解雇撤回・正規職雇用を AGC株主総会 旭支会が来日し本社を弾劾

週刊『前進』04頁(3339号02面03)(2024/04/08)


解雇撤回・正規職雇用を
 AGC株主総会
 旭支会が来日し本社を弾劾

(写真 AGC株主総会に登場し「平井社長は責任をとれ!」と怒りのシュプレヒコール【3月28日 東京都千代田区】)

(写真 旭非正規職支会との面会を拒否したAGC平井社長を弾劾し「グローバル企業AGCは労組破壊の犯罪企業だ!」と街頭宣伝【29日 AGC本社前】)
(写真 ㊤旭非正規職支会を迎え支援共闘集会【29日 江東区亀戸文化センター】)

(写真 左からホサンウォンさん、イヨンミンさん、オスイル首席副支会長【29日 江東区亀戸文化センター】)


 「AGC株主の配当金は、韓国で非正規職労働者を搾取してもうけた金だ。AGCが不法を認め、22人の解雇者に謝罪するまで闘う!」----3月28日に開かれたAGC第99回株主総会に対し、旭非正規職支会オスイル首席副支会長が宣言した。韓国・クミ(亀尾)市から来日した3人の組合員と共に旭非正規職支会支援共闘会議は、AGC本社の責任で解雇を撤回し、正規職として工場に戻すことを要求して闘いぬいた。

3月28日 株主総会 解雇撤回まで闘い堂々と職場に戻る

 旭支会22人の組合員は、2015年の不当解雇以来、9年にわたりAGC(旧旭硝子)と闘っている。韓国慶尚北道クミ市の第4工業団地にAGCファインテクノコリア(AFK)は05年、50年間の土地無償貸与、8年間の関税・法人税・地方税の全額免除で進出した。
 製造業派遣が禁止されている韓国で、社内下請けの派遣労働者を最低賃金で週70時間も働かせ、昼休みは20分、ミスをすれば懲罰の赤いチョッキを着せてさらし者にする。この現実に「生きさせろ!」と声を上げ、クミ工団で初の非正規職労組が誕生したのが、15年5月29日だ。
 しかし、旭硝子はその1カ月後、下請け企業GTSで働く178人全員(うち組合員138人)をメール1通で解雇した。
 3月28日、二重橋前の東京會舘で開かれたAGC株主総会では、会場に向けてオスイル首席副支会長が「韓国では派遣法違反でAFK社長・原納猛に懲役刑が宣告され、不法派遣訴訟でも『22人を直接雇用しろ』という判決が出るなど、旭支会は法的にすべて勝訴し、あとは大法院(最高裁)判決だけだ。奪われた労働者の権利を必ず勝ち取り、堂々と現場に戻る」と宣言した。
 株主総会闘争に初登場のイヨンミンさんは「必ず現場に戻る、なぜなら戻るまで闘うからだ」と闘志を示し、ホサンウォンさんは「労働組合をつくったと不法解雇した親会社は、過去の過ちを認めろ!」と怒りをたたきつけた。
 動労千葉・佐藤正和副委員長をはじめ労働者、学生が次々にマイクを握り、平井良典社長や株主はよく聞けとアピール。AGCと同じく特恵待遇で韓国に進出しながら偽装倒産で労働者を解雇した韓国サンケン、今まさに雇用継承を求めて女性労働者が高空籠城(ろうじょう)中の韓国オプティカルなど、名だたる日本企業が、植民地支配さながらの労働者弾圧を行っている。これらの解雇争議を支援する人たちも駆けつけマイクを握り、サンフランシスコで闘っているという弁護士も通りがかりに旭闘争を激励するなど、共闘の輪が広がった。

29日 AGC本社行動 面会拒否を続ける平井社長に怒り!

 29日午後、旭支会は、旭支会支援共闘会議と共に東京駅丸の内北口にそびえ立つ新丸ビルにAGC本社を訪ねた。韓国から解雇当該の組合員が来ているというのに、AGC本社は面会を拒否するという暴挙に出た。コロナ以降、担当者の総務・中村某は「不在」と称して逃げ回っている。
 怒りをたぎらせたオスイルさんは「AGC本社はAFKは別法人だと責任を回避しているが、AFKには決定権はない。すべての権限がある本社が責任を取れ!」と迫った。全学連の学生たちが次々マイクでAGCを追及、三菱系列の戦犯企業としての悪行を暴く迫力あるアジテーションが周辺の空気を一変させた。

29日 旭支援共闘集会 資本の選別的雇用を拒否し団結貫く

 夕方、亀戸文化センターで旭支会支援共闘集会(主催 旭支会支援共闘会議)が開かれた。冒頭、前日のAGC株主総会闘争の記録が上映され、顧問の金元重さんが旭闘争の経過報告と韓国の非正規職闘争を牽引(けんいん)する旭支会との共闘の意義を語った。
 基調報告に立った清水彰二事務局長(群馬合同労組委員長)は、1月に旭支会の招請でクミを訪問し貴重な経験を積んだことを報告、日本でAGC本社闘争を強化し、勝利まで共に闘う決意を明らかにした。
 集会メインの旭支会3人のアピールではオスイルさんが、2021年2月にAGCが「21人は正規職雇用するが、支会長の雇用は困難。支会長を雇用しない条件をのめば慰労金3億4千万㌆支給する」と提示したことに「支会は資本の選別的雇用を拒否した」と報告。「どんな議論で結論を出したのか」との参加者の質問に「会議は難しくなかった。組合員全員が拒否で一致した」と答えた。旭支会の真骨頂だ。
 イヨンミンさん、ホサンウォンさんも、家族が次々病気になったり、収入をめぐる家族との摩擦などが大変だったと率直に悩みを語ったが、結論は「自分たちが正しかったことを家族に示したい」「みんなと勝利まで闘う」であり、日本での支援連帯闘争への感謝を語った。
 動労千葉と全学連が決意表明、山本弘行議長が労働者の国際連帯で勝利しようと呼びかけた。

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