工事車両を実力阻止 辺野古 新基地建設絶対阻む

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週刊『前進』04頁(3397号03面01)(2025/05/26)


工事車両を実力阻止
 辺野古 新基地建設絶対阻む

(写真 全国から400人が辺野古の基地ゲート前に結集し、工事車両の資材搬入を実力阻止【5月19日 名護市】)

 「工事車両の搬入を実力阻止したぞ!」----名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブの工事用資材搬入ゲート前で5月19日、新基地建設を阻止すべく集まった400人が勝利宣言を高らかに発した。
 午前8時、改憲・戦争阻止!大行進沖縄をはじめとした沖縄や全国の闘う仲間がゲート前に結集し、座り込み闘争を開始した。最初にシュプレヒコールを行い、「辺野古新基地建設を阻止するぞ」「米兵の女性暴行を許さないぞ」「中国侵略戦争を止めるぞ」と声を上げた。
 大行進沖縄の赤嶺知晃さんがマイクを握り、「普天間基地の辺野古移設案」が日米政府によって合意された1997年以降、沖縄の労働者民衆の不屈の闘いで四半世紀にわたって基地建設を阻止し続けていることの意義を強調した。また埋め立て海域にはマヨネーズ状の軟弱地盤があり、アメリカの有力シンクタンクも完成の可能性は低いと言及している、それにもかかわらず工事を強行しているのは「沖縄の『戦意』をくじく」ためだと暴き、不屈に闘うことが勝利の道だと訴えた。そして米兵による度重なる性暴力と、それを隠ぺいする日米政府を徹底弾劾し、「女性の尊厳を踏みにじって成り立っているのが日米安保です。沖縄をなめるな! 全基地撤去・安保粉砕へ闘おう」と呼びかけた。
 初めて沖縄闘争に参加した全学連の学生は「中国侵略戦争を実力で絶対に阻止するという決意で沖縄に来ました。我々学生こそが先頭で闘い抜き、日本帝国主義・石破政権を打倒し、階級支配を終わらせよう」と鮮明に訴えた。また新入生や青年、矢嶋尋全学連委員長(要旨別掲)も次々と発言し、基地建設への怒りを表明した。
 婦人民主クラブ全国協議会の川添望さんの発言に続き、大行進埼玉で活動する長崎の被爆者の高木美佐子さんが「沖縄の皆さんの闘いに敬意を表するとともに、琉球弧を戦場にしないために、私たちは本土で石破を倒すために闘いたい」と訴えた。福島から駆けつけた女性は「これは沖縄だけの問題ではない。本土が問われている」と熱を込めて訴えた。動労千葉の佐藤正和副委員長は、労働組合の第一の課題は戦争を止めることだと訴え、沖縄コールセンター労組の梶原健汰書記長は、この3日間の闘いの意義を確認し、さらに仲間を組織したいと語った。

「今日は勝利した」

 普段は9時に現れる資材を乗せた車両が、この日は時間を過ぎても現れなかった。現地で闘っている仲間が「本日1回目の搬入を止めました! 座り込みを強制排除するための機動隊も来ていません。みなさんの力が搬入を止めました!」と宣言。さらに、座り込みに参加していた沖教組の退職者と「命ある限り闘います」とエールを交わし、現地から「今日は勝利した! ありがとう!」「全国の皆さんの団結を見せて頂いた。本当に感謝します」などの発言が相次いだ。
 赤嶺さんはこの勝利について「昨年に続き今年も資材搬入を阻止できた。これを1日だけの闘いにしてはならない。沖縄・本土で、中国侵略戦争阻止・全基地撤去の巨大な反戦闘争を爆発させよう。6・14全国闘争に3千人を結集させよう」と訴えた。
 沖縄闘争に初めて参加したという首都圏の学生は「現地闘争に参加した私たちが、東京や大阪など全国に持ち帰って、沖縄の闘争をどれだけ拡大できるかが問われていると思います。中国侵略戦争を阻止し、トランプ・石破を倒す6・14闘争に学生を大挙結集させ、首都を揺るがす戦闘的な大闘争を巻き起こしていきたい」と語った。同じく初参加の首都圏の青年は「全国の仲間とともに闘争をできてすごい有意義な時間になったと思います。沖縄の怒りに直接触れることもできて、本土に持ち帰って私も新たな闘いを巻き起こしたいと思います」と決意をみなぎらせた。
 ちなみに機動隊という「防衛隊」がいないせいか、右翼は辺野古現地には現れなかった。
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沖縄に応え本土で闘う
 矢嶋尋全学連委員長の発言(要旨)

(写真 「沖縄の怒りに応える本土の闘いを」と訴える矢嶋尋全学連委員長)

 毎日、辺野古のゲート前で座り込みを続け、基地の完成を阻んでいる沖縄の方々の不屈の闘いに感謝したいと思います。
 この沖縄の怒りと闘いに応える本土での闘いをつくり出さなければいけないと強く感じています。なぜかと言うと、国会も首相官邸も防衛省も全部東京にあり、石破も東京に住んでいます。この連中を打倒することが、本土・東京に暮らす私の義務だと思います。
 皆さん、ご存じの通り、去年の少女へのレイプ事件に続き、またも日米政府による沖縄での性暴力事件の隠ぺいが明らかになりました。怒りに震えます。
 1995年、米兵3人による小学生レイプ事件に対する怒りは沖縄県民10万人の決起に発展しました。追い詰められた日米政府は、普天間基地返還を宣言するまでに至りましたが、すぐに辺野古新基地建設に話がすり替えられました。何度沖縄を欺くのか!
 今、石破政権は自衛隊を米軍と一体で侵略戦争ができる軍隊につくり変えています。中国に届く長射程ミサイルの保有に踏み切っています。アメリカでもトランプが登場して中国をたたきつぶすための戦争に突き進んでいます。この中国侵略戦争の最前線に立たされようとしているのが沖縄です。住民の4人に1人が犠牲にされた沖縄戦の歴史を、何倍もの大きさで繰り返させることなど絶対に止めなければいけません。
 戦争になったら銃を握って他国の人々と殺し合いをさせられるのは、私たち青年世代です。私たちが、実力で戦争を止めるための行動に立ち上がれば、絶対に戦争を止めることができます。その現実性は、今日まさに工事車両を止めている闘いにあります。「全基地撤去、日米安保粉砕・日本帝国主義打倒」の70年闘争のスローガンは、今こそ必要とされています。70年安保・沖縄闘争を超える闘いを今こそつくり出さなければなりません。
 沖縄の闘いと連帯する闘いを発展させるために6月14日、東京でデモを呼びかけています。沖縄を戦場にさせない闘いを今こそ巨大につくり出しましょう!

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