刑務所長の関与明白に 星野国賠訴訟で医療放棄追及 徳島刑務所医務課長が証言

週刊『前進』05頁(3336号04面05)(2024/03/18)


刑務所長の関与明白に
 星野国賠訴訟で医療放棄追及
 徳島刑務所医務課長が証言


 3月8日、東京地裁民事第14部(村主隆行裁判長)で星野国賠訴訟第20回裁判が開かれ、徳島刑務所医務課長に対する証人尋問が行われた。星野文昭同志の兄・治男さんが北海道からかけつけ、原告席に座った。
 星野同志は2018年8月22日に腹部の激痛で倒れ診察を受けて以降、健康状態が日々悪化していった。徳島刑務所は家族、弁護団、全国の救援会による検査と治療の要求を無視し医療を放棄し、巨大な肝臓がんにまで至らしめたのだ。この日の裁判でその国家による殺人行為を追及した。
 医務課長は、18年8月に星野さんが激しい腹痛で倒れた時「軽い夏バテと考えた」などと言い逃れし、「肝臓の疾病を疑う状況ではなかった」と強調した。
 岩井信弁護士が19年3月1日のエコー検査について質問した。医務課長は、腹部エコー検査で肝臓内に腫瘤(しゅりゅう)があるのを発見し、「かなり大きいと驚いた」と証言した。彼はカルテに「CT必須」と書いたが、実際はCTのための手配もせず放置した。
 医務課長は、病状などを徳島刑務所長が出席する「刑務官会議(幹部会議)」で報告したと証言した。所長は「慎重に対応する」と答えたという。星野同志への医療放棄に徳島刑務所長が関与していたことが明らかになった。
 次回第21回裁判は、5月23日「対質(たいしち)」形式(原告・被告の意見書を書いた医師が法廷に並び、同じ質問に答える)で行われる。星野同志の命を奪った刑務所医療の実態を全面的に明らかにしよう。
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