那覇駐屯地に抗議行動 牛島「辞世の句」賛美を許すな
那覇駐屯地に抗議行動
牛島「辞世の句」賛美を許すな


大行進沖縄と全国の仲間は19日、辺野古現地での座り込み闘争に続き、陸上自衛隊那覇駐屯地への申し入れを行った。同駐屯地に司令部を置く陸自第15旅団は沖縄戦を指揮した旧日本軍(第32軍)司令官・牛島満の「辞世の句」を公式サイトに掲載、2026年には師団化が狙われている。住民敵視の姿勢をあらわにする自衛隊に対し、大行進の仲間は満腔(まんこう)の怒りをたたきつけた。
大行進沖縄の赤嶺知晃さんが「①第15旅団の師団への改編を直ちに中止すること、②琉球弧、沖縄のミサイル基地化=軍事要塞(ようさい)化を中止すること、③自衛官は侵略の銃をとるな。中国侵略戦争への参加を阻止しよう。労働者民衆と共に侵略戦争反対の声を上げよう」の3点を申し入れた。
3月30日の日米防衛相会談で、中谷元・防衛相が「ワンシアター(一つの戦域)」構想をぶち上げ、ヘグセス米国防長官も「日本は西太平洋で発生する有事で最前線に立つことになる」と言い放った。中でも、陸自勝連分屯地のミサイル部隊とともに、中国侵略戦争における自衛隊の中核部隊に位置づけられているのが那覇駐屯地だ。
〝玉砕して全員死に絶えても天皇の世はよみがえる〟という牛島の「辞世の句」を、中谷は「平和を願う歌」などと賛美した。中国侵略戦争に向かって自衛隊をかつての「皇軍」と同様の侵略軍隊に転化させ、再びの沖縄戦を準備するという宣言だ。自衛隊が再び「天皇の軍隊」として中国・アジアを侵略し、殺りく・強姦(ごうかん)・略奪の限りを尽くすことを許してはならない。
申入書を受け取った自衛官は、名前と所属を問われたのに対し「渉外担当」を名乗るだけで回答を拒否。第15旅団が牛島の句をサイトに掲載していることについても「答える立場にない」と言い放ち、逃亡した。住民の戦争動員を狙う自衛隊の中でも、中国侵略戦争の最前線を担う同旅団はとりわけ住民敵視の姿勢をむき出しにしているのだ。
「第15旅団を解体しろ!」「中国侵略戦争を許さないぞ!」「沖縄を戦場にするな!」「自衛隊は県民を殺すな!」と怒りのシュプレヒコールを上げ、各地の仲間が次々とマイクでアピール。全学連の学生は「自衛官自身が国のために死ぬことを絶対に拒否してほしい。一緒に反戦闘争に立とう」と渾身(こんしん)の訴えを行った。大行進東京に続き、横須賀・佐世保でそれぞれ反基地闘争を闘う大行進神奈川・九州の仲間が発言した。最後に再びシュプレヒコールを上げ、3日間の沖縄闘争を締めくくった。
右翼の街宣車が妨害に来ていたが、罵声を発するだけで何もできずに退散していった。また、警察権力は「車の出入り」を口実に弾圧を狙い、駐屯地前に割って入ってきたが、全体の団結で抗議行動を貫徹した。