極右・中山石垣市長打倒を 公文書偽造で失職も再出馬 軍事拠点化阻止へ闘おう
週刊『前進』04頁(3406号02面03)(2025/07/28)
極右・中山石垣市長打倒を
公文書偽造で失職も再出馬
軍事拠点化阻止へ闘おう
参院選に向けた過程の6月29日、沖縄県石垣市で極右・中山義隆市長が市議会の不信任を受けて失職した。これを受けて、8月17日に市長選が行われることとなった。
中山に対する不信任案は6月18日、市議会で可決された。理由は、議会に市が提出した国民健康保険事業特別会計補正予算に関する公文書の偽造だ。中山は会計処理の日付を改ざんし、うその答弁を重ねた。れっきとした不正である。自衛隊基地反対派の若手議員がこれを追及・糾弾し、不信任を提起した。結果として議員22人中19人が市長の責任を認めた。
だが中山は辞職するのではなく、6月29日の自動失職を受けて行われる市長選を通して、5期目となる次の4年間の市政を握るために不信任を逆手にとるという文字通りの開き直り的「陰謀」に出た。そのため与党・自民党に対して不信任に賛成するよう要請し、議員はそのとおりに行動した。そして自民党は中山に市長選への再出馬を要請したのだ。中山市政の破綻を乗り切ろうとして墓穴を深め、なりふり構わぬ手法で中山再選=継続を図っている。
これを仕組んだのは、霞が関の国家権力中枢に他ならない。陸上自衛隊駐屯地(2023年開設)建設から、現在計画されている「台湾有事」の際の島民の強制疎開=全島民への移住強制に至るまで、国家権力中枢は中山と組み、石垣市政を直接的に掌握するために人も送り込んできた。
石垣島は釣魚島(尖閣諸島)に近いため、海上保安庁の艦船の出撃拠点となってきた。最近では、自衛隊・米軍の艦船が公然と出入りしている。中山は自民党の右翼議員らと船を仕立てて「尖閣視察」を繰り返すなど露骨な戦争挑発行為を展開し、侵略と排外主義をあおり立ててきた。また、日本会議と組み、侵略戦争賛美の歴史改ざん教科書を押し付けてきた。中央権力と結託し、その力で石垣島の軍事拠点化を推進してきたのである。
石垣市長としての中山の存在は、ミサイル基地建設や先島など島しょ部における米海兵隊の対中国作戦である遠征前進基地作戦(EABO)などの軍事計画に組み込まれていると言っても過言ではない。そういう存在だからこそ、戦時下の市長として5期目を確保する「作戦」が瞬時に発動されたのだ。この姿は、沖縄戦時に波照間島で島民に向かって軍刀を抜き、マラリア有病地への島民全員の「疎開」を迫った残置諜報(ちょうほう)員・「山下虎雄」にも似ている。
中山市長の延命策謀を許してはならない。それは、侵略戦争開始の合図となる。市長選で中山に対抗する候補者・砥板(といた)芳行は、強制疎開(全島民退去)に関して「国に問いただす」と言っているが、日本帝国主義の中国侵略戦争に絶対反対の態度を明確にしなければ、中山を倒すことはできない。帝国主義国家の先兵としての中山を、ここでぶっ倒す闘いが必要だ。二度と侵略戦争を許さない「絶対反対の闘い」を貫こう。
(黒島善輝)