新刊紹介 原典解説『なにをなすべきか?』 水樹豊著/前進社新書 レーニン主義党組織論の原典を全編にわたり解説

週刊『前進』04頁(3400号04面04)(2025/06/16)


新刊紹介
 原典解説『なにをなすべきか?』
 水樹豊著/前進社新書
 レーニン主義党組織論の原典を全編にわたり解説


 本書は、党学校での「レーニン『なにをなすべきか?』」の講義録の学習レジュメをもとに講師の水樹豊同志が大幅に加筆し、実践的解説書として再構成したものです。

「戦争と革命」の時代の必読古典

 『なにをなすべきか?』は、1901~02年に執筆されたレーニン党組織論の最も重要な原典です。当時31歳だったレーニンは、ロシアで革命を志した多くの社会主義者とともに、党創成の苦闘の真っただ中にありました。当時直面した課題は、「ロシア社会民主主義派の日和見主義の特殊形態」である経済主義との対決でした。『なにをなすべきか?』は、この経済主義者を完膚なきまで論破し、それを通じて、「革命党とはいかなる組織であるべきか」を徹底的に明らかにした内容を全面的に展開しています。
 『なにをなすべきか?』は、党内闘争の渦中にあった多くの活動家に大きなインパクトを与え、この論争に勝利的決着をつけました。レーニンはここで確立されたレーニンの党組織論を、その後のロシア革命運動を通じてさらに柔軟かつ創造的に発展させました。レーニンは、実践的にも、生涯をかけてそれを貫き通し、幾多の困難を乗り越えてボリシェビキを革命的前衛党につくり上げ、この党の指導のもとで1917年のロシア十月革命を勝利に導きました。
 新たな戦争と革命の時代を迎えた今日の私たちにとっても、普遍的かつ重要な教訓をつかみ取ることができるはずです。『なにをなすべきか?』のもつプロレタリア革命に不可欠な内容は、『帝国主義論』や『国家と革命』と並んで、今こそ全面的に復権されなくてはなりません。
 『なにをなすべきか?』の学習が強く求められる情勢にもかかわらず、日本語の単行本は絶版状態で入手困難な状況にあります。そこで本書は、当時の時代背景や原著の全体像を読者がつかみやすくする配慮とともに、とりわけそれらが今日の階級闘争にどういう意味を持つのかの解説に力を注いでいます。

原文詳説に加え補論で掘り下げ

 本書では、『なにをなすべきか?』の五つの章の全編にわたって、その核心部分を原典から極力多く引用し、適切でわかりやすい解説を加えています。
 さらに本書の特長として2本の長文の補論が付加されています。①いわゆる「外部注入論」について、②「職業革命家の党」とレーニン党組織論の発展----の二つです。いずれも著者が特に強調したかった論点を、今日的課題に沿って深く掘り下げています。
 本書を読了すれば、『なにをなすべきか?』の基本的な内容とその最も重要なポイントを、原著を未読の人でも十分に読み取ることができる構成となっています。
 『なにをなすべきか?』の全編をカバーする形での解説書は、革命的共産主義運動の歴史において初めての試みです。現代革命の勝利をめざす実践的立場からレーニンの思想を正確に読み解く手がかりとして、ぜひ購入し活用して下さい。
(新書判302㌻、本体1200円+税)

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