杉並区議選決戦を闘って 「戦争を内乱へ」の路線貫き戦時下の党派闘争かち抜く 革共同東京都委員会

週刊『前進』04頁(3297号03面01)(2023/06/05)


杉並区議選決戦を闘って
 「戦争を内乱へ」の路線貫き戦時下の党派闘争かち抜く
 革共同東京都委員会


 洞口朋子杉並区議の再選勝利は、G7広島サミット粉砕闘争の爆発と一体となり、2023年前半戦の巨大な地平をつくりだした。勝利のために奮闘した杉並区民をはじめ多くの労働者、支持者のみなさん、全学連を先頭とした全国の同志と共に総括を深め前進したい。革共同東京都委員会は杉並区議選の勝利を新たな出発点に、戦争と革命の時代に首都・東京で青年・学生・女性の新しい労働者の党をつくる展望をつかんだ。8・6―8・9から11月労働者集会へ向けて、反戦闘争を軸に職場・地域拠点を共につくろう。

階級の怒りと行動を組織

 今回の統一地方選は、ブルジョア選挙・議会の土俵で、第1次帝国主義世界戦争突入時のレーニン・ボリシェビキの態度、すなわち帝国主義戦争を内乱に転化することを呼びかけた「バーゼル宣言」の貫徹を求められた。2022年2月のウクライナ戦争突入以降、全ての政治勢力、職場・地域での路線と運動がふるいにかけられた。
 23年4月統一地方選・杉並区議選と高槻市議選は、ウクライナ戦争が世界戦争・核戦争へと拡大し、日米帝国主義の中国侵略戦争が切迫する情勢下で闘われた。それは岸田政権の帝国主義としての「絶望的飛躍」との真正面からの対決だった。岸田政権は米帝・北大西洋条約機構(NATO)と一体化して昨年末に安保3文書を出し、広島サミットをもって戦争国家体制の構築へ踏み出した。
 しかし戦争は、労働者階級と社会の一切を動員するに当たって「阻害要因」を解体できなければ、逆に支配の危機、革命の危機に転化する。杉並は広島・長崎と固くつながる原水禁運動発祥の地であり、60年・70年闘争の中核を担った革命的左翼が労働者階級と切り結びながら闘いを継承し続けてきた地だ。革共同の存在と闘いは杉並の地で鍛えられてきたのである。
 国家権力は、杉並では昨年末から選挙までの期間に毎週、全国から街宣右翼を動員して「洞口をたたき殺せ、洞口に投票するな」とわめかせた。しかし我々は洞口同志、杉並の労働者住民と団結して全てを堂々とはね返した。「戦争を内乱へ」の反戦闘争の姿を、行動によって、百の言葉よりはるかに明らかにした。多くの支持者、同志から「右翼、弾圧に負ける気がしなかった」「労働者の反応はかつてなかった」「大変だったが楽しかった。やりがいがあった」など感動が語られ、「同様の議論を職場・地域でもできる」「誰ひとり欠けても勝てない闘いだった」と総括が寄せられた。その息吹と確信はG7サミット粉砕闘争に直接引き継がれたのである。
 区議選の組織的総括の第一に、「絶対反戦」を貫いてG7サミット粉砕闘争へ直接つながる闘いをやれたと言える。選挙戦を「選挙のための戦術」ではなく、反戦闘争―自国政府打倒の闘いのための選挙として闘い、勝ったのだ。
 昨年3月3日の区議会で「ロシア非難決議」にただ一人反対し、「ロシアも米・NATOも手を引け。万国の労働者、団結せよ」と宣言した洞口同志の闘いがその始まりであった。「杉並から戦争とめよう」をメインスローガンにし、「軍事予算2倍化反対署名」を大衆的に組織した。8千近い署名の意義は大きかった。杉並区民は我々の主張を真剣に受け止めたのである。この闘いは今も継続し、自衛官募集協力阻止の闘いへ発展している。
 選挙戦の経験は教訓に満ちている。のべ数百回の街頭宣伝、地域・職場回り、大小の集会・学習会、SNS、電話などあらゆる場面で党と大衆の団結を新たにつくった。「青年、女性、働く者の力で社会を根本から変えよう」の訴えは大衆に染み渡った。
 第二に、ブルジョア選挙の土俵の内外で党派闘争に勝ち抜くことが求められた。権力=党派闘争として見据え、最終盤は党と労働者大衆の蜂起的闘いを実現したと言える。右翼・権力の襲撃はもとより、戦時に雪崩をうつように社会排外主義(祖国擁護派)に転落する勢力、日本共産党や立憲民主党らの洞口つぶしに負けずに闘い抜いた。負けないだけでなく、他勢力の活動家や支持者から多くの支持をもぎりとったのだ。
 第三に、時代認識を真正面から訴えて闘ったことが勝利の心棒にあった。戦争情勢を嘆き敗北主義に陥る日和見主義を粉砕し、労働者階級の決起を確信し、怒りと行動を組織する闘いとしてうち抜いた。
 第四に、戦争を内乱へ転化する労働者階級の新しい党への飛躍・変革がかちとられた。闘いは途上だが、この数年の格闘を通してかつてない集中性、指導性、階級・大衆との結合をつくり、革命を実現する地区党が建設された。さらに、女性解放闘争の理論的・実践的深化がかちとられた。

革命的労働者党の建設を

 情勢の特徴は連合の危機と崩壊、その対極で労働者大衆の怒りが爆発的に高まっていることに鋭く示されている。岸本聡子杉並区長と共産・立民らは、岸田の参戦国化と対決せず協力し、労働者の貧困・非正規職化・差別分断の攻撃は保守区政と同様に進めている。女性差別を居直り、隠ぺいする「性の多様性条例」制定を推し進めた。戦争とその原因である帝国主義の危機こそ女性差別、マイノリティ差別、あらゆる差別・分断の激化の核心だ。これを押し隠す日和見主義、現代の社会排外主義と闘う真の主流派への成長に我々は挑戦している。
 新自由主義の大崩壊と世界戦争の現在こそ、マルクス主義を甦(よみがえ)らせ、革命的労働者党を大胆に建設・強化する歴史的好機だ。団結した労働者の闘いの無限の可能性を信じ、23年後半戦、党を拡大・強化して大勝利しよう。
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