ハーバード大留学生排除 学生運動に震え上がるトランプ 国際反戦闘争の爆発で反撃を

週刊『前進』04頁(3398号02面03)(2025/06/02)


ハーバード大留学生排除
 学生運動に震え上がるトランプ
 国際反戦闘争の爆発で反撃を

(写真 「ハーバードの手は血に染まっている」! ハーバード大学のジョンソンゲート前を制圧し、横断幕を門に掲げて抗議する学生たち【4月26日】)

 米国土安全保障省は5月22日、ハーバード大学の留学生・交換訪問者(研究者等)制度(SEVP)の認定校の取り消しを通告し、再認定を受けたければ、72時間以内に「過去5年間のハーバード大構内での留学生が参加したあらゆる抗議行動について、同大が所持する音声・映像をすべて提出せよ」と突きつけた。
 アメリカが世界最悪の監視国家であることは元中央情報局(CIA)職員のスノーデン氏による2013年の内部告発で周知のことであり、米当局は、対外的な盗聴傍受だけでなく、国内の電話・メールなどの全データを傍受・分析している。だが今回は、政府が公然と「あらゆる抗議行動」の情報を提出せよと迫り、「回答が不十分なら、ハーバード大及び留学生を受け入れる特権を持つことを欲するすべての大学には、トランプ政権は反米主義と反ユダヤ主義を社会と大学から根絶やしにする法執行をもって鮮明な意思を示す」と述べている。「民主主義」「言論の自由」の建前さえ踏みにじり、むき出しの暴力で労働者人民を圧殺するという宣言だ。
 全米の大学には110万人以上の留学生がいる。全世界から留学生を受け入れることは、従来はアメリカ帝国主義が世界的な影響力を発揮するために必要なことであった。だが現在、世界と米国内の階級闘争が巨大な規模で結合している。この110万の内乱勢力に米帝は震え上がっているのだ。だからこそ、法執行機関(警察・CIA・軍など)を総動員し、あらゆる大学で学生運動の絶滅戦をやろうとしているのだ。

虐殺支援する大学

 ハーバード大は、アメリカ資本主義・帝国主義の利害を最先頭で担ってきた大学だ。23年10・7パレスチナ蜂起と連帯して爆発的に拡大した大学占拠・キャンプ運動の主要な要求は、大学当局にイスラエル関連企業への投資を引き揚げさせ、共同研究を止めることだった。
 ハーバード大は巨大銀行に匹敵する巨額の大学基金を有し、今もその多くを軍需産業やイスラエル関連企業に投資し続けている。ガザですさまじいジェノサイドが行われているのに、当局はキャンプ運動の要求を聞かないどころか、機動隊を導入して暴力的に弾圧し、虐殺者を支援し続けた。また、シオニストがデモ参加者の個人情報の暴露を行うことを助けた。

排外主義と闘おう

 商業メディアは、トランプ政権と大学当局の対立、民主党と共和党の対立であるかのように報道しているが、とんでもない茶番だ。大学当局は民主党バイデン政権とイスラエルによるガザのジェノサイドを助けてきた。バイデン政権が議会公聴会にハーバード大などの学長を召喚し、民主・共和両党の議員たちが「追及」をしたのは、当局による弾圧が「生ぬるい」からにすぎない。
 「ハーバード大学のシオニズムとトランプのファシズムは対立していない。同じコインの裏表だ」。〝占領下パレスチナからハーバード大当局は手を引け運動〟や〝パレスチナのためのユダヤ人〟など活動家団体は4月26日、大学当局による2人の中東研究所教授の解雇などの弾圧に抗議してジョンソンゲートを占拠し、ハーバード・ケネディー・スクール(HKS)前を通るデモを行った。HKSの学生は約60%が留学生で、日本からは自民党政治家も留学している。だが、そのHKSさえ現在は世界的な闘いの中にある。
 トランプ政権は、ハーバード大攻撃の理由として「ハーバード大が中国共産党と協力している」と言っている。中国侵略戦争に向けた排外主義宣伝であり、中国人留学生・研究者をスパイ扱いし、投獄・追放することを狙っている。大学への攻撃とあからさまな監視社会化攻撃は、超巨大な戦争へ向けた国内体制づくりのためだ。全米の学生・労働者とともに、この日本で中国侵略戦争を絶対に止める闘いに決起しよう。
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