強化に反対する裁判も新たに提訴しました。
 米中の対立が激化し、戦争がいつ始まってもおかしくない状況です。沖縄戦を再び繰り返させるわけにはいかない。沖縄との連帯を訴え、成田を軍事空港にさせない闘いと共に、戦争反対を訴えていきたい。
 世界でも日本の闘いでまず思い浮かべるのが三里塚闘争と言われます。英語版も作り新たに呼びかけている署名は、戦争と気候変動、両方を止めようと訴えるものです。両方とも資本主義の問題であり、三里塚はその最前線です。
 人類が核戦争で滅ぶのか、気候変動で滅ぶのか。こういう時代に農地をつぶして空港拡張、ましてや軍事空港なんてありえません。私たちは農地を守り戦争反対を貫きます。10・9全国集会で署名の1次集約を行いますので全力での取り組みをお願いします。
 情勢を切り開き、改憲・戦争を阻み、岸田政権を倒しましょう。

軍事空港反対を貫き闘う
 事務局員 伊藤信晴さん

 成田空港が軍事的に利用されるのではないかという懸念は、住民の間にも広がっています。実際にこれほど国際線旅客数が激減して飛行機が飛んでいないのに、4千億円も使って、なんで機能強化をしなきゃならないのか、まともには説明がつかないことです。中部空港が「有事の際にはバックアップ機能を担える」と言って新滑走路建設を推進していることも見れば、疑う余地はありません。
 私たち反対同盟は結成から一貫して「軍事空港反対」を訴えてきました。しかし住民と対話すると「外国から攻撃されるのが心配」と返ってくることが多く、米日帝国主義が他国を侵略する戦争の出撃拠点、兵站(へいたん)拠点に成田がなろうとしている内容を伝えることは容易ではありません。だがそこは、あいまいにはできません。成田市が国家戦略特区を活用して、「国際医療学園都市構想」を打ち出したのも、有事に身構え多数の傷病兵を診るためです。
 「50年以上もよく闘いを続けてますね」と言われることがありますが、それは実力闘争の思想が根幹にあるからです。あらゆる反動に負けず勝利を信じて56年闘い続けてこられました。
 安倍の国葬に反対の声がどんどん高まっていますね。日本の民衆にはまだまだ闘いのエネルギーがあふれている。今、支配体制がいよいよ危機に陥る中で、反動との対決はあらゆる局面で力勝負になっています。それに勝ち抜くには、われわれ自身が力をつけて、数を増やし、攻勢に出なければなりません。10・9全国集会の大結集を実現し、この社会に革命を起こしましょう。

スクラムを組み農地守る
 決戦本部長 太郎良陽一さん

 成田空港はまさに現代資本主義の象徴です。あらゆるものを金もうけの手段にし、人間が生きる上で大事な農業、家族、地域共同体がことごとく破壊される。
 かつて青年行動隊の中心で闘っていた相川勝重は、芝山町長として空港に町を売り渡してしまった。だが成田空港の巨大化が人々を幸せにするか。このコロナ禍でテナントも激減、人流物流も衰退し、地元の利益は消えかけています。
 三里塚は一貫して金もうけ第一の資本主義のあり方と闘ってきました。その象徴が市東さんの農地決戦です。市東さんも「自分だけの問題ではない」と、自ら耕す農地が全人民の共有財産だと理解しています。
 三里塚には、全国の基地や原発に反対する住民運動の先頭に立って闘う責任があると感じます。そして、機能強化と騒音に反対する空港周辺住民の闘いが、県内から茨城までを結び、大きく発展しています。
 安倍の国葬は本当に許せないが、統一教会を「カルト」「反社」と騒ぐだけではなく、朝鮮半島の南北分断体制のもとで南の独裁政権が日本のブルジョアジーと結びつき、「反共」を掲げ多くの人々を殺した歴史を見すえなくてはなりません。そうした状況で統一教会は安倍の祖父である岸信介と結んで勢力を広げた。
 決戦本部は2017年の発足から5年以上が立ち、市東さんの農地に一指も触れさせず実力で守り抜いてきました。この場所で一緒にスクラムを組み共に闘おう。10・9全国集会前日の8日には、天神峰で「夜カフェ」を開催します(午後5時集合)。
 10・9全国集会へ大結集し、岸田を打倒しよう。

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