6・14闘争弾圧勾留理由開示公判 警察の暴力こそ犯罪 Bさんを解放せよ! 森川文人弁護士の意見陳述(要旨)
週刊『前進』04頁(3403号04面02)(2025/07/07)
6・14闘争弾圧勾留理由開示公判
警察の暴力こそ犯罪
Bさんを解放せよ!
森川文人弁護士の意見陳述(要旨)

(写真 東京地裁を弾劾【6月26日】)
6月26日に行われた全学連の女子学生Bさんの勾留理由開示公判(前号既報)で森川文人弁護士が意見陳述を行い、Bさんの正義性と弾圧の不当性を全面的に明らかにした。要旨を紹介します。(編集局)
6・14反戦デモの歴史的な成功
6・14の東京中心部における1000人の大衆による「中国侵略戦争のための日米同盟粉砕、石破政権打倒!」デモの歴史的な成功を確認したいと思います。アメリカ帝国主義トランプ政権によるイラン侵略戦争が一気にエスカレートしています。さらにG7サミットは「イスラエルの安全保障」と位置づけそれを支持すると表明、対中国軍事対抗もあからさまにしています。むき出しの帝国主義時代が到来しています。
石破首相は、中国侵略戦争に向けワンシアター改めオーシャン構想をぶち上げましたが、自民党政権は、庶民のコメへの要求をしり目に裏金パーティーでずぶずぶで、都議選でも完全に庶民にそっぽを向かれ、ぼろぼろです。
統合作戦司令部発足、作戦司令部直轄の呉基地「海上輸送群」の南西諸島への輸送展開部隊配置、宮古島への電子戦部隊配備、そして、宮古島、石垣島など先島諸島からの12万人の避難計画公表など、対中国戦争を米軍と共にいつでも始められる準備が整いつつあります。
この現実。これが今の「公務」です。つまり国家権力による巨大な暴力・殺人・破壊が公務とされる時代です。明らかにトランプや石破やネタニヤフらこそが犯罪者と扱われるべきではないでしょうか。
自国政府を倒し戦争とめる時代
このような世界の戦争状況だからこそ、反戦活動が必要なのです。今や、ここ日本では、戦争が「国策」であり「公務」です。だから反戦、つまり戦争反対は国策との対決にならざるをえません。戦争を阻止するためには、戦争を進める権力を打倒する革命家としての自覚と覚悟が必要となる時代です。
ここに被疑者とされている彼女と共に私たちが行っているのは、この世界に蔓延(まんえん)する「国家vs国家」という構図から「支配階級vs被支配階級」という階級対立の現実を暴露し、そして、革命的祖国敗北主義、つまり、自国帝国主義を打倒して戦争をしない世界をつくるラディカルな反戦活動です。
被疑事実にもわざわざ「中国侵略戦争のための日米同盟粉砕・石破政権打倒!」のデモだと明記されていますが、今、この日米による「中国侵略戦争」と捉えることができるか、が未来を決する焦点です。
裁かれるべきは権力・機動隊だ
私たちは、歴史をまた繰り返すわけにはいかない。そして、全く負けていない。私たちがいる。私たちは増え続けています。戦争の時代は弾圧の時代です。戦争反対は逮捕・勾留される。いや実態は誘拐・監禁です。国家の犯罪だ。戦時弾圧の目的は、逮捕・未決勾留それ自体を「23日の懲役刑」として科し、反戦運動を恫喝し、抹殺することにあります。
私も6月14日のデモに参加し、たぶん彼女の数メートル後ろにいました。はっきり言えることは、デモ隊の若者たちに襲いかかってきたのは武装した機動隊の方だ、ということです。機動隊のとてつもない暴力、つまり反戦をつぶすために、デモ隊の参加者に対し、暴行を加え、転ばされてる人もいる状況を監視弁護を行っていた私は、撮影し、記録もしています。今回行われたことは、反戦運動に対する、戦争と同じく武装した機動隊員による暴力事件であり、その逆ではありません。裁かれるべきは機動隊であり権力です。
では、彼女はいったいなぜ、逮捕されたのか。それは、まさに「中国侵略戦争のための日米同盟粉砕、石破政権打倒!」のデモだから、誇りをもって戦争反対を訴えている私たちの仲間だから、ということにつきます。冤罪(えんざい)と異なり、弾圧において権力は確かに狙いは間違えない。素晴らしい革命家だから国家権力は彼女に襲いかかったのです。
逮捕されたら勾留請求するのが当たり前の検察官とすぐ勾留する裁判官。こんなのは司法チェックではない。「誘拐・監禁」の共犯です。今年は治安維持法から100年ですが、かつての戦時司法と全く変わりません。私たちは、このような国家の犯罪・暴力を許すことはできません。治安維持法下の時代を暗黒の時代と呼んでいたのなら、今再びのこの時代にこそ、怒りを解き放ち暴力を奪還しなければなりません。
こんなデタラメな逮捕・勾留、いや誘拐・監禁を合法化させようとたくらむなら、我々は、国家暴力の卑劣さを徹底的に暴露します。犯罪者はどちらか?ということを世界の民衆に、そして歴史に問います。
反戦活動が国策違反の犯罪とされ、逮捕・勾留を行う暴力装置である裁判所が許されるのは間違っています。裁くのは私たちです。
直ちに被疑者を解放せよ。